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下北沢「脳汁スタンド」は正気じゃない!?パリピ空間で出会った“味の四天王”が脳に直撃

おたくま経済新聞

下北沢「脳汁スタンド」は正気じゃない!?パリピ空間で出会った“味の四天王”が脳に直撃

 今年のゴールデンウィーク、東京・下北沢駅前で開催されたイベント「脳汁スタンド」に参加しました。

 ネオンがギラギラ光るパリピ空間で、巨大な脳みそ付きサーバーから注がれる4種類の「脳汁ドリンク」はこれまでにない新感覚の味。「脳汁があふれる」瞬間を体験してきました。

【給油ノズルから「脳汁ドリンク」を注ぐ】

■ 下北沢駅前に突如現れた 極彩色のパリピ空間

 今回の「脳汁スタンド」は、昨年秋に大田区の銭湯で開催され話題となった「脳汁銭湯を手掛けたマルハン東日本カンパニーとクリエイターのアフロマンス氏のタッグで企画されたイベント。

 ガソリンスタンドを模した会場で、脳みその設置された給油機風ドリンクスタンドから、“脳汁あふれる”刺激的な味の「脳汁ドリンク」をカップで味わえるというものです。

 会場となったのは、小田急小田原線・京王井の頭線の下北沢駅から徒歩4分の場所にある「下北沢路街 空き地」。地下化した小田急線の線路跡を活用したイベントスペースです。

 入り口にはビッカビカに光るパリピネオンと「脳汁スタンド」の看板。奥に少し見える会場も極彩色に輝いています。

 今回のお目当ては、4人のクリエイターがそれぞれの個性を味に具現化させた「脳汁ドリンク」たち。メニューではプレーンなドリンク777円、フロート1111円から選べましたが、ここは正面から味わうべく、ドリンクを4種類それぞれ注文しました。

■ 「脳みそ接続」スタンドから注がれる「脳汁ドリンク」

 コップを手に「脳汁スタンド」へ。そこには巨大な脳みそのモニュメントがてっぺんに配置された、セルフ給油機のようなドリンクスタンドがありました。

 “ゆわんゆわん”した宇宙のようなエコーとともに「脳汁スタンドへようこそ〜」というアナウンスが流れる様子はまさにサイケデリック。飲む前から脳汁が垂れてくる感じがします。

 静電気除去シートを模した仕掛けや、筐体に書かれた「注ぐ際には無心になって下さい」という注意書きなど、なかなか芸が細かい……。

 給油機のノズルを模したポンプでドリンクを「セルフ給油」するスタイル。スタンドには4つのスロットが並び、それぞれ異なるクリエイターがプロデュースした「脳汁ドリンク」が供給されています。順番に味わってみましょう。

【市原えつこプロデュース「思想調整ドリンク」】

 国内外で活躍するメディアアーティスト・市原えつこ氏が手掛けた、「思想のリセット」をテーマにしたドリンク。

 乳酸菌飲料をベースに、ドラゴンフルーツのフレーバーと胡蝶蘭のスパイスを加えて、甘くスモーキーな味わいを演出しています。これがもう、ブン殴られるような極彩色の甘さ。例えるなら、フルーツ味の飴を大量に頬張ったような感じです。

 しかしその後、徐々にドラゴンフルーツの風味がなだめるようにあわさり、結果的にナチュラルな味に。飲み始めと飲み終わりでまったく味が変わるという、不思議な体験をしました。

【サイバーおかんプロデュース「激アツパチパチサイバー」】

 サイバーネオンを装着した衣装で「日本サイバー化促進活動」を行うアーティスト、サイバーおかん氏が手掛けるドリンクは、メロンソーダをベースに強力なミントを利かせた一杯。口の中でパチパチとはじけるポップボールで「味変」する仕掛けも施されています。

 見た目は普通のメロンソーダなのですが、飲むとミントの強力なメンソール味と苦みが「ズンズンズン……」と徐々に重く迫ってくる感じ。水たまりだと思って踏み込んだら実は底なし沼で、気づいたときにはズブズブと全身が沈んでいくような感覚になります。

 と、そのまま底まで沈みそうになったところで効いてきたのが、パチパチはじけるポップボール。舌への刺激とさわやかな香りによって、ふたたび浮上することが出来ました。

■ ウェーイ系パリピと真面目が同居している?!「情熱のアホ味」ドリンク

 前半2つの時点ですでに軽く頭がクラクラしているのですが、ここは一度乗りかかった船。4つすべての味をしっかり見届けたいと思います。

【佐藤ねじプロデュース「ハイオク」】

 話題の商品やコンテンツを手掛けるプランナー・デザイナーの佐藤ねじ氏が手掛ける「ハイオク」。ハイオクガソリンをイメージした琥珀色のエナジードリンクに苦みを利かせた一杯です。

 今回の中では一番まともそうな見た目です。たしかに自然というか、自動販売機で売っていてもおかしくない味。オレンジの香りがふわりと広がります。

 飲み続けていると、果実の皮の苦みが静かに静かに、しかし確実にこちらへ……。ただ、完全に覆い尽くそうとはしません。違和感が一定の距離を取り続けて存在するという、摩訶不思議な感覚を味わい続けることになりました。

【「軟式globe」パーク・マンサープロデュース「情熱のアホ」】

 そして今回一番気になっていたのが、「そうだアホだよ」の決め台詞で知られるラップユニット「軟式globe」のメンバー、パーク・マンサー氏がプロデュースしたドリンク、その名も「情熱のアホ」です。

 ここでいう「アホ」とはスペイン語でニンニクの意味。野菜とトマトのジュースにトウガラシを利かせ、仕上げにニンニクチップスを散らしています。

 サーバーから注ぐと、コップにはドロドロと鮮血のように真っ赤なドリンクが。サイケデリックな照明とのコントラストもあって、気分はドラキュラのようです。

 いざ飲んでみると……、まずやってきたのがトマトの酸味とトウガラシの刺激。ビリビリと首筋に電流が走ります。その後も引き続き飲んでいくと、徐々に風味に慣れて、野菜の旨味がしっかりと伝わってきます。

 一見ふざけているようにも感じられたドリンクでしたが、野菜の持つ旨味をしっかりと楽しめる絶妙な配分。チャラそうに見えていた友達が実は意外と真面目だったときのような、羨望に似たギャップを感じてしまいました。

 「せっかく来てもらったからには忘れられないようなインパクトを与えたい。でも悪目立ちしても良くない」と語ったのは、監修を務めたアフロマンスさん。「びっくりしてもらいつつ、ちゃんと飲み物としての美味しさを目指しました」と、パリピな風景の中にのぞかせた真面目さが印象的でした。

 今回は期間限定のイベントだった「脳汁スタンド」。高熱を出したときに見る夢のような体験の連続は、まさに「脳汁ドバドバ」でした。ふたたびこの奇っ怪なドリンクスタンドが出現する日は来るのでしょうか。

取材協力:脳汁スタンド(イベントは終了しています)

(天谷窓大)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025051002.html

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