佐々木朗希の穴は埋まるのか?ロッテが「勝つために。」クリアすべき課題
チームスローガン「その全ては、勝つために。」に決定
吉井理人監督の就任3年目となるロッテはキャンプイン前日の31日、2025年のチームスローガンが「その全ては、勝つために。」に決定したと発表した。
指揮官は「勝つために何が出来るのか。何をしないといけないか。何が足りないのか。それぞれが勝利のために自分と向き合い、そのための行動をして欲しいと思っています。明日のキャンプからシーズン終了まですべては勝つために全員であらゆるすべてを注いでいきたいと思います」と勝利にこだわる姿勢を鮮明にした。
また、藤岡裕大内野手のキャプテン就任も決定。「キャプテンをやらせていただくことになりました。行動で引っ張っていけるように、強い気持ちをもってやっていきたいと思います。若い選手とも、しっかりとコミニケーションをとりながらもやっていきたいと思います。優勝に向かってチーム一丸、秋にみんなで笑えるようにしっかりと戦っていけたらと思います」と意気込んでいる。
昨年はセ・リーグ3位だったDeNAが日本シリーズ制覇。「元祖・下剋上」のロッテとしても、指をくわえて見ているわけにはいかない。
現在と規定が違った2005年は、レギュラーシーズン2位からプレーオフを制してリーグ優勝したが、レギュラーシーズンを勝率1位で制したのは1974年までさかのぼる。半世紀以上前のことだ。
昨季10勝の佐々木朗希が抜けた穴は決して小さくない。だからこそ、チーム全員で勝利への意識付けを徹底したい思いがスローガンに込められている。
打撃陣は493得点からどこまで上積みできるか
とはいえ、巨大戦力を誇るソフトバンクに勝つのは容易ではない。ロッテの主な昨季チーム成績は下の通りとなっている。
目立って悪い数字はないが、飛び抜けて良い数字もない。打撃成績を見ると、493得点はリーグ3位、打率.248は2位、75本塁打は3位だが、いずれもリーグ1位はソフトバンク(607得点、打率.259、114本塁打)だ。
ロッテは昨秋ドラフト1位で西川史礁外野手(青山学院大)、2位で宮崎竜成内野手(ヤマハ)ら即戦力野手を補強し、今春キャンプでも一軍メンバーに名を連ねているものの、打力でソフトバンクを一気に逆転するのは難しい。となると、やはり投手陣の整備が現実的な施策となる。
先発はFA石川柊太とベテラン陣の復活に期待
先発陣はリーグ5位の防御率3.06、同2位の奪三振率7.48。奪三振率は佐々木朗希の移籍によって下がることが予想されるが、穴埋めとしてFAで加入した石川柊太に期待がかかる。
昨季のチーム防御率もリーグ1位はソフトバンク(2.50)だったが、そのリーグ王者から移籍してきた右腕はパワーカーブを武器に2020年に最多勝と最高勝率に輝いた実績の持ち主。1年間を通してローテーションで活躍すれば2桁勝利は十分に可能だろう。
さらに38歳・美馬学、36歳・石川歩、35歳・唐川侑己らのベテランがどこまでやれるか。中森俊介ら期待の若手を実績組が刺激するくらいの活躍を見せてほしい。
勝ちパターン確立が急務のブルペン陣
救援陣はリーグ4位の防御率3.38、同5位の奪三振率6.91。ソフトバンクはリーグ1位の防御率2.58をマークしており、その差を埋めるためにはブルペンの充実も急務だ。
昨季は鈴木昭汰が51試合で2勝2敗5セーブ27ホールド、横山陸人が43試合で3勝1敗3セーブ18ホールド、澤村拓一が39試合で1勝2敗1セーブ15ホールド、益田直也は44試合で1勝4敗25セーブ6ホールドの成績を残した。
今季は2022年に49試合で3勝3敗3セーブ24ホールドをマークしたタイロン・ゲレーロが3年ぶりに復帰。リードを確実に守り抜き、救援防御率2点台まで改善できれば白星は増えるだろう。
益田直也は通算243セーブで、名球会入り条件の250セーブも目前。51年ぶりの悲願を果たすには、昨季リーグ5位だった、5回終了時点でリードした試合の勝率(.836)を上げ、勝ちパターンを確立したい。
吉井監督、勝負の3年目。「勝つために。」今春キャンプは1日たりとも無駄にできない。
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記事:SPAIA編集部