【鳴海餅本店】「キットヲキニメス」をモットーに。創業150周年の和菓子店(京都市上京区)
京都市営バス「堀川下立売バス停」から南へ徒歩1分、堀川商店街の入り口にある3階建てのビルが鳴海餅本店です。1875年(明治8年)に創業し、2025年で150周年を迎えます。
鳴海餅本店と言えば、京都ではじめて栗赤飯を売り出したことで有名。看板商品のお赤飯は「ナルミの赤飯」と呼ばれ、京都人に親しまれています。
鳴海餅本店のモットーは「キットヲキニメス」。
この言葉は、栗赤飯を売り出す際に、三代目 鳴海力太郎氏によってつけられたキャッチコピー。
「キットヲキニメス」にはお客様に喜んでもらいたい、自信を持ってお出しできるものを届けたい、との意味が込められています。
店内の様子
店内に足を踏み入れると、ふんわりと糯米(もちごめ)の炊き上がる甘い匂いが。カウンターの奥には工房があり、お菓子作りに励む職人さんの姿を垣間見ることができます。
一年を通じて数々の祭礼や行事が行われる京都。
そんな京都の歳時記に合わせたお菓子が、ショーケースにずらりと並びます。
筆者が訪れた4月には、花見団子やうぐいす餅、桜餅など春らしい彩り豊かなお菓子が揃っていました。見ているだけでワクワクして、どれにしようか目移りするものばかり。
店内奥にはイートインスペースがあり、購入したお菓子をその場で食べることも可能です。
また、喫茶メニューとしてコーヒーや和紅茶、限定メニューの「赤飯セット」なども楽しめます。
座席はベンチが3組、テーブル席が1組あるので、一人でも小グループでもOK。
堀川通りの往来をガラス越しに眺めながら、ゆったりとした気分でお菓子を味わえますよ。
舞妓さんの焼き印が存在感抜群の「どらやき」
今回ご紹介するのが、舞妓さんの焼き印が判された「どらやき」。
どらやきの真ん中にどん!とイラストが描かれ存在感抜群。キュッと口角が上がった舞妓さんのお顔が愛らしいです。
「きはるちゃん」ってなに?
この舞妓さんは、鳴海餅本店の公式キャラクター「きはるちゃん」。
どらやきに限らず、紙袋やレシート、ホームページに至るまで、鳴海餅本店のあらゆる場所に登場します。なんと、きはるちゃんのLINEスタンプ(!)もあるんだとか。まさに広報隊長とも言える存在です。
そんな「きはるちゃん」が誕生したのは、140周年のタイミング。
もともと使用されていた舞妓さんの顔だけだったロゴを、周年の企画としてキャラクター化したことで生まれました。
ちなみに、名前の由来は「お客さんが“来はる(きはる)”」から。
京都らしく、縁起も良いとの理由から名付けられたそうです。
【全8種類】季節ごとに焼き印が変わる「どらやき」
鳴海餅本店のどらやきは、通年商品と季節商品を合わせて全部で8種類。
通年商品が2種類(粒あん、栗どらやき)、季節商品が6種類(桜あん、抹茶あん、かぼちゃあん、安納芋あん、さつまいもあん、柚子あん)です。
中身の餡に合わせて、どらやきの焼き印も変化します。
粒あんどらやきと並んで通年商品の「栗どらやき」は、「鳴」の漢字と「栗」が合わさったユニークな焼き印。
鳴海さんによれば「単に栗の印だけじゃ面白くないし、せっかくなので“鳴海”が作っていると分かるように」とこのデザインになったそう。
職人さんが1枚ずつ手焼きする皮は、ふんわりとして肉厚。丹波産小豆を使った餡は、なめらかな口当たりでスッキリした甘さ。贅沢にゴロッと2つ入っている栗甘露煮は、噛むたびに風味が口の中に広がります。
ちなみに、使用されている栗や小豆は、栗赤飯と同じもの。こだわり抜かれた素材が使われています。
春の季節商品「桜あんどらやき」は、可愛らしい桜の花があしらわれた焼き印。
少し塩味のある、ほんのりと薄ピンクに色づいた桜あん。桜の塩漬けと刻んだ桜葉が練り込まれていて、上品に餡とマッチしています。
甘じょっぱい餡に緑茶や抹茶が欲しくなります。
夏は京都らしい「鉾」や「大文字焼き」の焼き印も
また、粒どらやきは、祇園祭の時期には「鉾」の印に、大文字の時期には「大文字焼き」の印に期間限定でチェンジします。
京都らしい焼き印の入ったどらやきは、お土産にピッタリ。
味だけでなく、見た目でも季節を感じることができる鳴海餅本店のどらやき。
春夏秋冬、その時期ならではの味わいをご堪能ください。
■スポット情報
店舗名:鳴海餅本店
住所:京都市上京区下立売通堀川西入西橋詰町283番地
電話番号:075-841-3080
営業時間:8:30~17:00
不定休
交通:市バス「堀川下立売バス停」から徒歩1分、地下鉄東西線「二条城前駅」から堀川通を北へ徒歩5分