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iDeCoは改悪されるのか?エコノミスト・永濱利廣がデメリットを解説

文化放送

政府与党は企業型確定拠出年金(DC)や個人型確定拠出年金(iDeCo)の一時金を受け取る際の課税を強化する。退職金よりも先に受け取る場合に、控除を縮小する期間を現在の5年未満から10年未満に延ばす。

野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)12月25日の放送は、このニュースを受けて、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が今回の改正のデメリットについて解説した。

野村邦丸(パーソナリティ)「永濱さん、そもそもiDeCoって何ですか?」

永濱利廣「これは税制優遇を受けられる積み立て型の投資です。NISAとの違いは、NISAは儲けが出た分の金融所得課税が課されないということだけでした。iDeCoは掛け金分が所得控除されるかつ、儲けの分も金融所得課税がかからない。そうなると、iDeCoのほうがいいですよね。ただ、iDeCoの最大のデメリットは何かというと、60歳にならないと引き落とせないんです」

邦丸「それが今回、変わることでデメリットって何があるんですか?」

永濱「iDeCoはこれまでは60歳からじゃないと受け取れないんです。これは、一時金で受け取ることも、年金で受け取ることもできるんですけど、一時金で受け取る場合は退職所得控除が適用されるんですね。iDeCoで1回、退職所得控除を使ってしまうと、会社から受け取る退職金をもらう時にまた退職所得控除を適用させるためには、iDeCoを受け取ってから5年以上離さないといけないんです。これまでは、5年以上離せば退職所得金控除が適用できたんですよ。今回の改正によって、それが10年になる。具体的な例でいうと、60歳以上でiDeCoで一時金を受け取りました。最近は雇用延長もあるので、65歳で退職金を受け取る人もいます。そういう人は、退職所得控除が適用できたのに、今回の案で10年になったとしたら退職所得控除は70歳にならないと適用できなくなっちゃうんです」

邦丸「なんでそうしたんでしょうね?」

永濱「意図としては、人手不足じゃないですか。もっと長く働け!ということじゃないですか」

邦丸「そういわれても、体との相談もあるからね」

永濱「こんなんじゃ、iDeCoやる人増えないですよね」

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