<ワケあり!パート夫婦>産後、ストレス爆発!家族のために働き方を変えた結果……!?【まんが】
私はマユカ(28歳)。自宅近くのカフェでパート勤務しています。息子のジュン(3歳)を出産するまでは、大きな会社の正社員でした。しかし産後に体調不良が続き、復職を断念。さらに、夫のケイゴ(30歳)も仕事のストレスと慣れない育児にいっぱいいっぱいになってしまい、会社を辞めて非正規雇用として働いています。夫婦ともに非正規雇用の家庭への世間の目は厳しいと感じることは多く、ストレスもあります。でも、息子のためにも親は元気なほうがいいと割り切ってもいるのです。
今日は私が朝9時から14時までカフェで勤務、夫は12時から20時までの勤務です。夫はコンビニでアルバイトをしています。
スマホの時計は8時10分を指しています。息子の足で保育園まで20分ほど。息子を預けてからカフェまでダッシュすれば間に合うでしょう。
あわただしくもありますが、息子に余裕を持って接してあげられる今の生活が、私は気に入っています。
息子の産後はひどいものでした。私は体も心もぼろぼろで息子の夜泣きに対応する日々。授乳もミルクを作るのもうまくいきません。夫は優しいので協力してくれましたが、まじめな性格があだとなり夫自身が眠れなくなってしまいました。
息子の夜泣きの声に夫は「うるさい!」と言うことも。夫婦で話し合っていくうちに、お金は心配だけれど、2人とも自分のリズムで働ける非正規という形を選んだほうがよいのではないか、という結論に至りました。
カフェまでダッシュしながら、春の風を感じました。息子は0歳児クラスから今の保育園にお世話になっています。非正規とはいえ復職して3度目の春を迎えられたことが感慨深く感じられました。
チェーン店のカフェでの接客は、後輩に教える機会も増え楽しく働いています。子育てが落ち着いたらまたバリバリ働きたい……そんな夢も描けるようになってきました。私はレジの前に立ちながら、今日は息子の好きなおやつを買って帰ろう、と考えていました。
夫はお酒を飲んできたようです。もちろんお金に余裕はありませんから、コンビニでお酒を買って、飲んで帰ってきたのでしょう。
自分たちの健康のため、そして息子のために非正規雇用の道を選んだ私たち。でも、夫は納得していない部分があるようです。たびたび私の仕事をバカにしたり、突っかかってきたりします。産後、夫が眠れなくなって荒れてしまった時よりはマシなので私は我慢しています。でも、息子の将来を考えると収入に不安があるのも事実。なぜ夫にこんな風に言われなければならないのか、私は納得できない思いを抱えています。
【夫の気持ち】俺サイテー!焦りと不安から妻に八つ当たりばかり
俺はケイゴ(30歳)。妻のマユカ(28歳)と息子のジュン(3歳)と暮らしている。俺はコンビニでアルバイトをして収入を得ている。妻のマユカはカフェでパート勤務。俺たち家族は幸せだ。だけど……ジュンが生まれるまでは俺も正社員で、部下を抱えながら働いていた。ジュンが生まれたあとに眠れなくなり、体調を崩すようになってから今の働き方をしている。これでいい、と思う一方で、将来への不安も頭をよぎる。
要するに店長は「家庭があるのにアルバイトで働いているなんて、なにやってるんだ」と言いたいんだろう……。店長が去ってから、俺は目を閉じた。怒り、焦り、いろんな感情が胸のなかで渦巻く。店長が言っていることはもっともだろう。確か、高校生くらいのお子さんがいたはずだ。子育てにお金がかかるのをわかっているから、俺の働き方が心配なのだ。俺は息を大きく吐き、ドリンク用冷蔵庫の作業に戻った。
明るく話しかけてきた彼は大学生のアルバイトでミサキくん。ピアスを開けた今どきのかっこいい子で、人懐こい。いつも店長にもフランクに話をしている。
交代で休憩に入れるように声を掛けてくれたらしい。「ありがとう。キミはいつも気が利いてえらいなぁ」と感謝を伝えると、「えーそんなことないない! 遊んでばっかでただいま留年ピンチ中! えらくないです」とフランクに話してくれた。
ミサキくんが「さっきだって俺、店長に単位取るためにシフト減らしてって頼みにいったくらいダメダメですよ。遊びにつかう金が減るのは惜しいけど……仕方ないです!」と、あっけらかんと話してくれた。
「あざっす! やるだけやってきます」と、常に前向きなミサキくんの様子に「いいねぇ大学生」と気持ちが少し上向いた気がする。
勉強するにも遊ぶにもお金はかかる。息子のジュンもきっと大学生になるんだよな……。急に現実的な問題に直面した気がして、店長の「子どもが大きくなればもっとお金がかかるようになるのに大丈夫?」という言葉が頭から離れなかった。
帰宅して、お酒をあけて勢いに任せて飲んでいた。自分で決めた働き方だったはずなのに、すごくモヤモヤしている……。
俺はこのままでいいんだろうか、と心の中で最近ずっと悩んでいる。マユカは「今日もお店すごく混んでね。疲れちゃったよ」と帰ってきた俺に話しかけてきている。でも……。
家族で元気に、健康的に過ごしたい。そう考えて今の働き方を決めたのに、自分の中のモヤモヤが消えない。最近は妻にひどい言葉を投げつけるようになってきてしまった。このままではいけない。そう考えながらも、コンビニの帰りに酒を飲んで気持ちを紛らわしている。将来お金の心配をせずに、ジュンを進学させてやりたい。そのために、今どうするべきなのか考えはじめていた。
【私の気持ち】夫婦に訪れた転機「つぎのステップへ!」正解はひとつじゃない
最近、夫の態度がつらく、割り切って考えられなくなってきました。
まさか解雇? いやシフトを減らすっていわれるだけでもキツい……のが正直なところです。
店長に呼ばれて、ドキッとしました。もし解雇するつもりとか、シフトを減らすつもりだったらどうしよう。不安が頭をよぎります。そしてこんなとき、非正規雇用の立場の弱さを改めて痛感します。
店長は私に社員になってみるつもりはあるかと打診してくださったのです。店長には、夫も非正規雇用であることや、シフト勤務であることを伝えていました。そのほうがシフトの調整をお願いしやすかったからです。
仕事から帰宅すると夫が夕食を作って待っていてくれました。
夫は最近私につらく当たってしまったことを「いやその……申しわけなくて。最近ひどい態度ばかりだったから」と、謝ってくれました。
夫は謝ってくれた後、「このままじゃダメかもって一人で焦ってイライラしてた」と、話してくれました。ようやく気持ちがわかり合えて、わだかまりがとけたような思いがしました。さらに……お互い伝えたいことがまだありました。
「社員になろうかと思って!」という私たち2人の言葉が重なりました。びっくりして私たちは顔を見合わせます。息子がきょとんとしています。
二人で顔を見合わせて驚いてしまいました。
他の家庭から見れば、慎重すぎる私たちに喝が入るかもしれません。でも、もう大丈夫だ、次に進もう。そう思えたタイミングが夫婦で同じだったのが、とても嬉しい春でした。私たち家族の過ごし方は、また形を変えます。今度はそれで誰かが傷ついたり、悲しい思いをしたりしないように、みんなで話し合いを重ねたいと思いました。 世間の目は確かに気になります。でも、家族が幸せでいることを1番大切にしていきたい。これからも悩むことはあるでしょうが、その都度考えていきたいと思っています。