若きトム・クルーズ「どうすれば一発屋で終わらずに済みますか」と名優マイケル・ケインに相談
『ミッション:インポッシブル』『トップガン』シリーズなど、60歳を過ぎてなおますます活躍を続けているハリウッドのトップスター、トム・クルーズ。かつて若かりし頃、イギリスの名優マイケル・ケインにひとつの助言を仰いだことがあったという。
70年以上のキャリアを誇るケインは、『探偵スルース』(1972)や『ハンナとその姉妹』(1986)『サイダーハウス・ルール』(1999)といった名作をはじめ、『ダークナイト』3部作などの監督作品など数々の映画に出演。日本公開中の主演映画『2度目のはなればなれ』(2023)を最後に俳優業を引退した。
新たな回顧録『Don’t Look Back, You’ll Trip Over: My Guide to Life(原題)』の刊行にあたり、ケインは英The Timesのインタビューにて、トムとの初対面を明かしている。昨年(2023年)開かれたケインの90歳の誕生日パーティーに、妻・シャキーラさんのはからいでサプライズ登場したトム。「とても感動しました、トムとは40年以上の知り合いなんです」とケインは振り返っている。
「あれは『リタと大学教授』(1983)の大きなイベントをやっていたとき。振り返ると若い役者がいて、とても丁寧に質問をしてくれたんです。“どうすれば、ただの一発屋で終わらずに済むんでしょうか”と。それがトムで、たしか『卒業白書』(1983)の頃でした。私がどう答えたかは覚えていませんが、悪影響がなかったことは明らかですよね! 彼には特別なものがあり、落ち着いていて、素晴らしい態度でした。」
『卒業白書』といえば、トムの演技がはじめて注目され、ゴールデングローブ賞の主演男優賞にもノミネートされた作品。おそらく当時、トムはキャリアをどのように展開してゆくかを悩んでいたのだろう。もっともその後、トムは『トップガン』(1986)や『レインマン』(1988)『7月4日に生まれて』(1989)など代表作の数々に恵まれ、ハリウッドにて確固たる地位を築いてゆく。
現在、ケインはトムを「映画界最後の本物のスターのひとり」だと称えている。「彼が出演しているというだけで、人は映画を観に行きますよね。ブラッド・ピットはスターだし、モーガン・フリーマンにもその資質はあります。今となっては、ジョン・ウェインやハンフリー・ボガート、ケーリー・グラントのような人はほとんどいなくなりました」。
ちなみに2人はスクリーンで直接共演したことはないものの、ケインがメインキャストとして出演した『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(2002)にはトムがカメオ登場していた。本格的な演技対決が実現しなかったことが惜しまれる。
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