築100年の古民家で出会うアートのような料理 萩市「彦六又十郎」
自然豊かな萩市の明木地区。山や田畑に囲まれ、石州瓦の赤い屋根の家々が立ち並ぶこののどかな場所に、わざわざ足を運びたくなる人気のカフェ&レストランがあるんです!
元地域おこし協力隊の店主が手がける料理は、自然の恵みを存分に引き出した特別な一皿ばかり。さあ、静かな山間で心温まる時間を過ごしてみませんか?
【写真はこちら】「彦六又十郎」の料理や店内の雰囲気をチェック!
豊かな自然に囲まれたわざわざ行きたいカフェ&レストラン
今回訪れたのは、2021年3月にオープンした「彦六又十郎」です。
萩市明木地区のために尽力したという「彦六」と「又十郎」の言い伝えを店名にしたお店で、駐車場はお店の前にありますよ。
階段を上っていくと味のある古民家に到着します。
木枠の扉をガラガラと開け中に入ると、素敵な空間が広がっていました。
店内は、築100年以上の古民家を改装したという店内は大きな梁をはじめ、古民家ならではの重厚感と趣ある落ち着いた雰囲気。
その中に置かれている一枚板のテーブルや暖炉にたんす、フラワーベース、ドライフラワーなどインテリア1つ1つも魅力的なものばかり。
そして、窓から見える自然豊かな風景も心地よかったです。
元地域おこし協力隊の店主が作る地元食材を活かした料理たち
このカフェレストランの店主を務めるのは、萩市地域おこし協力隊の元隊員・岡本智之さん。
岡山県出身の岡本さんは、地元の岡山で飲食店を経営したのち、ヨーロッパやペルーなど海外のレストランで修業を積み、2018年に萩市へ移住しました。
萩市明木は「自然あふれる風景や地域の人々がこの環境と共存しながら生きているところが魅力」だと語る岡本さん。「そこでしかとれない食材で、そこでしか得られない体験を」をモットーに、提供する料理にもできるだけ地元の旬のものを使用しています。
その思いが結集したのが、完全予約制のランチとディナーです。
予約なしで来ることのできるカフェタイムもありますが、今回はランチとデザートをいただきました。
ランチは月替わりのパスタランチのみ。今月の前菜盛とパスタがセットになっていて、パスタは2種類から選ぶことができます。
パスタランチ 1,800円 (※2025年1月より1950円)
取材に伺った12月の前菜盛は長州どりのロースト・イチジクとみそのソース・その日の野菜。1つ1つの食材が存在感を放つ盛り付けはまるで絵画のよう!
香ばしく焼かれた長州どりの香りが食欲をそそりますし、野菜も脇役になることなく、それぞれの美味しさをしっかり主張しています。
パスタはベーコンのほうれん草クリームソース。ベーコンの旨味と優しいクリームソースが作り出す味わいは寒い時期にもぴったりです。
「シンプルで食材そのものの味を活かしながらも、生産者さんでも気づかない味・おいしさを引き出すそれぞれの食材にあった方法を見つけて料理している」のだそう。
そして、パスタランチをご注文の方は、ドリンクをちょっとお得なセット料金でつけることができます。
カフェインレスラテ 600円(セット料金の場合400円)
ドリンクも非常に数が多く、コーヒーやラテ、紅茶のほか様々な種類の果物のジュース、アルコールメニューもありました!
続いてはデザート。
デザートは「日本らしいものを使いたかった」と酒粕や胡麻味噌、醤油などを使用したメニューが多め。
中でも特に見た目が印象的なのが…こちらの「酒粕抹茶ティラミス」です。
酒粕抹茶ティラミス 600円
アートのように美しく、一見すると、デザートではなく盆栽のようにも見えますよね。
木の部分はラングドシャ、土のように見える部分は砕いたクッキーやメレンゲ、抹茶パウダーでできており、その下に酒粕とチーズを合わせたなめらかな風味豊かでなめらかなクリームと抹茶がたっぷり染み込んだスポンジが隠れています。
食べるのが楽しくなり、印象にも強く残る新鮮な料理の飾りつけは「自然を生きてその中でヒントを見つけている。自然界の一部を切り抜いたようなイメージ」と岡本さんは話していました。
”価値がない”と思われているものに”価値”を。
「古民家など”価値がない”と思われているものに”価値”をつけていければ地域の自信・幸福感にもつながると思う。これからも料理を通じて萩市明木の街の発展の力になっていければ」と話す岡本さん。
見て楽しい、食べて美味しい、萩市明木地区にある「彦六又十郎」だからこその料理を味わいに来てくださいね。