【鎌倉市】台風15号 国の名勝も被害 大雨で浸水や避難指示
各地に大雨をもたらした台風15号により、鎌倉市内でも被害が発生した。二階堂にある瑞泉寺では、国の名勝に指定されている庭園でがけ崩れが発生。土砂災害警戒に伴う避難指示が出されたほか、浸水被害や冠水による道路の通行止めもあった。
鎌倉市によると、台風15号の累積雨量(9月5日午前2時から午後6時)は、鎌倉消防署の計測で244mm、大船消防署の計測では190mmを記録した。
5日午前8時頃から災害警戒本部が設置され、水位の上昇を受けて神戸川の近隣829世帯に避難指示が出された。その後、土砂災害警戒情報に伴い、約2万1千世帯に避難指示が出された。
このため、市役所講堂や各支所、市立小学校16校に避難所が設置され、各施設合計で36人が避難した。土砂災害警戒情報は同日午後7時45分に解除され、8時には避難指示も解除された。
市によると、翌6日午前10時の時点で台風による人的被害は発生していないが、倒木5件、がけ崩れ5件、浸水8件の被害が報告され、その後の被害について集計を行っているという。
谷戸の多い鎌倉市では、緑地やがけ崩れの恐れのある場所の定期的な確認を行っており、市みどり公園課では「今後も被害を防ぐため対策を講じていきたい」と話す。
二階堂の瑞泉寺では、鎌倉時代から残る夢窓疎石が作った庭園でがけ崩れがあり、落下してきた大木と土砂で池の一部が埋まって激しい濁りも発生した。大下一真住職は「想像を超える量の雨水だったのでは。国の名勝なので、文化庁の指導を受けて復旧していきたい」と話す。
また、鎌倉駅周辺では一部の店舗で浸水があり、休業や清掃などの対応を余儀なくされた。