日本一の声を堂々披露!吟者 大友梢さん(船橋市在住)
路(みち)は羊腸(ようちょう)に入(い)って石苔滑(せきたいなめらか)なり
風は鞋底(あいてい)より 雲を掃(はろ)うて廻(めぐ)る―(「山行同志に示す」より)。
朗々と吟じられる詩。
丹田(たんでん)というおなかの下部から発せられる真っすぐで力強い声が、船橋市役所9階応接室に響き渡りました。
丹田から発せられた 真っすぐで力強い声
どちらかというと小柄な大友梢さん(大学4年)の話し言葉は普通ですが、詩吟の声量は周囲を圧倒する迫力に満ちています。
大友さんは9月、「第30回全国優秀吟者吟道大会」の「独吟漢詩の部」で全国10地区の予選会から選抜された48人が競う中、見事日本一の座に輝きました。
詩吟と教育者の道親子三代で究める
5歳から祖父母が教える「三咲こども詩吟の会」で週1回、毎週日曜日に習ったそうです。
練習を重ねるうちに「詩を書いた人が見た情景や気持ちが感じられ、それを声で表現できる」魅力に引かれたのだとか。
小6の時に「青少年吟詠大会小学生の部」で優勝すると、さまざまな大会で好成績を収め、2年前の「全国優秀吟者吟道大会連吟の部」で母親、叔母との3人で優勝しました。
今後の目標は「新たに和歌の詩吟に挑戦したい。将来は教員を志望しています。子どもたちには詩吟とともに、日本の伝統文化の魅力を広く伝えられるようになりたい」と語ります。
祖父・菊地忠信さん、母親、そして孫の大友梢さんと、親子三代で詩吟と教育者の道を究めようとしています。(取材・執筆/マット)