国内?海外?近年の修学旅行事情 | 修学旅行の目的や経済的な負担について考えた
国内、海外、行き先や内容もさまざまな修学旅行。
円安や物価高騰で経済的な負担が増す中で、修学旅行をする意義とは?
近年の修学旅行事情について調べてみました。
【修学旅行事情】
コロナ禍で中止が相次いだ修学旅行ですが、2022年度には98.4%まで回復しました。
広島の街で修学旅行の思い出について聞いてみると
「小、中学校とUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)!最高でした」
「修学旅行がきっかけで毎年沖縄に行くようになりました」
と行き先はさまざま。
一方、親にのしかかってくるのが修学旅行の費用。積立や一括で払うなど、学校ごとで違います。
コロナ禍で中止されていた海外への修学旅行も復活してきているそう。
今年、修学旅行先をハワイにしている広島県立広島井口高校に話を聞きました。
【修学旅行先はハワイ。その理由は?】
修学旅行では、ハワイ文化の体験や観光、姉妹校との国際交流を予定しているという広島井口高校。積立金30万円の計画でしたが、円安や燃料費の高騰で3万円追加になる予定なんだとか。
国内と比べると割高になってしまいますが、主な目的は姉妹校との国際交流にあると矢野就曉教頭は言います。
「我々は入学時から(姉妹校と)オンラインで共通のテーマについて発表し合うなど交流をしている。パールハーバーが見える学校と、被爆地・広島の我々。戦争に対する認識の違いがある。それを乗り越えて、共通の歴史学習に使える資料を作れないか、次の学年が引き継ぎながら取り組んでいる」
オンラインでの交流だけではなく、現地で見て聞いて感じることが子どもの成長につながると矢野教頭は確信しています。
【修学旅行が割高な理由】
一般の旅行と比べると、実は修学旅行は割高になりがち。
その理由は、修学旅行は“オーダーメイドの旅行”だから。
日本修学旅行協会の竹内秀一理事長によると、
修学旅行は、旅行会社が企画する一般向けの団体旅行と違い、各学校の教育目標に沿って実施されるオーダーメイドの旅行になるため、行き先が国内でも割高になるそう。
それでも、修学旅行で得ることができる経験は子どもたちにとって代え難いもの。
「修学旅行の教育的な価値は高い。実際にそこに行って見るという体験は非常に重要で、より一層深い学びになる」
と竹内理事長。
「修学旅行での経験は一生もの」
経済的な負担はありますが、子ども達にとっては学びを深め、かけがえのない思い出を作るチャンス。思いっきり修学旅行を楽しんでほしいところです。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年6月26日放送)
ライター:神原知里