13歳のおばあちゃん犬 球場での最後の仕事に大歓声(米)
米プロ野球マイナーリーグのチームで活躍する犬が、今月19日に引退の日を迎えた。バッターボックスのバットを拾ってベンチに届ける仕事をしていた犬は、最後の任務を終えると、場内から大きな拍手が送られた。チームに6年間貢献してきた犬には、「たくさんおやつをもらわないとね」など労いの言葉が多数寄せられている。スポーツサイト『Bleacher Report』などが伝えた。
米ペンシルベニア州フィラデルフィアに本拠地を構えるプロ野球チーム「フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)」のシングルA(マイナーリーグ)チーム「クリアウォーター・スレッシャーズ(Clearwater Threshers)」には、選手たちを支えるスタッフの一員として、メスのラブラドール・レトリバー“レイラ(Layla)”が所属している。
遡ること2018年、冷蔵庫からビールを持ってくるというレイラの特技を、飼い主のアンドリュー・デイヴィスさん(Andrew Davis)が動画で撮影し、Facebookに投稿した。賢いレイラの行動を捉えたこの動画は注目を集め、ネット上で広く拡散された。そこでアンドリューさんがクリアウォーター・スレッシャーズにこの動画を送ったところ、しばらくしてから「バットも持ってこられると思います?」と“バット・ドッグ(bat dog)”として活躍できないかと相談されたという。
バット・ドッグの仕事は、バッターボックスに残されたバットを回収し、ベンチに届けるものだ。相談を受けてからアンドリューさんと一緒に自宅で練習したレイラは、数週間ほどでバットを持ってくることができるようになった。こうしてレイラのバット・ドッグとしての仕事がスタートした。
それから6年間もこの仕事をこなしたレイラは、13歳を迎えた。人間にたとえると96歳に相当する“おばあちゃん犬”となったレイラは今月19日、「フォートマイヤーズ・マイティマッスルズ(Fort Myers Mighty Mussels)」との試合を最後に、引退することになった。
チームメイトやファンから愛されてきたレイラの最後の仕事の様子は動画に収められており、ベンチから出たレイラが、バットを回収するためにホームベースの方へ向かう様子が映っている。
高齢のため元気よく走ることはできないが、ゆっくりと確かな足取りで進むレイラに、場内からは大きな拍手や歓声が起こった。レイラはバットを見つけて口にくわえると、まっすぐベンチに戻り、待機していたスタッフにバットを渡した。
クリアウォーター・スレッシャーズがXにこの動画を投稿すると、ユーザーからは「なんて良い子なの」「涙が出ちゃう」「今後は毎日、一日中なでてあげてほしい」「たくさんおやつをもらわないとね」などといった声が多数寄せられた。
レイラは最後の仕事を終えた後、引退をお祝いして犬用ケーキをご褒美にもらっており、嬉しそうにケーキを味わう様子を捉えた写真も公開されている。
レイラの後任は決まっていないそうだが、レイラには姉妹犬“ルーシー(Lucy)”がいるという。クリアウォーター・スレッシャーズでコミュニティ・エンゲージメント&メディア・マネージャーを務めるロバート・ストレッチ氏(Robert Stretch)は、ルーシーがレイラの代わりにバット・ドッグを務める可能性を示唆しており、「今はマイナーリーグで練習中です」とジョークを交えて報告した。
ちなみに今年4月には米バージニア州の空港で、引退の日を迎えた爆発物探知犬のために、職員らが大量のテニスボールで盛大な引退セレモニーを行っていた。
画像は『Clearwater Threshers X「Layla content for your Sunday」「Lots and lots of treats! Dad had to put the bat away is all」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)