Yahoo! JAPAN

新小岩『桧山水産』の季節を問わず楽しめるお総菜

さんたつ

【東京おでんだね】檜山水産のお惣菜

今回は江戸川区中央で営業する『桧山水産』のお総菜を紹介しよう。『桧山水産』はおでん種専門店だが、和食を中心としたお総菜が充実している。また、ボリュームたっぷりのお弁当も人気を博している。「東京おでんだね」では『桧山水産』を何度か紹介しているが、いつかおでん種のほかに種類が豊富なお総菜を紹介したいと思っていた。蒸し暑くなる季節が間近に迫っているので、今回は季節問わず楽しめる『桧山水産』のお総菜を紹介したいと思う。

おつまみ用の揚げ蒲鉾が充実、『桧山水産』のおでん種

『桧山水産』の住所は江戸川区中央であり、その名のとおり江戸川区の中心に位置する。最寄り駅は新小岩駅だが、バスで10分ほどの距離にある。

お店は「ニコニコ商店街」にあり、周辺には青果店やイオン系のスーパーも営業している。青果店ではさまざまな種類の野菜が並び、会計には地元客たちが長蛇の列をつくっていた。

今回の目的地である『桧山水産』は青果店と同じ並びで営業している。手づくりの揚げ蒲鉾を販売するおでん種専門店だが、そのまま食べてもおいしいおつまみ用の揚げ蒲鉾も取り揃えている。

『桧山水産』は1959年に創業、元々は東小岩にあった同名の檜山水産食品(東京都葛飾区東新小岩5-18-7、閉業)から枝分かれした。ちなみに檜山水産食品からほど近い場所にもう1店舗、別の桧山水産(東京都葛飾区東新小岩7-30)がある。

揚げ蒲鉾やおでんの具材はお店の向かって右側、「かまぼこ」と書かれたカウンターで販売している。おでん用のぎょうざ巻やうずら巻といった大きなものから、おつまみ用のひと口ものまでバラエティに富んでいる。もちろん、どちらもおでんにしてもおいしいし、そのまま食べてもおいしい。

『桧山水産』ならではの商品は、小松菜揚げと江戸もんじゃーだ。小松菜は江戸川区の小松川村が名前の由来となっており、『桧山水産』からほど近い場所にあった。江戸もんじゃーは江戸川区のご当地ヒーロー「エドレンジャー」が由来となっている。

お店をのぞくと魚のすり身を成形しているところを見学できる。手際よく蒲鉾がつくられていく様子を目の当たりにすれば、『桧山水産』の技術の高さを実感できるだろう。

焼き魚だけでも8種類以上、豊富な品揃えのお総菜

さて、今回の目的であるお総菜に目を向けてみよう。揚げ蒲鉾に劣らず、こちらもたくさんの種類があり、お店で手づくりしている。

数種類が楽しめるちょうどよいサイズで、どれにしようか迷ってしまう。「水産」の名前のとおり魚のメニューも豊富だ。

アジやサンマの開き、鮭かま焼から銀ダラ西京焼など、訪れた日は8種類の焼き魚が並んでいた。毎日種類を変えても1週間以上違う味を楽しめる。

煮物などもたくさん種類がある。どれもごはんによく合う品で、お手頃な価格となっている。だし巻き玉子は美しく仕上がっており、食卓を華やかにしてくれそうだ。

お弁当も販売しており、近所で働く人たちの強い味方となっている。ご飯は注文を受けてからよそってくれるため、ほかほかのものが味わえる。

焼魚、甘塩鮭、鶏唐揚げの3種類あり、さらに小盛から大盛まで量も3段階選べる。すべて手づくりなので、おいしくないわけがない。接客は丁寧で親しみがあふれており、心もおなかも大満足になるだろう。

懐かしさや親しみやすさのなかに、一流の技が隠れている『桧山水産』のお総菜

取材を終えて帰宅し、早速器に盛りつけて味わうことにした。今回購入したお総菜は6種類。

時計回りに12時から、ちいちゃいだし巻、いか大根煮、揚げ蒲鉾盛り合わせ、赤魚粕漬、田舎煮、わかさぎの唐揚。

おでんマニアである筆者は看板商品である揚げ蒲鉾も購入した。揚げ蒲鉾はおでんにするよりも、そのまま食べたほうが本来の味を確かめられる。こちらの商品はおつまみ用のものが3種類ほど盛り合わせとなっている。今回購入したものには、たまねぎボール、野菜つまみあげ、しそ巻きのセットだった。

ひと口サイズながら、それぞれ個性があってさまざまな味わいを楽しめる。味も格別なのだが、しそ巻の繊細な巻き加減にほれぼれしてしまう。成形の様子は『桧山水産』のYouTubeで確認できる(必見)。

外観の美しさでいえば、この「ちいちゃいだし巻」もひけを取らない。彩度の高い黄色の輝きが美しく上品な雰囲気をまとっている。商品名は「ちいちゃい」とあるが、かなりのボリュームだ。

ほんのり甘いが玉子のまろやかさが全面に立ち、出汁は玉子を引き立てる程度の上品な味わいだ。醤油をつけても塩辛くならず、素材そのものの味を存分に楽しめる。

焼き魚はたくさんある種類の中から迷った挙句、赤魚粕漬を選んだ。しっかり詰まった身の食感はふっくらとしていて、コクのあるまろやかな風味が口いっぱいに広がる。白米はもちろん、酒のお供としても楽しめる。

田舎煮はおでんの具材を扱う専門店だけあって、ちくわぶがかわいらしく添えてある。人参やこんにゃく、大根などさまざまな種類の具材が入っており、どれもしっかりと味が染みていながら型崩れしていない。

煮物のお総菜は人を引きつける力があるのか、2品購入してしまった。いか大根煮はイカの風味がしっかり大根に染みていて味わい深い。イカも旨味をしっかり留めており、噛めば噛むほど旨味がにじみ出てくる。

わかさぎの唐揚はふんわりと柔らかな食感を楽しめる。油のしつこさはまったくなく、何匹でも食べられそうだ。レモンなどを搾ってもいいだろう。

揚げ蒲鉾だけでなく、お総菜も豊富なおでん種専門店『桧山水産』。地元にお住まいの方でないと少々アクセスしにくい場所にあるが、季節を問わず散歩がてら足を運んでいただきたい。

『桧山水産』の基本情報

桧山水産
〒132-0021 東京都江戸川区中央2-14-10
03-3652-2437
定休日:水
営業時間:10:00〜19:00
ウェブサイト:https://www.oden2525-hiyama.co.jp/

取材・文・撮影=東京おでんだね

東京おでんだね
東京のおでん種・蒲鉾・練り物の魅力を紹介
「おでん種やさんでおでんを買って、家で調理して食べる」文化を盛り上げるべく、都内各地を奔走中。ビジネスでなく趣味でちまちま活動しています。

【関連記事】

おすすめの記事