猫と『ネコ科動物』似ているところと、違うところ バリエーション豊かな猫の世界
猫と『ネコ科動物』似ているところ
肉食動物であること
猫とネコ科動物の共通点の一つは、どちらも肉食動物であるという点です。
ネコ科動物には、ライオンやトラ、ヒョウなどの大型種も含まれますが、これらの動物は大型草食動物の肉を食べることで生存しています。
同様に猫も主に肉(動物性たんぱく質)を、メインの栄養素とします。
イエネコの場合は、生肉ではなくドライフードを食べますが、祖先であるリビアヤマネコはネズミやうさぎなどの小型草食動物や爬虫類を食べていました。
狩りをすること
ネコ科動物と猫はともにハンター動物であり、自然界での生存のために狩りを行います。
狩りの仕方も同じで、草むらや岩陰に身を潜めてじりじりと獲物に近づくスタイル。イエネコでもときおり、狩りをしているように飼い主にゆっくり近づいていく行動を見せますね。
木登りが得意なこと
猫とネコ科動物は、共に木登りが得意であるという特徴を持っています。
たとえばトラやヒョウは、狩りや自衛のために高い木に登り、地上生活をすることが多いライオンも、必要に応じて木に登ることもあります。
猫たちも家の中ではキャットタワーや家具の上にいることが多く、猫の本能的な行動の一端を垣間見ることができますね。
単独動物であること
猫とネコ科動物は、共通して単独動物です。例外でライオンは群れを成しますが、ネコ科動物は基本的に単独で行動します。
もちろんイエネコも単独の動物。多頭飼育しているとそれを忘れてしまっているほど仲良しな様子も見られますが、全くほかの猫を受け付けない子も珍しくありません。
縄張り意識をもっていること
猫とネコ科動物には、縄張り意識を持つという共通の特徴があります。
とくに雄猫において強い縄張り意識を持っており、彼らは自分のテリトリーを確保するために、マーキング行動を行います。
マーキングは尿(スプレー尿)を使って行われることが多く、オス猫は他の猫との競争において自分の存在をアピールするために行います。
これにより他の個体に対して自分の縄張りを示し、侵入を防ぐ役割を果たすのですね。
イエネコも同様で、去勢をしていないオス猫では、スプレー尿をあちこちにしてしまうケースがよく見られます。
猫と『ネコ科動物』がちがうところ
水が好きなこと
猫とネコ科動物の大きな違いの一つは、水に対する好みです。一般的に猫は水をあまり好まないとされており、水に濡れることを避ける傾向があります。
一方大型ネコ科動物、例えばトラやヒョウは、水を好む個体がほとんどです。
とくにトラは水中での活動が得意で、泳ぎが上手。獲物を追い込むために、水中を利用することもあるようです。
のどをゴロゴロ鳴らさないこと
イエネコのかわいい「ゴロゴロ」ですが、ネコ科動物の多くはそれをしません。
猫が「ゴロゴロ」という音を発するのは、猫がリラックスしている時や満足感を感じている時によく聞かれる行動です。
たとえば飼い主と一緒にいる時や、甘えたい時に見られることが多く、コミュニケーションの一環として重要な役割を果たします。
一方ネコ科動物、例えばライオンやトラは、ゴロゴロと鳴くことはありません。彼らは主に大きな声で鳴く(咆哮)ことでコミュニケーションを取ります。
また骨の構造にも違いがあり、大型ネコ科動物は「ゴロゴロできない」体のつくりになっているのです。
鳴き声が「ニャー」ではないこと
猫とネコ科動物の違いの一つとして、鳴き声が挙げられます。猫は「ニャー」という鳴き声で広く知られていますが、大型ネコ科動物はその鳴き方が異なります。
猫が発する「ニャー」という声は、人間とのコミュニケーションを目的としていて、特に飼い主に対して特有の鳴き声を使い分けるのです。
つまり猫のかわいい鳴き声は、猫が人間と関わる中で進化したコミュニケーションの手段といえます。
一方でネコ科動物の鳴き声、たとえばライオンは「うなり声」や「吠える声」を使い、これによってコミュニケーションを取ります。
咆哮は「ニャー」と異なり遠くまで届くため、広大な縄張りを持つライオンにとって、群れの仲間やライバルに存在を知らせるのに非常に有効です。
トラやヒョウも、低いうなり声や吠え声を発しますが、これらは主に縄張りを示したり、他の個体に警告を発するための手段となっています。
なお大型ネコ科動物でいえば、チーターと猫は似ている部分が多く、「ニャー」と鳴いたり「ゴロゴロ」とのどを鳴らしたり、猛獣らしくない一面を見せるようです。
まとめ
猫とネコ科動物は、基本的な特徴や行動に共通点がありつつ、それぞれの環境に応じた違いも見られます。
たとえば猫は家庭で人間と共存することで独自の進化を遂げ、多様な性格や行動を示したり、ネコ科動物は野生の環境で生きるための能力を維持し、適応していたり。
今回紹介した共通点・相違点もほんの一部でしかありません。猫好きさんならぜひ、猫だけでなくほかのネコ科動物についても調べてみてくださいね!