【奈良・高畑町】町の景色と厳選されたインテリアや雑貨に隠れされた物語を見つけて
新しい生活がはじまったり、新しい出会いがあったり、植物が色とりどりの花を咲かせたり。春はさまざまなものが変化していく季節です。せっかくなら、おうちのインテリアや雑貨などにも新しいお気に入りを取り入れて、気持ちもリフレッシュしてみませんか?
奈良市の中心地から少し離れた高畑町は、奈良時代に創建された古刹や大正・昭和の文化人が集った場所など、豊かな歴史を持つ町です。そして、近年では個性豊かな店主が営むショップが増えている注目エリア。お店までの道のりも楽しい、隠れ家みたいなインテリアショップを紹介します。
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歴史と文化が織りなす、「高畑町」のレトロな雰囲気を満喫!【空櫁】日常にトキメキを与えてくれる日本のモノづくりに触れる【fangle】物語のあるアンティーク雑貨に出合える
歴史と文化が織りなす、「高畑町」のレトロな雰囲気を満喫!
春日大社の神職たちが暮らしたこの町には、屋敷を囲っていた土塀が今も残ります。
春日大社の南側に位置する高畑町は、観光スポットとして賑わう商店街や「ならまち」から少し離れた場所にあり、穏やかでゆったりとした空気が流れています。かつては春日大社の社家町として栄え、神官たちの住まいを囲っていた土塀や、大正から昭和初期の作家や芸術家たちが集った文化施設など、いたるところに豊かな歴史が溶け込む風情たっぷりの町並みが楽しめます。
文豪・志賀直哉ゆかりの家「志賀直哉旧居」。
新薬師寺を筆頭に、不空院や瑜伽神社といった古社寺に加え、大正から昭和初期に活躍した文化人が集った文豪・志賀直哉の旧居など見どころ満載。たっぷりと時間をかけて当時の面影を感じたくなります。
散策していると、鹿と出会えることも。こんな風景を楽しめるのもこのエリアならでは。
洋画家・中村一雄夫妻が、父から継いだ自宅洋館の一部を開放したカフェ「たかばたけ茶論」も人気。
現在では歴史建造物に加え、おしゃれなカフェや個性あふれるショップなど、注目スポットが満載。そんな高畑エリアへは、近鉄奈良駅から歩いて30分ほど。奈良公園を散策しながら目指すのもいいですし、奈良交通バス停の「破石(わりいし)町」で降りてまわるのもおすすめです。
高畑の歴史を感じられる古社寺とあわせて、のんびりとインテリアショップをめぐってみてください。
【空櫁】日常にトキメキを与えてくれる日本のモノづくりに触れる
オーナーの五井さんが全国の作家を訪ねて取り寄せた、選りすぐりの作品がずらり。
住宅地を奥へと進んだところにひっそりと佇むのは、オーナー・五井あすかさんが営むギャラリー「空櫁」。古民家の趣を生かした落ち着いた雰囲気の店内には、“日本でつくられた志のある道具(モノ)たち”をコンセプトに、日本の作家や職人が手がける陶磁器やガラス、木工などの食器を中心とした暮らしの道具が並びます。
展示・販売している作品はどれも、五井さんが惚れ込み愛用しているものばかり。「日々の暮らしの中でのちょっとしたトキメキを大切にしてもらいたい」と、飽きのこないデザインに加え、日常で使いやすいのもポイントです。
「作品が生まれた背景やつくり手の想いも一緒に届けたい」と話す五井さん。ぜひ、作品にまつわるストーリーも楽しみながら、一つひとつを手に取ってみて。
「輪花雫茶壷」13,200円、「卵殻茶杯」各4,400円
岐阜県土岐市に工房を構える陶芸家・村上雄一氏の作品は、その緻密さと美しさで使い手を魅了します。写真は、中国茶をいれるポット「輪花雫茶壷」と、薄さにこだわった卵殻シリーズの「卵殻茶杯」。
(左から)「なます皿」4,070円、「マカイ」6,600円
こちらも村上氏の作品。小鉢やお鍋の取り皿にぴったりな「なます皿」と、モダンで使いやすい丼「マカイ」。「マカイ」は沖縄の方言で「椀」のことを意味するそう。
ナカジマウッドターニングスタジオ「木工作品」5,500円~
使い込むほどに味わいが深まる木の器もおすすめです。サクラやタブの木など、使用する木材によって色合いや表情が異なるのも魅力。
(左)「おひつ」約3合用28,600円~、(右)「ヒノキのまな板」1,980円~
ほかにも、お料理好きにはたまらない、台所の道具が並ぶお部屋も。数年かけて天日干しした最上級の木曽さわらだけを使い、木工職人・青木康雄氏が仕上げたおひつをはじめ、ヒノキの和せいろなど長く使いたい道具がずらり。
縁側のある開放的な和室では常設展示のほか、定期的に個展やワークショップを開催しています。白い看板を目指して、住宅街の奥の奥にある、隠れ家みたいなギャラリーにおでかけください。
空櫁(そらみつ)
奈良県奈良市高畑町1445-1
080-6138-2957
営業時間:夏季(4月~10月)12:00〜18:00、冬季(11月~3月)12:00〜17:00
定休日:不定休 ※最新の営業情報はホームページを要確認
【fangle】物語のあるアンティーク雑貨に出合える
各国の古物やアンティーク雑貨、鉄製のオリジナル家具やアフリカの布などを扱うお店「fangle」。2004年に鎌倉で設立したのち、2011年に拠点を奈良に移し、2014年に現在の場所に店舗をオープン。オーナーの藤島夫妻が“良い”“大事にしたい”と思う、物語のあるアイテムはここでしか出合えないものばかりです。
海外の古物やアンティーク雑貨など、独創的で力強いアイテムが充実しているのもこちらのお店の特長です。気になるアイテムはスライドをチェックしてください。
男前なデザインがかっこいい、オリジナルアイテムの「折りたたみ 鉄の小テーブル」33,000円。
ガラスや陶器など、どんな器でも灯火器として使用できる鉄製の芯立て。「鉄のディヤ・スタンド」3,850円~。
インドなどで集めた古いフレームは、壁にかけるだけでアート作品のよう。
インドを代表する伝統的な手紡ぎ・手織りの布「カディ」は独特の風合いが素敵。
店内には、デザイン性と機能性に優れたオリジナルの鉄製家具をはじめ、アジアやアフリカなどのプリミティブ・アートやハンディクラフトといった独創的なアイテムがそろいます。一点ものも多いので、ビビッときたら迷わず購入しちゃいましょう!
fangle(ファングル)
奈良県奈良市高畑町1215-5
0742-81-8537
営業時間:12:00〜19:00
定休日:日・月・火曜
※掲載情報は2025年2月時点のものです。店舗・商品情報などは変更になる場合があります。
写真/fangle、内山真紀
文/内山真紀