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心がキュンとなる【去りゆく夏のセツナソング】サザンオールスターズ、山下達郎、杏里…

Re:minder

1982年07月21日 サザンオールスターズのアルバム「NUDE MAN」発売日

歌謡ポップスチャンネル「Re:minder SONG FILE」vol.13〜 【去りゆく夏のセツナソング】

夏の終わりに寂しさを覚えるのは、四季のある国で生まれ育った日本人ならではの感覚なのだろうか。春の訪れに恋の始まりを重ね、暑い夏に恋を謳歌するように、人は夏の終わりに一抹の寂寥感を覚えずにはいられない。毎回趣向を凝らしたテーマと選曲で人気の『Re:minder SONG FILE』。8月の放送では【去りゆく夏のセツナソング】をテーマに、選り抜かれた9曲が『歌謡ポップスチャンネル』で紹介される。

研ナオコがカバーして大ヒットした「夏をあきらめて」


オープニングはサザンオールスターズの「夏をあきらめて」。 マイナーコードによる悲しげなメロディも相まって別れの歌のようにも聞こえるが、歌詞を読み解くと海にやってきたカップルが急な雨のせいでホテルに逃げ込むシチュエーションであることが分かる。2人のこれからの関係がどうなるのか…。その瀬戸際を描いているとも読める内容だ。この曲は、1982年7月の初出から2か月後、研ナオコが自ら申し出る形でカバー。大ヒットを記録し、同年の第24回『日本レコード大賞』金賞を始め、多くの賞を受賞したことから、彼女のバージョンでなじみの深い人も多いことだろう。

続いては稲垣潤一「夏のクラクション」。作詞は売野雅勇、作曲は筒美京平。1980〜1990年代に大活躍したソングライターによる楽曲で、富士フイルムのカセットテープ(GT-Ⅰ)のCMソングとして使用された。夏の終わりと共に彼女と別れた男性が、未練たっぷりの想いを歌ったセツナソングだ。ちなみに稲垣は、この曲で伝説の音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)の “スポットライト” コーナーに登場。これが同番組唯一の出演となっている。

杏里「Last Summer Whisper」は1982年、角松敏生の作詞作曲で、杏里4枚目のアルバム『Heaven Beach』に収録された1曲。別れた彼ともう一度会う女性の心理を、心地よく流れるメロディーラインに乗せた。リリース当時に大ヒットしたわけではないが、2020年、米国の女性シンガー、ジェネビーブが同曲のトラックをサンプリングしたミュージックビデオを公開。瞬く間に1,000万回再生を突破。「Last Summer Whisper」はこの曲で一気に注目を集めることとなった。現在も続く世界的なシティポップ・リバイバルを象徴する現象と言えよう。

キョンキョン、荻野目洋子… 心をキュンとさせる晩夏のセツナソング


そして中盤はアイドルによるセツナソングが続く。まずは小泉今日子「夏のタイムマシーン」。大人になった私が、16歳の頃に自分に向けて「♪その瞳に負けないくらい 一生懸命泣いて一生懸命悩んで 一生懸命がんばっている」ことを伝える。9分を超える長い曲であるため、1988年にキョンキョンが『夜のヒットスタジオ』に出演した際は、初週に1・2番を、翌週に3・4番と2週に分けて歌ったというエピソードがある。なお、2022年にはデビュー40周年記念のアニバーサリー企画として、当時の声と2022年現在の声によるセルフデュエット・バージョン「夏のタイムマシーン 1982-2022」が発表されている。

荻野目洋子「少年の最後の夏」 は1995年、稲垣潤一「夏のクラクション」と同じ売野雅勇&筒美京平コンビによる1曲で、『バリバリ伝説』のエンディングテーマでもある。「♪新聞の片隅に7行のニュースで あの子の青春が終る」との歌詞があるが、これはタイトルにもかかる内容で、恐らくは少女が思いを寄せる少年が事故によってこの世から去ってしまったと思われる。『バリバリ伝説』の登場人物で、主人公のライバルヒデヨシが峠で最期を遂げてしまうシーンにもかかっているのだろう。軽快なメロディとは裏腹に、重いテーマを歌った1曲だ。

渡辺美里「サマータイム ブルース」は、1990年の歌で、渡辺美里本人の作詞作曲によるもの。これ以前にも自身が作曲をした作品はあるが、シングルではこれが初となる。明治生命のCMソングで本人も顔出しで出演。愛しい人が去ってしまった女性の心情を、前向きに歌い上げている。当時の渡辺美里はロックファンとアイドルファン、両方のファンを取り込んだ貴重な存在で、音楽性とビジュアルの両面を併せ持った彼女ならではの地位を築き上げていた。

天才2人の邂逅、夏の終わりの定番ソング「夏の終りのハーモニー」


ラスト3曲は誰もが知るであろう定番曲が並ぶ。鈴木雅之「ガラス越しに消えた夏」は、大沢誉志幸の作曲と編曲により夏の終わりの情景と切なさが見事に表現された1曲。作詞はclass「夏の日の1993」も手がけた松本一起の手によるものだ。“ガラス越し" のガラスとは自動車のガラスであり、夏の日の海の思い出が背景になっていることが推察できる。先を急ぎ過ぎた彼女と、振り向き過ぎていた自分。二度とは帰れないあの日を思う気持ちが切ない。

そして、夏の終わりの定番ソングといえば、やはり井上陽水・安全地帯による「夏の終りのハーモニー」だ。曲自体の素晴らしさもさることながら、両者によるハーモニーが絶妙であり、まさに天才2人の邂逅。オリコンのシングルチャートでは最高6位を記録。今でもカラオケなどで長く愛され、歌われ続ける名曲だ。

ラストはこの歌と並ぶ夏の終わりの定番ソング、山下達郎「さよなら夏の日」。1991年に発売された山下達郎通算21作目のシングルだ。山下が高校時代、夏の終わりに彼女と遊園地のプールに行った時に夕立にあい雨上がりの虹を見た思い出を元に作った曲で、とても愛着のある作品だと語っている。聴く人全てが自らの青春を思い起こすであろう、甘くて切ない遠い夏の日の情景。いつまでも忘れずにいたいものである。

Information
Re:minder SONG FILE「去りゆく夏のセツナソング」

ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」がテーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け。
▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:
・2025年08月27日(水)24:00〜25:00
・2025年09月04日(木)24:00〜25:00
▶︎ 今月のソングファイル
♪ 夏をあきらめて / サザンオールスターズ
♪ 夏のクラクション / 稲垣潤一
♪ Last Summer Whisper / 杏里
♪ 夏のタイムマシーン / 小泉今日子
♪ 少年の最後の夏 / 荻野目洋子
♪ サマータイム ブルース / 渡辺美里
♪ ガラス越しに消えた夏 / 鈴木雅之
♪ 夏の終りのハーモニー / 井上陽水・安全地帯
♪ さよなら夏の日 / 山下達郎
▶︎ 番組ページ:Re:minder SONG FILE

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