ビーチに現れたトンボの大群 おびただしい数に悲鳴(米)
米ロードアイランド州のビーチで7月27日、無数のトンボの群れが一斉にビーチを通過していく様子が撮影された。数え切れないほどのトンボは、ビーチにいた人々の顔や足の間を飛び回り始め、中には人にぶつかってしまうトンボもいた。たった数分の出来事だったが、悲鳴をあげて怖がる子どももいたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。
米ロードアイランド州ウェスタリーにある「ミスクアミカット・ステート・ビーチ(Misquamicut State Beach)」で7月27日、トンボの大群が撮影された。
当時、同ビーチにいたマサチューセッツ州在住のステファニー・マーティンさん(Stephanie Martin)は、「無数のトンボがやって来るまでは、ビーチで楽しい一日を過ごしていました。なんとなく左を見たら黒い雲があって、海の向こうからトンボが群れを成してやってきたんです」と振り返る。
ビーチの様子を撮影した動画には、何百、何千ものトンボが画面を横切っていく様子が映っている。ビーチには海水浴や日光浴を楽しむ多くの人がいるが、トンボたちはお構いなしに人々の顔や足の間を飛び回っていく。
ステファニーさんは、「気付いたら、どこもかしこもトンボだらけでしたよ。羽音は空港の騒音みたいでしたし、ぶつかってくるトンボもいました。どこに向かっていたのかは分かりませんが、攻撃的な様子はありませんでした」と話す。
動画を見ると、ほとんどの人が逃げ出したりせず、手で追い払ったり頭や顔をビーチタオルで覆ったりして落ち着いて対処しているが、パニックになった子どもの悲鳴も聞こえてくる。
虫嫌いのステファニーさんは、“惨状”にどうにか耐えたそうで、「永遠に続くのではないかと思うほどでしたが、2~4分ほどでトンボたちはみんな飛んでいき、それから戻ってくることはありませんでした」と明かしている。
トンボは夏の繁殖時期や、エサとしている小型の昆虫が天候の乱れや人間の活動により宙に舞い上がった際に、群れを成して移動する傾向がある。多い時には10億匹以上が集まり、レーダーシステムが検知できるほどの大群になることもあるという。
マサチューセッツ大学アマースト校マウント・アイダ・キャンパスの花粉媒介の専門家ニコル・ベルさん(Nicole Bell)は、「毎年7月下旬から10月中旬にかけて、トンボはメキシコ湾やアメリカ南東部へと移動します」と説明している。
今回ほどのトンボの大群が再びビーチを通過していく可能性は低いそうだが、仮にトンボが再来しても、過剰に反応するべきではないとニコルさんは指摘する。
「トンボは人間を狙っているわけではないですし、私たちにとって厄介な蚊などの昆虫をエサとします。トンボは刺したりできませんし、放っておくのが一番です。」
トンボの大群は数分でいなくなったが、ビーチにいた人々の約半数はトンボが去ったあとでビーチを後にしたそうだ。
辺り一帯がトンボだらけとなった映像が多数のメディアに公開されると、「これは怖い」「蚊たちにとってはとんでもないね」「ただのトンボじゃないか。ここまでオーバーリアクションしなくてもいいのに」「トンボは危険な昆虫ではないよ」「この後、蚊を1匹も見なくなるかもね」などと様々な声があがった。
ちなみに2021年2月には豪シドニーのビーチで、“電気クラゲ”とも呼ばれる危険な「カツオノエボシ」が大量に打ち寄せられた写真が話題を呼び、「こんな数は見たことがない」といった驚きの声が寄せられていた。
画像は『FOX Weather 「Watch: Dragonflies swarm Rhode Island beach」(Michael Grover/Facebook)』『New York Post 「Supersize swarm of dragonflies overwhelms Rhode Island beach in creepy clip」(Facebook/Stephanie Martin)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)