家具のレイアウトはどう考える?デザイン例や配置を決めるコツをご紹介
新居に引っ越してきたときや模様替えの際に、家具をどう配置すればおしゃれな部屋にできるのか悩む方は多いでしょう。家具のレイアウトは、間取りや部屋の広さ、使用する人数、過ごし方などで変わってきます。
素人では難しそうな印象がある家具のレイアウトですが、コツを押さえることでおしゃれな空間にすることが可能です。
今回は、人数・部屋別に家具のレイアウト事例からポイントまでくわしくご紹介します。使いやすくおしゃれなインテリアにしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
【人数別・部屋別】家具のレイアウト実例
家具レイアウトのイメージが湧かないときは、実例を参考につくりたい部屋を考えてみましょう。まずは、人数別・部屋別にレイアウト例をご紹介します。
【一人暮らし・二人暮らし】1LDKのレイアウト例
1LDKはLDKと1部屋で構成されています。LDKの家具レイアウトは、キッチンから奥に向かってダイニングテーブルセット、その先にソファやテレビなどくつろぐための家具を配置する形がマストです。
ソファやテレビ台など家具の位置は、LDKの形状と窓の位置関係によって変わってきます。たとえば部屋の形が縦長で奥に大きな窓があれば、採光を妨げないように両サイドの壁にくっつけて、テレビ台や棚、ソファを設置する必要があるでしょう。
もう1部屋は寝室として使うケースが多いでしょう。LDKと寝室が横並びの間取りで引き戸により仕切られている場合、開けた状態にしておくと広々とした空間を演出できます。
そのため、リビングからの見え方を意識してベッドやタンスなどの家具を配置するとよいでしょう。
【一人暮らし・二人暮らし】寝室のレイアウト例
寝室は、一般的にベッドと暮らしや目的に合わせて+αの家具を設置していくことになります。また、ベッドが部屋の面積の大半を占めるので、ベッドの位置を決めたうえでほかの家具のレイアウトを決めるのがポイントです。
たとえばヘッドボードを壁につけ、部屋の中央にベッドを配置する場合、両サイドに家具を設置することが可能です。目的や空きスペースの広さに合わせてデスクやサイドテーブル、収納テーブルなどを設置できるでしょう。
サイドに家具を置くことが難しい場合、ベッドの壁に寄せていない側に十分なスペースがあれば、そこにデスクや収納棚を配置する方法もあります。
また、二人暮らしで別々に寝るためにシングルベッドを2台置く場合、ベッドの間にサイドテーブル(ナイトテーブル)を設置するとパーソナルスペースを確保することが可能です。
【ファミリー(3人以上)】リビングのレイアウト例
キッチン側から見て縦長のリビングで窓が奥になる場合、家具を配置するのは両サイドの壁際です。テレビとソファを向かい合わせにする形で壁にくっつけて配置し、中央にテーブルを置けば採光も動線も確保されたレイアウトになります。
キッチンから見て横に広がりのあるリビングで、横側に大きな窓が配置されている場合、窓のない奥の壁側にテレビ台を置き、その正面にテーブルやソファを配置するというレイアウトにできます。
窓の向かい側となる壁にテレビを配置するのは、なるべく避けましょう。テレビの向かいが窓の場合、光の反射でテレビが見えにくくなる可能性もあるので、日差しが入りにくい位置に置くのがマストです。具体的には、テレビと窓が垂直になるように配置してみましょう。
【ファミリー(3人以上)】ダイニングのレイアウト例
ダイニングテーブルの置き方はさまざまですが、定番は対面キッチンの正面にテーブルを縦に配置する方法です。キッチンの正面にテーブルを置けば、配膳も片づけもラクになり、キッチンからダイニングの様子を確認できることがメリットです。
横に長い形状のLDKであれば、キッチンの横にダイニングテーブルを配置する方法もあります。横並びにすることで、残りのリビングスペースを広く取ることが可能です。
大きなテーブルを置きたいときは、キッチンとテーブルを離して平行に配置するとよいでしょう。キッチンから距離を取ることで、テーブル周辺の空間を確保でき、回遊性に優れたダイニングにできます。
【ファミリー(3人以上)】寝室のレイアウト例
子どもと一緒に寝るのであれば、大きなサイズのベッドや複数台のベッドを置く必要があります。ベッドだけで部屋が埋まってしまうケースも珍しくないため、設置する家具は必要最低限にしておきましょう。
ベッドは窓の位置やクローゼットなどの位置に考慮して、部屋の中央や角に配置するのがスタンダードです。ベッドの左右に余裕があるようなら、小さめのサイドテーブルを置くこともできます。
ベッドの向かいが壁で、広さにも余裕があれば壁一面に棚やタンスを並べて配置するのもよいでしょう。配置する際は、通り抜けのしやすさや引き出し・扉の開けやすさに考慮しなければなりません。
また、ベッド自体が大きな家具なので、圧迫感を軽減するために棚やタンスは背の低いものがおすすめです。
家具はどう配置する?上手なレイアウトのポイント
家具をうまくレイアウトしていくためには、いろいろとコツがあります。具体的にどうすればよいのか、レイアウトのポイントをチェックしていきましょう。
まずは部屋・家具のサイズを把握する
部屋と家具のサイズのミスマッチは、部屋づくりでよくある失敗です。部屋に反して家具が大きく必要なものが置ききれない、無理に配置したら窮屈で生活動線が悪いなどの問題を招いてしまうでしょう。
この問題を避けるためには、あらかじめ部屋と家具のサイズを知ることが大切です。サイズがわかれば、部屋の大きさや間取りに対してどれくらいの大きさまでなら配置できるのか、生活動線を確保できるのかを考慮しながらレイアウトを決められます。
動線を意識した配置を心掛ける
家具を配置する際は、スムーズに室内を移動できるように生活動線を意識する必要があります。動線の幅は、部屋を使用する人数によって変わってくるので注意しましょう。
一人がゆったり通るための幅を確保するには、最低でも60cmは必要とされています。二人暮らしなら最低でも90cm以上の幅がないと、すれ違う際に移動のしにくさを感じるでしょう。
必要な通路幅は体型や設置する家具によっても基準が変わるので、その点にも注意しながら室内を移動しやすい位置に家具を置いていくことがポイントです。
視線に気をつけることで部屋を広く見せる
家具のレイアウト次第で、部屋の広さの感じ方が変わってきます。そのため、配置を決める際は視線を意識すると、開放的な空間にすることが可能です。
部屋を広く見せたいときは、遠近法を活用するとよいでしょう。遠近法は手前に大きなもの、奥に小さいものを描くことで画面上に遠近感を与えるという、絵画でよく使われている手法です。
家具のレイアウトで遠近法を活用する場合、背の高い家具を部屋の入口周りに置き、奥に向かって背の低い家具を配置していきます。そうすることで、目の錯覚により本来よりも広い部屋に感じさせることが可能です。
空間にメリハリをつくる
気分よく過ごせる部屋にするためには、空間にメリハリがついた家具レイアウトにすることがポイントです。たとえば、LDKなら食事をするダイニングと家族がくつろぐリビングにスペースを分けたいと考える人が多いでしょう。
ほかにも寝室にデスクを置く場合、集中して勉強や仕事ができるデスクスペースとリラックスして休めるベッドスペースに分けるのが理想的です。
空間にメリハリをつくる手段としては、区切りたい位置にソファや棚などの家具を置いて間仕切りにする方法があります。棚を活用する際は、背の低いものや背面や側板のないオープンタイプを選ぶと、視線が抜けて圧迫感を和らげることも可能です。
家具の色は統一させる
カラフルな部屋は個性があって魅力的ですが、多色を使って統一感を出すのは至難の業です。そのため、基本的に家具の色味を揃えてレイアウトを考えることをおすすめします。色を統一させることで、すっきりとまとまった空間にすることが可能です。
色だけではなく、家具の素材やデザインのテイストも統一させましょう。たとえば、ナチュラルな雰囲気なら木製の家具、無機質感がおしゃれなインダストリアルインテリアを目指すならヴィンテージ調やアイアン素材の家具が似合います。
目を引くフォーカルポイントをつくる
フォーカルポイントとは、視線が集中する場所や物を意味します。具体的に例を挙げると、飾り棚や壁にかけた絵画、和室の床の間などがフォーカルポイントとなる部分です。
視線を集中させたい場所やアイテムを決めたうえで家具をレイアウトしていくと、おしゃれで見た人に強い印象を残せる部屋にすることができます。部屋の奥にフォーカルポイントをつくると、視線が奥に集中するので部屋を広く見せることが可能です。
家具レイアウトのシミュレーションサイト・アプリを活用する
最近はWebサイトやアプリで使える家具レイアウトのシミュレーターがあります。そのようなツールを活用すれば、家具を配置したときの雰囲気や動線を大まかに確認できるので、レイアウトで失敗するリスクを下げることが可能です。
3D表示できるタイプであれば、よりリアルなシミュレーションが可能です。中には主観カメラで表示できるものもあり、実際に部屋にいる雰囲気を体感しながらレイアウトを考えられます。
ただし、サービスによっては設置したい家具のオブジェクトがないこともある点に注意が必要です。オブジェクトがない場合、サイズや形が近いものを代用してシミュレーションしていきましょう。
まとめ:コツを押さえて家具をレイアウトすれば、おしゃれで快適な空間がつくれる!
おしゃれで使いやすい部屋にしたいものの、家具レイアウトが難しく苦手意識を持つ方もいるでしょう。しかし、今回ご紹介してきたコツを押さえれば、ワンランク上の部屋をつくれるようになります。
さまざまな事例から理想とする部屋を見つけて、レイアウト時の参考にするのもよいでしょう。まずはどんな部屋にしたいのか、テーマを決めるところからはじめてみてください。