Yahoo! JAPAN

「ありそうでなかった互いのリスペクトを持ったアーティスト同士の組み合わせ」をコンセプトにアイナ・ジ・エンドと阿部真央が対バンイベントについて語る

SPICE

アイナ・ジ・エンド、阿部真央

11月5日(火)、Zepp Nambaにてアイナ・ジ・エンドと阿部真央による対バン形式のオムニバスイベント『JOY NT CIRCLE』が開催される。同イベントは大阪のラジオ局FM802と関西のコンサートプロモーターGREENSがタッグを組み、FM802開局35周年を記念して行われるもの。「ありそうでなかった互いのリスペクトを持ったアーティスト同士の組み合わせ」をコンセプトに、第一回目となる開催に出演することとなったのがこの2組となる。


圧倒的な世界観でオーディエンスを魅了する2組だが、実はステージでの共演は今回が初めて。今回、FM802のスタジオでアイナ・ジ・エンドと阿部真央による対談インタビューが実現。シンガーとして、表現者として、互いにリスペクトを持ちつつも、それ以上にたっぷりと思いが詰まっていたのは”ラブ”なメッセージばかり。イベントを前に思いのたけをたっぷりと語ってもらった。

アイナ・ジ・エンド、阿部真央

――二人の初めての出会いはいつ頃ですか。

アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ):2017年、BiSHのMV「JAM」での撮影で初めてお会いしました。「一番会いたい人に会いに行く」という企画で、真央さんに会いたい! とワガママを貫き通して。

阿部真央(阿部):もう7年前か、懐かしいね。その時にお手紙を読んでくれたのがすごく嬉しかったのを覚えてる。一緒に歌ったり、ライブも行きたいし、来てほしいなと話したんだよね。

アイナ:当時はBiSHとしての活動でいっぱいいっぱいで、言われたことをやるだけで精一杯。自分のワガママを言うことってそんなになかったんですよね。でも「JAM」で会いたい人に会えるかもっていうことで、真央さんに会いたい!と。もうテンションが高まっちゃって。

――対面での出会いはその時が初めてですが、アイナ・ジ・エンドさんはずっと前から阿部真央さんのファンだったんですよね。

アイナ:私が中学生ぐらいの頃に真央さんが『ポっぷ』をリリースして。当時はサブスクもなかったから、レンタルショップで妹と一緒に真央さんのCDを借りてずっと聴いていたんです。私にとって青春の人。私の恋愛観を形成してくれたのが真央さんの曲。自分を形成してくれた偉大なアーティストのひとりなんです。

阿部:それは心配しちゃうなぁ(笑)。

――思春期の頃に聴く音楽はずっと心に残りますよね。

アイナ:かなり私の心に残っていますね。

阿部:ほんと、心配になっちゃう(笑)。でも、こんなに光栄なことはないですよね。実は当時、アイナちゃんからMV出演のオファーをもらうまではBiSHの音楽をちゃんと聴いたことがなくて。でも共演をきっかけに色々と作品を聴くようになってから、BiSHにはアイドルとか、そういう枠を超えた歌声のすごさやカリスマ性みたいなものを感じていて。アイナちゃんはダンスの振付とかもしていたし、クリエイターとしての才能がある人だなと。あと、今も思うのは映像とか画として観たときにすごく華を感じる。そんなすごい人が私のことをそんな風に想ってくれていることが光栄ですね。実際こうやって会っているともう友達だと思ってるからさ。こういう繋がりも幸せですよね。

アイナ:その言葉が嬉しいです!

アイナ・ジ・エンド、阿部真央

――阿部真央さんはデビュー当時から作詞作曲をしています。アイナ・ジ・エンドさんが作詞作曲をするようになったのは2018年のソロデビューがキッカケですよね。お互いのアーティスト、シンガーソングライターとしての印象はいかがですか?

阿部:アイナちゃんは曲を書くようになって本当に良かったと思う。ちゃんとアイナ色があるよね。抽象的な印象になるけど、最初に曲を聴いたときに思ったのは「儚さ」。意外とアップテンポよりもゆったりとしたビートとかリズムを愛しているのかなと思うし、それはこうやって喋っていても同じ印象なんだよね。当時のBiSHのことを深く知るまでは、グループの中にいるアイナ・ジ・エンドは立ち回り的にも見え方としても、すごくエッジの効いた印象を強く感じてて。アイナちゃんは声もハスキーだしさ。柔らかい部分よりも激しめな印象がつきやすい。でも知れば知るほど、どこまでも天使っぽい。アイナ・ジ・エンドって名前がついてるのに(笑)。ソロになってからはその色がすごく出てる。衣装は黒が似合うけど、アイナちゃん自身は真っ白。そういう感じが私の好きなアンバランスさで。語弊を恐れずに言うと、陰と陽なら陰寄りじゃない? 私はそういう儚くて、ちょっと影があるのが、作品としてもアーティストとしてもすごく好き。だからアイナちゃんがこうやってアーティストとして活動をして、自分らしさを存分に出せるようになってくれたのはイチファンとして、友達としてすごく嬉しかった。アイナちゃんの素敵な部分がどんどん出てる。

アイナ:驚きです、そんなふうに見ていただいていたのは。

阿部:勝手な私の感想だけどね。すごく素敵なんです、儚くて。

アイナ・ジ・エンド

――アイナ・ジ・エンドさんは阿部真央さんへの印象はいかがですか?

アイナ:真央さんは私のことを儚いって言ってくださっているけど、私は自分自身のことは弱いなと思っていて。

阿部:え!? そうなの?

アイナ:だからこそ、真央さんみたいな声の波動が強い女の子に昔から憧れてるんです。今もお会いしているだけでエネルギーがすごいんですよ。ライブ映像を観ていても、映像を観ているのか生で観ているのかわからなくなるくらいの強さがある。でも歌詞が時折、等身大よりもちょっと弱い心をさらけ出してくれる瞬間もあるのが真央さんの好きなとこで。そういう瞬間があるからこそ親近感があるし、ファンの人を誰も置いていかない。真央さんの強さに喰らって「カッコ良い!」となるだけじゃなく、なにかこう「真央ちゃん」と呼びたくなるような可愛らしさも滲んでいるんですよね。

阿部:その言葉、全部がうれしい!

アイナ:10年以上前のファンから見ていると、真央さんがお母さんになって人生がどんどん変わっていくけど、それもすべて素直に曲にしちゃう。「17歳の唄」みたいな曲から「お前が求める私なんか全部壊してやる」みたいな曲まで。

阿部:そんな時期もあったねぇ(笑)。

アイナ:そこからお母さんになった真央さんの歌もあって、阿部真央さんの全部が歌にあるんです。一緒に人生を歩んでいるのかなって思えるくらい。私もそういう女の人、人生を耕せば耕すほど歌が分厚くなる人になりたい。本当に憧れなんです。

――互いの魅力をこんなにも語り合えてラブラブなのに、まさかこれまで共演がなかったという……。

阿部:ほんとにびっくり。でも、BiSH時代も長かったし、BiSHとしての共演となるとステージでの絡み方は難しかったはず。

アイナ:BiSH時代は対バンもあったし、私が阿部真央さんのことがずっと好きだと言い続けてきたけど、やっぱり真央さんの存在がめちゃくちゃデカイので安易に誘えないんですよ。それにやるならちゃんと大きい場所で、2マンじゃないとやりたくないっていう気持ちもあったし。

――念願の初共演が2マンライブ。共演であり競演でもありますよね。

阿部:確かにそうだね。この話が来たときはいよいよ来たなと思ったよね。やっぱりBiSHはグループとしての人数も違えば、音楽も客層も違うから対バンとしては難しいという思いは正直あって。

――グループアーティストとソロアーティストではライブの見せ方も異なりますよね。

阿部:もちろんBiSHとしてのライブも素晴らしいけど、アイナちゃんがソロ活動を始めて自分自身の魅力をバンバン出せるようなったとき、お互いがソロでのライブなら絡みやすいなと思いましたし。このタイミングで一緒にライブができるのはすごく光栄だし、超楽しみ。私もいっぱいいろんなものを吸収したいって本当に思います。

阿部真央

――ついに憧れの人との共演が叶う。いつものステージとはまた少し気合も違ってきますよね。

アイナ:そうなんです。でも、友達って言ってくださったことがめちゃくちゃ嬉しくて。

阿部:え? もう友達だよ~!

アイナ:一緒にライブができるのは嬉しいんですけど、私にとっては圧倒的な存在感の人なので、ライブ告知とかも簡単にできないんです……。

阿部:どういうこと!?(笑)。

アイナ:真央さんの名前とか文字が打てないんですよ。「真央さんと対バンする」という日本語を打っては消して打っては消しての連続で……。

阿部:えぇーー!? 告知はしようよ(笑)。

アイナ:もう神聖なんですよ! 真央さんに近づきたい気持ちもあるけど、自分の心が読めなくて……。今回の対バンは……もうわからない!!!

阿部:ウケる(笑)。記事に「わかりません!!」と書いといてください(笑)。

――「どう展開するのか、乞うご期待!」な感じですね。

アイナ:ほんと、どうなるかわかんないんです……。でも真央さんがおっしゃったように、今回はBiSHではなくてソロでの共演。アイナ・ジ・エンドとして2年目でのステージ。ちゃんと真央さんの音楽を聴いて育ったよっていうのを真央さんのファンの人にも見てもらいたいなと心から思っています。

――ライブ当日、シンガーソングライターとしてタイプの異なる2人のステージが楽しめそうですね。

阿部:私はめっちゃ勉強しようと思ってるんで! アイナちゃんほど、どこを切っても絵になる人はいないでしょ。圧倒的な華がある。美しい!

アイナ:そんな……!

――アイナ・ジ・エンドさん、ずっと照れてますね。

阿部:ほんとにずっと思ってることだよ?

アイナ:もう……ありがとうございますしか言えないです。

アイナ・ジ・エンド、阿部真央

――ライブで共演したかった、その想いを互いのファンが知ってくれたらよりイベント当日が楽しみになりますよね。コラボもあるのではと期待もしていますが……。

阿部:全然ありだよね!

アイナ:え!? いいんですか? 本当ですか? えぇ何しよっかな…。〇〇も××もやりたいです。

阿部:せっかくならお互いの曲をやろうよ。

アイナ:ヤバい!!! 真央さんが私の曲を歌ってくれるとかホンマにヤバいかも!

――思わず関西弁が出ちゃってますよ(笑)。

阿部:私も何歌いたいか考えとくからさ、アイナちゃんも考えといてよ。

アイナ:え……ちょっと待ってください。真央さんの曲を歌えるっていう自信が……ないです。

阿部:え~!? 絶対歌えるよ!!

アイナ:カラオケに行ってめっちゃ練習していきます!

阿部:私も練習しよ。ていうか、スタジオ入ろうよ。

アイナ:はい!!!!……入りたいです!

――当日、期待しています!

アイナ・ジ・エンド、阿部真央

取材・文=黒田奈保子 撮影=菅朋香

【関連記事】

おすすめの記事