「タバコがクマ対策に使える?」「ナワバリの広さは?」ヒグマ・ツキノワグマ共通!基本のQ&A5選【秋田県に学ぶ①】
クマが活発に活動する時間帯とは?
クマのナワバリの広さとは?
クマにまつわる、よくある疑問一つひとつについて、丁寧に回答しているWEBページがあります。
書いたのは、秋田県の職員です。答えている質問の数は、30個にのぼります。
Q&A全体のポイントについては、すでにこの連載の中でお伝えしましたが、ツキノワグマ・ヒグマの生息する全国各地にとって、一つひとつが参考になる内容です。
「正しく知って、正しい知識に基づいてきちんと対策すれば、無駄な衝突をせず暮らしていけると思う。ひとり一人に、正しい知識を身に着けてほしい」
そんな秋田県の思いに共感し、SitakkeでもQ&Aのいくつかを抜粋してご紹介します。
今回は、ツキノワグマにもヒグマにも共通の、生態と対策の基本編です。
【Q&A全体についてのインタビュー記事:「最近のクマは、鈴やラジオの音では逃げない?」よくある疑問30個に回答!秋田県から学ぶ、全国に通じる大切なこと】
連載「クマさん、ここまでよ」
この記事の内容
①クマが活発に活動するのはどの時間帯ですか
②クマのナワバリはどれくらいの広さですか
③クマによる事故を防ぐにはどうすれば良いですか
④両手をあげて体を大きく見せたり、大声を出すことは有効ですか
⑤タバコや蚊取り線香の煙はクマよけになりますか
秋田県のホームページ内「クマについてよくあるご意見・ご質問」から、ツキノワグマにもヒグマにも共通の解説文を抜粋して5つご紹介します。(画像はHBC「クマここ」より)
①クマが活発に活動するのはどの時間帯ですか
季節にもよりますが、薄暗い時間帯(明け方・宵の口)が最も活動的になります。
ただし、日中も比較的活動していますので、「人が起きている時間帯はクマも活動している」と心得てください。
②クマのナワバリはどれくらいの広さですか
クマはナワバリ(排他的に占有する地域)を持ちません。複数のクマが同じ地域を共有しながら生活しています。
個体ごとに普段利用している地域(行動圏)はオスで100㎢程度、メスで数㎢~数十㎢です。
③クマによる事故を防ぐにはどうすれば良いですか
①クマとの鉢合わせを避ける
クマとの事故を防ぐために一番重要なことは、クマと鉢合わせしないことです。
クマは基本的に人と至近距離で会わないよう行動しています。そのため、音や声で人の存在をアピールし、それに気づいたクマに避けてもらうことで至近距離での遭遇を避けることができます。
よく音の通る鈴を持つ、スマホやラジオで音楽を鳴らす、柏手を打つ、誰かとおしゃべりをする、自転車のベルを鳴らすなど、どのような手段でも構わないので、クマがいそうな場所では音を立てて行動するようにしましょう。
②クマに会ってしまったら
クマの様子を見ながらゆっくり後ずさりをしてクマとの距離をとりましょう。
背中を向けて走ってはいけません。クマが追いかけてくる可能性があります。
後ずさりをするときは、可能であれば木や電柱などクマと自分との間に遮蔽物が挟まる位置関係になるように移動しましょう。万が一の攻撃を受けづらくなります。
付近に建物や車など逃げ込める場所がある場合は、速やかに避難してください。
③襲われそうになったら
クマ撃退スプレーを持っている場合は迷わず使ってください。
何も無い場合は、防御姿勢をとってください。両手で首を抱え、顔を伏せる姿勢です。
クマは首から上を攻撃することが非常に多いため、防御姿勢によって頭部や顔面の損傷を少しでも小さく抑えましょう。
④両手をあげて体を大きく見せたり、大声を出すことは有効ですか
クマとの距離や遭遇した状況によります。
体を大きく見せたり、大声を出すことでクマを退けられることもありますが、至近距離で遭遇した場合などは、かえってクマを興奮させてしまう可能性もあります(その場を立ち去ろうとしていたクマに対して大声を出した方が、クマに攻撃された事例があります)。
気迫で負けないことは重要ですが、大声を出せば必ずクマを退けられるとは考えない方が良いでしょう。
⑤タバコや蚊取り線香の煙はクマよけになりますか
普段嗅ぎ慣れないにおいで人の接近に気付くことはあると考えられます。ただし、煙だけの対策では風向きによっては効果が出ない可能性があります。音は煙よりも風向きに左右されにくいため、積極的に音を立てるようにしてください。
Q&A全文は、秋田県のホームページ内「クマについてよくあるご意見・ご質問」からご確認いただけます。
秋田県でツキノワグマ対策にあたっている職員へのインタビュー記事も、連載の中で紹介しています。
【①Q&Aのポイントについて:「最近のクマは、鈴やラジオの音では逃げない?」よくある疑問30個に回答!秋田県から学ぶ、全国に通じる大切なこと](https://sitakke.jp/post/13536/)】
【②これからの自治体に求められるクマ対策について:クマ対策の「大きな前進」?法改正が進む今こそ必要な“自治体の体制” 秋田県から学ぶ、全国に通じる大切なこと】
連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
取材協力:秋田県自然保護課
編集:Sitakke編集部IKU
2025年3~4月上映の劇場版「クマと民主主義」で監督担当。2018年にHBCに入社し、報道部に配属されてからクマの取材を継続。2021年夏からSitakke編集部。