犬だけの『留守番』何時間できる?愛犬にストレスや孤独感を与えない為の目安時間とは
犬と人間の時間感覚には大きな差がある
犬がどのような時間感覚で生きているのかは定かになっていませんが、日々の生活の中で聴こえる音や明るさ、飼い主の行動などから大まかな時間ルーティンを感じ取っていることはわかっています。
また、犬と人間の時間感覚には大きな差があることがわかっており、現段階では犬の1日は人間の7時間に相当しているのでは、と考えられているのです。
つまり、私たち飼い主が「たった8時間」と思って留守番させている間、犬たちは1日以上ひとりぼっちで過ごしている感覚で飼い主の帰りを待っている可能性があります。
このように考えると、犬たちがなぜ留守番に対して苦手意識を抱きやすいのか、共感しやすいのではないでしょうか。
犬だけで『留守番』は何時間まで?
では、具体的に犬だけで留守番させるとき、何時間までなら耐えられるのでしょうか。ストレスを感じずに留守番できる時間から、強いストレスを感じる時間まで解説します。
一般的には8時間程度なら許容範囲内
一般的な留守番に慣れている犬の場合は、8時間程度ならば我慢することが可能です。
寂しさや心細さを感じるものの、「必ずこれくらいの時間帯で飼い主が帰ってくる」と体内時計で理解しているため、不安を覚えずに待っていられるのでしょう。
しかし、徐々にお腹が空いてきたりトイレを催したりする時間帯なので、留守番に慣れていない犬の場合は苦痛に感じることもあります。
6時間以内の留守番ならストレスを感じにくい
多くの場合、6時間以内であれば、一般的な犬はストレスを感じずにリラックスした状態で飼い主の帰りを待つことが可能です。
出かける前にご飯をもらっていれば、空腹に悩まされることもなく、6時間のうちの多くの時間を昼寝に充てて過ごして終わるため、ストレスを感じにくいのでしょう。
10時間を過ぎると不安やストレスを感じるように
10時間を過ぎると、人間の感覚で30時間以上もひとりぼっちで留守番させられている状態です。
そのため、少しずつ不安やストレスを感じるようになり、部屋の中をうろうろと歩き回ったり、中にはイタズラで気を紛らわそうとする犬も出てくるでしょう。
普段は6〜8時間で帰宅する飼い主が10時間も帰ってこないというパターンでは、多くの犬が「本当に帰ってくるのか」と不安を抱き、強いストレスから普段は起こさないような問題行動を起こしてしまうこともあります。
15時間以上の留守番はトラウマになってしまう犬も
15時間以上の留守番は、犬によってはトラウマになってしまうこともあるので要注意です。
特に分離不安気味の犬やまだ留守番に慣れていない犬の場合は、留守番に対して強い苦手意識を抱いてしまうでしょう。
宿泊を伴う留守番をさせる場合はペットホテルに預ける飼い主さんも多くいますが、犬によってはペットホテルでさえもトラウマになってしまうことがあります。
警戒心の強い犬や寂しがりな犬の場合は、普段からいざという時に預かってくれる愛犬とも親しい関係の知人などに預けることで、ストレスを軽減できることも。
なるべくストレスや孤独感を与えないためにできること
愛犬になるべくストレスなく留守番してもらうためには、まず愛犬が安心して留守番できる環境を整えてあげることが大事です。
室温の調節や明るさ、寝床の寝心地の良さや周囲の環境音の影響を受けにくい場所など、落ち着いて過ごせる環境を整えてあげましょう。
他にも普段使っているおもちゃやブランケット、飼い主の匂いがついた衣類などを置いてあげると、気がまぎれる犬も多くいます。
また、普段から出かける前後に飼い主が「なんてことない」という態度をとることで、犬自身も「大事ではないのかも」「当たり前のように帰ってきてくれる」と理解するため、過剰に留守番への苦手意識を抱かずに済むでしょう。
まとめ
犬だけで留守番させる際は、なるべく6〜8時間以内に帰宅するのが理想的です。しかし、働いている飼い主さんの場合は、なかなか難しいと思います。その場合は、安心して留守番できる環境を整えてあげて、少しでも不安を感じないよう工夫してあげましょう。
(獣医師監修:寺脇寛子)