すぐおともだちとケンカになる子の対応方法は?サポートの例をご紹介!【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
すぐおともだちとケンカになる
楽しく遊びたくておともだちと関わろうとするものの、ちょっとしたことでトラブルになり、毎回のようにケンカが始まってしまいます。
例えば、こんな状況
仲良く変身ごっこで遊んでいたとき、おともだちの手が顔にぶつかってしまったPちゃん。「たたいた!」と怒り出し、相手を突き飛ばそうとしました。
あなたならどうする?
1.「仲良く遊びなさい!」と言って場を収める
2.「これは、わざとかな?」と考えさせる
【解説】おすすめは2!
遊びたい盛りの子どもたちですが、相手との適切な関わり方がまだまだ分かっていないことが多く、ケンカになることも日常茶飯事でしょう。「仲良く」と抽象的な言葉をかけるよりも、よりよいコミュニケーションや相手の気持ちを学ぶいい機会ととらえ、アシストするような働きかけを目指しましょう。
考えられる背景
「あの子が私をぶったんだよ、ひどいでしょ」
相手の行動がすべて故意に行われたものだと思ってしまい、不注意で起こったアクシデントに過剰に腹を立てている可能性もあります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
「柔らかい見方」を伝えるきっかけに
子どもの気持ちが落ち着いてきたところで、一緒に振り返る時間を取るといいでしょう。自分や相手の行動について「わざと」か「わざとじゃない」かを尋ね、本人に考えさせる中で、故意ではないケースも多いと気付いてもらうのです。
自分の考えに固執しがちな子には、「〇〇ではなく、△△かもしれない」という表現を使って、物事の柔らかい見方を伝えることも大切です。
考えられる背景
「仲良く遊びたいけど、どうすればいいの?」
おともだちと遊びたい気持ちが高まっているのに、理解力や思いを言葉にする力が足りず、トラブルになりやすい状態かもしれません。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
保育者が「通訳」となってやりとりを支援
仲良く遊ぶとはどういうことなのか、自分の気持ちをどんなふうに話せばいいかを、具体的に教える必要があるでしょう。保育者が手本を示したり、「たたかないでお口で話すよ」など、望ましい行動をシンプルに伝えたりします。
やりとりがうまくいかないときは、「そんなふうに言ったら悲しいよ」「〇〇ちゃんはこう言いたいんだね」といったように、保育者が通訳の役割を担ってみましょう。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・わざとやったんじゃないよね
・わざとじゃないかもしれないよ
・〇〇って聞いてごらん
・〇〇ちゃんの気持ちを教えて
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史