親子を包む読み聞かせ 地域で36年「おはなしばる〜ん」
伊勢原市立図書館の一角。そこに、36年にわたり、子どもたちの笑顔と子育てに奮闘するママたちの支えであり続けてきた、温かい光がある。読み聞かせボランティアグループ「おはなしばる〜ん」(大橋伸子、守田正子共同代表)。その歴史は、1989年、図書館の呼びかけから始まったという。
図書館では月に4回、時には日曜日を含め5回ものおはなし会が開催される。30分間の会には、絵本をはじめ、手遊びやパネルシアターといった、子どもたちを飽きさせない工夫がぎっしり。その日の参加者の年齢層は様々で、用意したプログラムがあっても状況に合わせて柔軟に変更される。中でもオープニングの手遊び歌は、子どもたちにとって、お話が始まる「特別な合図」だ。歌が始まると興味津々に話し手に近づいていく。
現在40代から80代までの14人で活動する「おはなしばる〜ん」。発足当初から活動を続けるベテランをはじめ、子どもと通う中で、絵本を読む楽しさに魅せられ、自ら飛び込んだ母親も。「やりがいは、何よりも子どもたちの楽しそうな笑顔」とメンバーたち。おはなし会で紹介した本が借りられていくのを見るのも喜びだ。曜日ごとに担当を決め、各々の工夫で会を盛り上げている。
市内の小学校、保育園、幼稚園、高齢者施設など、出前おはなし会も積極的に行われているほか、月1回の勉強会も熱心に開催し「推し絵本」を紹介し合っているという。おすすめ本の紹介も新たな取り組み、「子育ての力になる3冊」を図書館で展示している。守田共同代表は「親子がほっとできる場になっていればうれしい」と笑顔で話した。