なぜ日本語は「レベルが高く」「難しい」言語なのか / 外国人の視点から見るとこうなっている!
普段から当たり前のように日本語を使っている日本人。小さい時から日本語を教わって、今に至るまでずっと使ってきた。これからもそうだろう。
その当たり前のように使っていた言語が、実は世界でもレベルの高い言語として分類されている。気づいてる日本人も多いだろう。
というわけでね、なぜ日本語は「レベルが高く」「難しい」言語に分類されているのか。外国人の視点から語りたいと思う。
ちょっと長いかも、まぁ気長に最後まで付き合ってくれると嬉しい。
・一気に3つの字体
人が言語を勉強するときに最初にぶつかる壁、それは「文字」であろう。日本語に限らず、どの言語でも言えることである。
ほとんどの言語は1〜2種類の文字を使うだろう。これがね、多くの人にとっては結構高い壁である。言語オタクの自分でも、文字を覚えるのは結構時間かかるからめんどくさい(にわか確定)。
そんで日本で使われてる文字はというと「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「Latin Alphabet(ローマ字)」……
4つ!!!!!!!!
ローマ字は普通に多数の言語でも使われていて、「ひらがな」だけならまだ良いんだけど……読み方は同じなのに字体と用途が違う「カタカナ」、一言では説明しきれないラストボス「漢字」。
1種類の文字だけでも壁なのに、これが3つもあって、しかもそのうち1つがバカみたいに難しい。この3つの壁を見て心が折れた人は多いだろう。普通に初っ端からハードルが高すぎる。
自分も日本に住んでいなかったら、日本語を勉強するのなんてとっくに諦めてただろうな。
・漢字は普通にラスボス
個人的に日本語の最も高い壁の一つ、それが「漢字」。
元々中国由来の文字で、日本以外にも韓国やベトナムでもかつては使われていたそうだ。日本では独自の進化をして「新字体」になり、漢字を元に「ひらがな」と「カタカナ」が作られた。まぁこれは基本知識。
ひらがなとカタカナはまだいいんだよ、読み方が単純で比較的短時間で覚えられるから。一番の問題がこの日本の漢字、グチを言わせてもらうと……
まず、読み方が多い! 中国由来の読み「音読み」、加えて大和言葉由来の読み「訓読み」……
読み方も言葉によっては少し違っていたり(濁音になったり半濁音になったり)、
なんかよくわからない読み方をしたり(初見◯し)、
漢字の「音読み」と「訓読み」どっちも覚えるの難しすぎる。「なんかよくわからない読み方」は日本に元々からある言葉をそのまんま漢字の読みにしたって言うのはよく分かる(?)けど、やっぱり初見◯しすぎるよ。
あと音読みにも「漢音」「呉音」「唐音」というのがあるのを最近になって知った。友達から良く聞かれるんだ「なんで色んな読み方があるの?」って、説明したら時々「なんで統一しないんだよ」って。まぁ……
あっ、グチはまだ終わってない。まだまだ言いたいことがある。
中国と違って、日本語には明確な「トーン」がない。だから同音異義語が普通にたくさんある。慣れないとどれがどれなのか分からなくなる。
まぁ、これは別にそこまで問題というわけではないけどね。文脈から何を言ってるのか普通にわかる。
実は前まで「日本語って同音異義語が多すぎる、中国語の方が一字一音だからわかりやすい」と思ってたが、最近になって中国語でも普通に同音異義語があるということを知った。日本語の方がマシに思えてきました、はい。
待って、同音異義語っていうか、読みも意味もほとんど同じなのに漢字が違うの、これキツすぎません?
これは正直に「なんで????????」としか。だって同じじゃんね?? いや、英語でも普通に「See」と「Watch」があるし……。
あとこれは初心者領域じゃないんだけど、人名訓とかは初見で読めたら奇跡レベル。でもなんか狂おしいほど好き。個人的に好きなものは、
とか。特に「一」とかいて「にのまえ」って呼ぶの、カッコ良すぎない? ただ外国人は初見で読めんだろう。自分も調べるまで知らなかったし、「小鳥遊」を「ことりゆう」って読んでたし。
あとはまぁ、当て字かな? 個人的に好きなのが、
これも初見◯しかな。「珈琲」と「寿司」はワンチャンわかりそうではあるけど。
漢字って書くの難しいし、色んな読み方があって難しいけど、正直自分は漢字に助けられてる場面が多い。
読み方は分からなくても字を見ればだいたい意味が分かるし、アニメや動画などで難しい言葉が飛び交っても日本語字幕さえあれば全然ついていける。僕の友達も漢字は読めなくても意味は分かる人が多い。
そもそもかんじをいっさいつかわずひらがなやカタカナだけでぶんをかいてもよみにくいので、漢字って大事だなと思う。ありがとう、漢字。
あと漢字って普通にかっこいいよ。
・助詞でつまずく
日本語で文字以外に結構大きな要素、それが「助詞」である。「の」とか「が」とか「に」とか「へ」。日本語を勉強する過程で最初の方に勉強するであろう「助詞」。
まぁ、助詞ってのはどの言語でもある。インドネシア語の助詞は結構使い方が日本語と似てる。
でもなぜだろうか、助詞を間違えて使う人が多いんだ。「へ」と「に」とか、「を」と「が」とか。間違いを聞くたび誰であろうと自分はいつも教えてあげてる。
てか、自分もよく助詞の使い方に悩むことが多いし、何なら間違えて使うこともよくある。結構単純そうに見えるけど、色んな使われ方してるから余計わからなくなる。
・「活用」はまぁまぁ
日本語で動詞に変化があるね、あれは「活用」って言うのを今知った。
あれに苦戦している人をよく見かける。まぁこれに関してはすぐに覚えてくれるんだよね、実際こういう動詞に変化が加わるのって多くの言語でもあるし、インドネシア語も動詞が変化することもある。
・オノマトペ
日本語でめっちゃ使われる「オノマトペ」、「ドキドキ」だったり「ザーザー」だったり「がっかり」だったり「ふらふら」とかとか。自分が話している言語でオノマトペをこんなに使う言語は日本語だけ。
正直言うと、日本語のオノマトペめっちゃかわいい。なんだろうこの可愛さ。すっごく可愛い。
でもやっぱり外国人には少しわかりにくいかも。英語とインドネシア語なんて普通に形容詞使うし。
これは慣れるのに結構時間がかかるらしい。
・まとめ
以上、日本語に対する僕の経験と友達からの意見。
正直言って日本語が話せる自分を誇りに思ってしまう。だって自分はこんな難しい言語が話せて理解できるんだぞ?! しかも日本語能力試験N1取得済み!
でも、こんな自分よりもっと凄い人がいる。それは「やる気だけで0から勉強する者」たち。
自分は小学生の頃、日本に住んでたことがあって、そういった環境に置かれたので「仕方なく」「嫌でも」日本語を勉強して日々使っていた。そのおかげで今こんな風に日本語を使えているが、「日本で住んだことがある」という要素が大きい。
それに対して自分の友達にもいたが、日本には行ったことが無く、アニメや動画から独学でN1のレベルにまでたどり着いた人もたくさんいる。何が凄いかというと、そのやる気。
もし自分は日本で生活していなかったら、こんな風に日本語は話せなかっただろう(自分は飽きっぽいので、名前もアキルだけに)。だからね、普段日本語を丁寧に話している日本人も、頑張って日本語を勉強している外国の方も、皆尊敬している。
というわけでね、Sampai Jumpa Lagi!
執筆:アキル
Photo:RocketNews24