漫画のストーリーってどうやって作ってる? 作家仲間たちに聞いてみたら…個性が豊かすぎた
筆者は以前、漫画を学べる大学に通っていた。
そこでいろいろな人と一緒に漫画を描いていた時、人によってストーリーの作り方が結構違っているのでは? ということに気づいた。
そこで漫画を描いている友人たちにいったいどうやってストーリーを作っているのか聞いてみたところ……案の定個性が豊かすぎた。
・筆者の方法
筆者の場合は、最初にストーリーのワンシーンが思い浮かぶ。大抵は山場から思いつくけれど、時々なんてことないやり取りが先に出てくることもある。
そこに繋がるように他のエピソードを足していって、1つのストーリーを完成させている。
現在連載しているエッセイ漫画の「日々限界集落」も大体同じような作り方だ。
日常の中で何かネタになりそうな出来事が起こったら、それをベースにして構成を考えることが多い。
回答をくれた友人3人のうち1人も同じ作り方をしているとのことだったので「意外とみんな似たような作り方をしてるのかな?」と思ったけど……
次の友人は、筆者が思いつきもしなかった方法を使っていた。
・人生を考える方法
その方法とは、「キャラクターの人生からストーリーを考える」というもの。
まず世界観と登場人物を決め、登場人物が産まれてから死ぬまでの人生を考える。その人生で盛り上がっているところを切り抜いて、1つの作品にしているそうだ。
────壮大!!!! しかし友人曰く「ここまでしっかり考えるとキャラクターが勝手に動いてくれる」とのこと。
解像度を高めるために、詰まったらキャラクターに対して質問をすることもあるらしい。
この友人の作品は読み切りでも読み応えがすごくあって、読後の満足感がかなり大きいのだが、その濃厚さはこういったストーリーの作り方から生まれているんだな……と納得した。
・媒体によって決める方法
続いてもう1人の友人にも話を聞いてみた。こちらの友人は現在雑誌やウェブ上で連載をしているのだが、仕事として作品を描くとなるとまた少し作り方が変わってくるらしい。
まずは掲載される媒体によって、「どんな雰囲気の作品にするか」を決める。
次に「何をする話か」を決め、そこにキャラクターを当てはめていくスタイルが多いそうだ。しかしその中でも、自分が見たい! と思うものを意識するようにしているらしい。
また「鬼滅の刃」や「推しの子」などのように1つのエピソードが数話に渡って続いていく形ではなく、1話で1つのエピソードが完結する形にすることが多いため「今回扱うネタはこれだ!」と決めてから描き始めることが多いそうだ。
媒体によってどんな作品を作るのか決めるのは、漫画の仕事を続けている人ならではの視点だなと思った。
この姿勢が漫画家として活躍できるコツなんだろうな。筆者はそこまで考えずに自分の描きたいものを描きがちなので見習いたい。
・漫画の作風って……
今までに友人たちの作品を読んだことはあっても、ストーリーの作り方を具体的に聞いたことはなかったのでとても興味深かった。
それにしても、見事に三者三様だったな……
漫画の作風って、絵柄だけじゃなくてそれぞれの方法で作ったストーリーからも生み出されているものなのかもしれない。
大変なことも多いけど、こういう発見があるから漫画を描くのってやめられないんだよな。また一つ漫画の楽しさに気づくことができた企画だった。
執筆・イラスト:うどん粉
Photo:RocketNews24.