「残飯立食パーティー」「妖怪爪切りばばあ」…ママが「名もなき育児」に名前をつけてみた
名もなき家事ならぬ名もなき育児のタスクに対して、ママに名前をつけてもらいました。「無限お砂シューズの洗濯」「睡眠用レンタルアーム」などユニークなネーミングは、どんな内容なのか、読めば共感必至です。
子どもたちの「給食」はどうなる? 「給食無償化」「物価高騰」…現状とこれからを「話題の管理栄養士」が解説前回(第1回)の記事では、子育て中のママに【「名もなき育児」は存在すると思いますか?】と聞いてみたところ、実に94%のママが「はい」と回答したことを紹介しました。
ママにとっては身近な存在でありながら、なかなか周囲からは理解されにくい「名もなき育児」。今回はこれらの「名もなき育児」に名前をつけてもらいます。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2024年7月26日~8月8日インターネット上で実施。有効回答数は84件。※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。また明らかな誤字等は修正のうえ記載。
「名もなき育児」に名前をつけてやる
2019年にコピーライターの梅田悟司さんが出版した『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)という本をご存知でしょうか。
著者の梅田さんは「名もなき家事」の作業ひとつひとつに名前を付けることで負担を見える化し、家事の分担について考えたり不要な家事を洗い出したりするきっかけになれば、と語っています。
参考:東京すくすく「「名もなき家事」70種に名前をつけよう」
参考:『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(梅田悟司・著/サンマーク出版)
コクリコラボでは、「名もなき育児」においても、名前がなく可視化されてないのが、理解の進まない原因なのではないかと考えました。多くのママが家庭内でなんとかこなしてきた「名もなき育児」に名前がついたら、もっと外部の人に伝えやすくなり、理解を得やすくなるのではないでしょうか。
「妖怪爪切りばばあ」ってナンダ?
それではさっそく、ご紹介しましょう。
・「睡眠用レンタルアーム」:下の子は私の右腕を触らないと絶対に寝られません。(年中・小3女の子のママ)
まさに体を張った育児です。ただ添い寝をして楽をしているわけではないことをわかってもらいたいですね。
・「残飯立食パーティー」:姉妹で食が細いので、朝ごはんは何がいいか聞くのですが、答えたものをそれぞれに出しても食べないことがあるんです。結局残ってしまった残飯を私が食べるパーティーです。(同上)
「立食」である理由を聞いてみたところ、お嬢さんたちの食べ残しをキッチンに持ってきて家事をしながらつまんでいるとのこと。「パーティー」とポジティブに名づけているところが面白いです。
・「忘れもの便」:子どもがよく忘れものをするので、忘れものを学校に届けている。(小3と3歳の男の子のママ)
いつ発生するかわからない「忘れものを届ける」というイレギュラーな「名もなき育児」を挙げてくれたママもいました。
・「真夜中布団パトロール」:掛け布団をかけてもかけても、数分後にはかかってない状態のため、肌寒い時期などは気になって起きることもあります。基本的には、子どもが寝たあと少ししてから、自分が寝る前やトイレなどで起きたとき、子どもより早めの時間に起きた朝の時間帯などに、布団パトロールを実施しています。(同上)
子どもが風邪をひかないように、と真夜中のパトロール隊は夜通し気が抜けません。
・「フォトマネージャー」:実家や義実家のじいじ&ばあばに定期的に写真を共有する。送られてきた感想に対して返信する業務も付随する。義実家の場合、夫のパパぶりを報告するなど地味に気を遣う。
子どもの成長を伝えるべく、写真を選んで送るところから、返信をしたり、夫の状況を報告したり、とタスクの多さはまさにマネージャーです。
・「ライフマネージャー」:小3の娘に対して、朝起きたときの「何着たらよい?」から始まり、イベントに参加したり、友だちの愚痴を聞いたり、秘書になったり、黒子に徹したりしています。(14歳男の子と小3女の子のママ)
こちらは生活全般を担当するマネージャーです。もちろん大変なのですが、「ライフ」というところに、日常生活だけでなく、これから一生涯を通じて娘さんがママを頼りにしている光景が目に浮かびます。
・「質問攻め対応」:4歳の息子がいろいろなことに興味があって「なんでなんで?」と毎日聞いてくるのに対応している。(4歳男の子のママ)
いわゆる「なぜなぜ期」は、こちらのママが名づけてくれたとおりまさに質問攻め状態です。するどい質問もあり、ふいにくる「なんで?」の連射にママは気が抜けません。
・「夜寝かしつけの際に飲む哺乳瓶を朝探す仕事」:赤ちゃんはパパと寝ることが多く、その際に夜泣きでミルクを飲みたがるのであげるものの、パパは朝その片付けをしないまま仕事に行くのでそれを探すのが日課になってる。(0歳男の子と年長女の子のママ)
パパが赤ちゃんと寝てくれるのは助かるけれど、片付けまでしていないから発生するタスク。名前をつけてもらうと、家庭ごとに違った事情が見えてくるのが面白いです。
・「無限お砂シューズの洗濯」:子どもたちが幼稚園の園庭でよく遊んでくるので。(5歳と3歳の男の子のママ)
ネーミングを聞いただけでうんざりするタスクですが、こちらのママは幼稚園で親も泥遊びを体験したところ楽しかったため、このタスクは「楽しかった証拠」と思うようにしているのだとか。ユーモアあふれるネーミングにすることでよりポジティブに乗り越えられそうです。
・「妖怪爪切りばばあ」:下の子がまだ爪を切らせてくれないので、夜中に懐中電灯を使って子どもを起こさないようにしながら切っています。(同上)
用法としては夜、パパに「ちょっと妖怪爪切りばばあになってくるわ」といった感じで使っているそうです。ほかにも応用が利きそうなネーミングですね。
名前がつくと愛着がわく
「名もなき育児」のひとつひとつに名前をつけてみたことで、ふだん見逃しているけれど、あらためて毎日の育児にはたくさんのタスクがあることを実感させられました。
同時に、ユーモアのある名前をつけた「名もなき育児」には、なんだか愛着がわいてポジティブにとらえられるようになるという気づきもありました。
子どもが成長すればやがて「妖怪爪切りばばあ」になることもなくなってくるでしょう。育児のタスクとして名前をつけてみると、子どもが自分で爪を切るころには懐かしい思い出エピソードのひとつになっているかもしれません。
読者の皆さんなら、「名もなき育児」にどんな名前をつけますか?
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。