【進化する電車のつり革と荷物棚】快適な乗車のための工夫とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話】
つり革や荷物棚もどんどん進化している
快適に乗車するために設備も進化!
毎日多くの人が利用する電車。その構造は使いやすさを考えたものになっています。注目して見てみると、実はさまざまな工夫が施されているのです。
つり革は、立ったままでも安全に乗車するために必要な備えです。これをつかんでいることで、走行中に車体が揺れても、乗客は転ばずに済みます。最近では、あらゆる人が利用しやすいような工夫も見られ、つり革の長さをばらばらにして身長の高い人も低い人も、それぞれが持ちやすいようになっています。
荷物棚は、乗車中に荷物を置いておけるスペースですが、座席の上部にあるのが一般的です。そのため、小柄な人はなかなか利用しづらいもの。そこで棚の位置を5cmほど低めに配置した車両が増えています。たとえば山手線では、従来のE231系では167.8cmだっ荷物棚の高さが新型車両のE235系では162.8cmへと下げられています。また、棚の下に座っている人への圧迫感の軽減や忘れ物防止のために、荷物を置く部分を透明なガラスにしたものも多くなってきました。そんな便利な荷物棚ですが、座席に座ってしまうと置いた荷物が視界に入らなくなってしまいます。置き忘れて電車を降りてしまわないよう、利用するときは十分注意が必要です。
バリアフリー化するつり革
従来の車両では同じ高さにつり革が並んでいるのが主流でしたが、近年は身長の低い人やお年寄りも使いやすいよう工夫されています。
2種類の高さのつり革を設置する
さまざまな身長の人が利用しやすいように調整。たとえばJR東日本では、168cmのつり革、163cmのつり革が使われています。
優先席の前のつり革を低くする
高さの調節に加えて、つり革の色をよく目立つ黄色にする場合も。混雑時にも優先席であることを認識しやすくする効果があるといわれています。
座席に座っている人にも配慮した荷物棚
従来は金属パイプの枠組みにネットが張られたものが主流でしたが、より快適・安全に使えるように進化しています。
金属パイプを複数本並べたデザイン
網よりも強度がある構造です。一方でパイプの隙間から小さな荷物が落下して座っている乗客に当たったり、頭上に圧迫感を感じたりするといったデメリットもあります。
ガラス板を使ったデザイン
アルミ製のフレームに強化ガラス板をはめこんだ構造です。荷物が落ちてしまうことがないため安全性が高く、下から荷物がすけて見えるため忘れ物防止策にもなります。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』著:綿貫 渉