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個性豊かに 釜石市民芸術文化祭 キーワードは「かけあわせ」 年代・ジャンル超え

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 釜石市民芸術文化祭(釜石市芸術文化協会主催、市共催)は1、2日、同市大町の市民ホールTETTOで開かれた。秋めく街を彩る芸術の祭典は55回目。「子供達の笑顔、未来に紡ぐ芸術の心!!」をテーマに、作品展示や舞台発表などで日ごろの活動の成果を披露した。

 展示では書道や絵画、切り絵、ステンドグラス、生け花、郵趣品、編み物、写真など多彩なジャンルの作品がずらりと並んだ。加盟団体に加え、一般参加、学校単位での出品も。岩手芸術祭など県内外の公募展で入賞した美術作品も紹介され、来場者は幅広い年代がみせる豊かな表現力を堪能した。

美を追求⁉簡素化された生け花に興味津々


ステンドグラスや郵趣品、編み物など多彩な作品がずらり


 創作活動に触れられる体験コーナーも人気。文字の書き順にこだわらず自由に筆を走らせる「脳活書道」は大人たちを刺激し、タブレット端末と電子ペンを使ったデジタルイラストの塗り絵は子どもたちが夢中になった。

デジタルイラスト体験コーナーは子どもに人気


 ステージ発表では大正琴やバンド演奏、バレエ、民謡・舞踊などが連日繰り広げられた。1日に登場した「KIKI(キキ)ダンススクール」の子どもらはキレのある動きで格好良くてかわいらしいパフォーマンスを見せ、社交ダンスサークル「プリンセス釜石」は大人の優雅な踊りで魅了した。

息を合わせて踊るキキダンススクール


華麗なダンスで魅せたプリンセス釜石


 初参加の「Dance & Music Departure」は市内で音楽活動を行っている社会人と現役高校生による4人組のグループ。会社員の新谷詩乃さん(38)がピアノと歌、公務員の村井大司さん(65)がカホン(パーカッション)を担当し、高校2年生の菅田悠真さん(17)がサックスの音を重ねた。「星に願いを」はダンスをかけ合わせたステージに。高校1年生のSARAさん(16)がバレエなどの要素を取り入れたオリジナルの振り付けで曲の世界観を表現した。

音楽とダンスを組み合わせた「Dance & Music Departure」


 発表を終えたSARAさんは「ほっとした」と肩の力を抜いた。所属するキキダンススクールではソロとしての活動も始めていて選曲、振り付け、構成などをこなし、今回のステージは「貴重な経験になった。より一層ダンスを極めたい」と刺激にした。

 学校の部活動で吹奏楽に熱中する菅田さんは仲間がいない状況に緊張したものの、「頼るのは自分だけ。今までにない感じでサックスを演奏できたのがうれしい」と自信を深めた。「音楽との出合いで生活が変化した」と感じる自身の経験や思いをのせた音色を届けるため、挑戦を続ける。

ステージ後に笑顔を見せる(左から)村井大司さん、SARAさん、菅田悠真さん、新谷詩乃さん


 「若い力っていいな。みずみずしくて、見ていると気持ちがいい」と村井さん。市民吹奏楽団で音の重ね合いを楽しんでいて、「まだしぼんでいられない」と高校生の姿に触発された。

 このグループは、SARAさんの希望を実現した形。メンバーの声がけに手を貸した新谷さんは「夢に向かって頑張っていたり、何かに挑戦しようとする若者をサポートする機会になれば。発表の場を作り、経験や人との出会いを手伝いたい」と、継続した取り組みへの進化を思い描いた。

鑑賞や体験を楽しみながら表現活動に触れる芸文祭


 同ホールの常設展示コーナーの一角には画用紙やクレヨンなどが用意された。市内の小学生岩﨑一平さん(6)は画用紙に熱視線。絵を描くことが大好きな理由を聞くと、「想像いっぱいできて楽しいから。もっとうまくなりたい」とはにかんだ。姉花乃さん(10)はステージ上で輝く友達の姿に感化。自身が熱中するレスリング競技へ「楽しむ」と意欲を高めた。母小耶さん(38)は「いろんなものを見て経験し、人に優しい子に、そして強く育ってほしい」と見守った。

 芸文協には28団体が所属し、約390人が活動を楽しむ。開会セレモニーで、各団体で貢献してきた17人を功労者として表彰。釜石ビデオクラブの阿部秀次さん(85)は街の話題、芸文祭の様子などを約30年映像に残してきた。撮影だけでなく、音楽やナレーション、字幕など編集に欠かせない技術を学ぶ「視野の広さ」にハマった。最近は静止画のデジタルカメラが相棒となったが、「撮れば、人が喜ぶ。それが財産」とにっこり。ファインダー越しに「思い出を撮る」活動はこれからも続ける。

長年にわたり芸術文化に親しむ市民らを功労者として表彰


表彰された阿部秀次さん。カメラを持つ日々は続く


 芸文協の河東眞澄会長は「芸術文化の素晴らしさを未来に引き継ぎたい」と話し、若い世代の参加を増やしたい考えを示した。複数の団体をかけ持ちする人がいる一方で、「気の置ける人同士での活動も増えているようだ」とし、個人や少人数で活動するグループの参加も受け入れている。課題として感じるのは、小中学校との連携。「子どもたちの作品も並ぶといい。小さいうちからのつながりを大事にできれば」と模索する。

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