ハート型の手足を持つ1歳男児に「世界で最も美しい」と母(ブラジル)
ブラジル在住の男児(1)は昨年3月、手足の指の中央列が3本ずつ欠けた重度の「裂手裂足症」を持って誕生した。母親は妊娠中、医師から「赤ちゃんには手足の奇形のほか腎臓にも問題があり、長くは生きられない」と指摘されたが、妊娠を継続した。そして生まれてきた我が子のハート型の足を見た時、「世界で最も美しい」と感じたという。ブラジルのネットメディア『Crescer』などが伝えた。
ブラジル、サンパウロ在住のレティシアさん(Letícia、36)は昨年3月4日、妊娠37週の時にマッテオ・フィリップ・ランディム・バルボーザ君(Matteo Filipe Landim Barboza、1)を帝王切開で出産した。
レティシアさんは妊娠中期の超音波検査で、医師から「赤ちゃんの手足には奇形があるようだ。1週間後に再検査に来るように」と言われ、出産までは不安で仕方がなかった。
「実は2度目の検査も結果は同じで、私はその場で大泣きしました」と明かすレティシアさんは、続けてこう語った。
「そこで専門医を紹介してもらったところ、赤ちゃんは先天性の手足の欠指症である『裂手裂足症』と診断されました。当時、医師から『足の指はそれぞれ2本しかなく、手にはおそらく指が全くないでしょう』と告げられました。」
「正式に診断を受けてから、私はさらに落ち込み、『息子が学校に行くようになったらどうなるのだろう』とか『歩くことはできるのだろうか』など先のことを考えて悩み苦しみました。まるで世界が崩壊したようでした。」
しかし追い打ちをかけるように、医師はレティシアさんが羊水過少であることに気づき、公立病院での検査の結果、赤ちゃんは両側の腎臓が普通よりも小さくて働きが悪い「低形成・異形成腎」と判明した。
レティシアさんは1週間入院後、週に1、2回の検査を受けなければならなくなり、診察中に「生まれても2日ほどしかもたないだろう」とか「中絶を考えているか」などと言われ衝撃を受けた。また、自分でも「もしかしたら赤ちゃんは、お腹の中で死んでしまうのではないか」と不安で仕方がなかったが、妊娠は継続した。
そして3月4日、マッテオ君が誕生したものの、すぐには泣かず新生児集中治療室へと運ばれた。レティシアさんは分娩直後の混乱の中で、女きょうだいに「赤ちゃんは泣いているし、美しいわよ」と言われ、「お願いだから生きてちょうだい」と、ただそれだけを願っていた。
そんなレティシアさんが第2子のマッテオ君と対面を果たしたのは翌日のことで、「あの子のところに行くと、2本の指が生えた小さな手と小さなハート型の可愛い足が見えました。私はそれを『世界中で最も美しい』と思い、神様に『あの子を生かしてくれてありがとう』と感謝しました。あの子を見た途端、それまでの心配はどこかに吹き飛んでいました」と語っている。
それ以降、マッテオ君は裂手裂足症であることを感じさせないほど器用に何でもこなしているそうで、理学療法士、腎臓専門医、栄養士、小児科医、整形外科医による定期検診を受けている。今後は言語聴覚士とのセラピーも予定されており、レティシアさんは現在のマッテオ君について次のように明かした。
「マッテオにとって、一番の問題は裂手裂足症ではなく腎臓で、1か月に15~20日ほど入院しなければならないのです。病院で寝ていることが多いため、きっと歩くことが怖いのでしょう。1歳4か月を過ぎてもまだ歩くことはありません。」
「また、腎臓が発達しないため、現在はお腹の中に透析液を入れ、自分の腹膜を利用して血液をきれいにする腹膜透析を受けています。今後は腎臓移植が必要で、体重が10キロになるのを待って待機リストに名を連ねる予定です。」
「それでもマッテオの将来については、楽観視するようにしています。なぜならあの子は決して容易くないことでも、全て乗り越えてきたし、『生きたい』という強い意志を持っているからです…。あの子はとても愛されていますし、たとえどんなに大変であっても、もうあの子なしの生活は考えられないのです。」
なおレティシアさんは、マッテオ君のInstagramのアカウントを作成し、病気についての情報を共有している。こうすることで「自分はひとりではない」と感じたり、助言を受けたりと非常に助けられているそうで、現在は2.6万人のフォロワーを抱えている。
Instagramには「なぜ子供の障がいをSNSで晒すのか」という声も寄せられているが、その多くは「とても美しい子」「障がいを特別視するのではなく、みんなに知ってもらうことが大切」「私の娘も指が2本しかないけど、何でもできるわよ」「この子のファン。本当にハート型の足だね」「応援しているよ」「腎臓移植ができるといいね」といった応援メッセージだという。
さらにInstagramがきっかけで、マッテオ君にモデルの仕事が舞い込んできたそうで、レティシアさんは「あの子をとても誇りに思う」と述べ、「私がマッテオの体の中で一番好きなのはハート型の足なのです。私は彼の足は世界で最も美しいと思います」と明かした。
ちなみに昨年、「アザラシ肢症」という非常に稀な先天性疾患を持つデボラ・ダールさん(Deborah Dahl)がメディアに取り上げられ注目された。デボラさんはアザラシのように胴から短い手が伸びており、TikTokでは今もポジティブな投稿を続けて人気を博している。
画像は『Matteo Filipe Landim Barboza Instagram「Alguém avisa a mamãe pra pensar num lugar melhor para me segurar esse aqui está muito fácil e saio rapidinho」「Vou encerrar meu sábado com essa sequência pala vocês」「Bom dia galelas passando aqui só para desejar um dia lindo como eu」「Bom dia com pezinho no formato de amor para vocês!」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)