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新入社員研修の費用をムダにしない!効果を高めて今すぐできる対策まとめ

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新入社員研修イメージ

「新入社員がなかなか育たない」「離職率が高く育成コストばかりかかる」このような問題に悩む企業も少なくないでしょう。新入社員研修は、企業の成長と社員の定着に必要不可欠な投資ですが、時間とお金をかけた割に、期待通りの成果につながりにくいのも事実です。

しかし、研修内容の見直しやコスト管理の最適化によって、社員研修の効果は高められます。本記事では、研修のポイントからコスト管理、フォローアップまでを具体的に解説します。企業全体の生産性を高め、人材が持続的に活躍できる環境を整えましょう。

新入社員研修の目的と重要性

新入社員研修は、早期に職場で活躍できるための基礎力を養うことが目的です。

社員研修では、以下の項目に沿って行われることが多いでしょう。

企業理念の浸透

事業内容や技術の理解

社内人脈の形成

学生から社会人への意識変革

企業の考え方や行動の指針となる企業理念が浸透すると、業務で判断に迷う場合も企業理念に沿った行動を行えます。また、事業内容が理解できると、必要な知識やスキルの早期習得も可能です。

さらに、同期社員とのつながりや、先輩、上司との関係を築く機会になるだけでなく、学生から社会人への意識を変えやすくなるでしょう。なお、最近では情報漏洩などのトラブルも多く、研修を通じてリスクの重要性を教育することも重要な要素の1つです。

早期戦力化と定着率向上のための研修

早期戦力化と定着率の向上を目指すためには、業務に必要なスキルを実践型のプログラムで身に付けられるような研修を取り入れると効果的でしょう。ケーススタディやロールプレイを行い、自社のサービスを扱う場面を想定したトレーニングを取り入れることで、座学だけでは分からなかった実務の流れを体感できるからです。

新入社員は自身の役割をイメージしやすく、実務でもスピード感をもった対応が期待できます。また、成長意欲を実感しやすい環境があれば、企業への愛着が増すだけでなく、同じ考えをもった仲間が増えることで仲間意識が高まるため、離職率の低減にもつながるでしょう。

研修後も長期的な視点でフォローアップの機会を設けると、現場での課題やモチベーションの変化を定期的に共有できるため、さらなる定着率の向上が期待できます。

座学研修とOJTの違いと役割

新入社員研修には、座学研修とOJT(On-the-Job Training)の、2つの方法があります。座学研修では、ビジネスマナーや企業理念、業界知識などが学べる場です。主に、会議室や研修施設などを利用して集中的に行うため、基本的な知識やマインドセットを短期間で習得できるメリットがあります。

一方、OJTは座学で学んだ知識を実際の現場に出て、先輩社員から直接指導を受ける方法です。実際の業務や社内ツールの使い方などを、実務ならではのノウハウを学べる機会があるため、問題解決能力や応用力が養えます。

ただし、OJTの場合は指導する担当者の指導法にばらつきがあるため、まずは座学研修で基礎を固めておくことが重要です。両方を組み合わせることで、知識と経験をバランスよく身に付けられ、結果として早期の戦力化が期待できるでしょう。

新入社員研修の費用とコスト管理

企業にとって、新入社員研修のコスト管理は重要なポイントです。例えば、講師料や会場費、教材費の他にも、オンライン研修の場合はシステム利用料などがかかります。費用を抑えるために自社内で進める内製型の研修もありますが、担当者にかかる負担の大きさやノウハウが限定的であるなど注意が必要です。

一方、外部へ依頼すると、内製型よりも割高になる傾向にありますが、プログラムがパッケージ化されていることによって短期間で受講できるメリットもあります。そのため、コストや研修内容を比較し、予算内で最も効果的な方法を選ぶことが重要です。

研修費用の相場と企業規模別の違い

研修費用の相場は、参加人数や研修の日数にもよりますが、数時間の基本的なビジネススキルの研修で1人あたり3〜10万円程度です。

費用の内訳を見てみましょう。

1.講師への依頼形態

個人事業主:半日6~20万円、法人:半日10~15万円

2.会場規模

小規模:1.5~5万円、大規模:12~80万円

3.その他

備品レンタル、食事・宿泊費など別途必要

なお、eラーニングを導入する場合、初期費用の10〜30万円に加え、月額費用として利用人数に応じた費用がさらに発生します。新入社員研修の費用は原則として会社が負担しますが、研修内容によっては一部自己負担となる場合もあるため、新入社員には事前に伝えておきましょう。

助成金・補助金を活用してコストを抑える方法

研修費用を削減する方法として効果的なのが「助成金・補助金」の活用です。例えば、厚生労働省による人材開発支援助成金は6つの選択肢があります。

人材育成支援コース

教育訓練休暇等付与コース

人への投資促進コース

事業展開等リスキリング支援コース

建設労働者認定訓練コース

建設労働者技能実習コース

障害者職業能力開発コース

人材育成支援コースでは、10時間以上の訓練、OJTとOFF-JTを計画的に実施すると支給されるため、新入社員研修の一部を補助金でカバーできます。他にも、キャリアアップ助成金などの制度をうまく組み合わせることで、企業の人材育成とコスト削減を同時に実現することも可能です。

ただし、助成金の申請手続きには期限や煩雑な手続きも多いため、事前に要件を十分調べておきましょう。

OJTの投資対効果を最大化するポイント

OJTの実践は、座学では得られない実践的なスキルを習得できる重要な研修方法の1つです。座学に比べてメリットもある半面「教え方が標準化できない」「社内の研修トレーナーへの負担が大きい」といった課題もあります。

そのため、評価シートや進捗表の活用による学習状況の把握、業務手順の明確化など、ポイントを押さえることで投資に見合った効果も期待できるでしょう。

OJTのメリット・デメリット

OJTは、新入社員が座学だけでは分かりにくい現場の状況や、実際の業務の流れなどを体験できる効率的な研修方法です。

OJT研修を取り入れると、以下のようなメリットが期待できます。

新入社員の早期戦力化が図れる

社員の不安を解消できる

人間関係の構築ができる

指導者が付くと、実際の業務をこなしながら即座にフィードバックを受けられるため、早期の戦力化も期待できます。仕事を通じて人間関係の構築も図れるなど、非常に多くのメリットが見込まれるでしょう。

一方、トレーナーとなる先輩社員への負荷が増すことや、指導の質が属人的になりやすいデメリットもあります。

また、現場では実務しながら学ぶことが多いため、学ぶ範囲や順番を明確にしておかなければ、研修目的やゴールがあいまいになりかねません。OJTを導入する際は指導マニュアルや目標管理シートを整備し、トレーナーの指導力強化がポイントとなることを理解しておきましょう。

効果的なOJTの進め方と成功事例

OJTを効果的に進めるためには、4段階職業指導法に沿って進めることが推奨されています。4段階職業指導法とは「Show(実演)」「Tell(解説・説明)」「Do(実践)」「Check(評価)」を実践する、以下のような指導法です。
  

4段階職業指導法とは

1.Show(実践)

「Show」は、上司や先輩社員が実際の業務の手順や方法を示します。初めて業務を行う場合、具体的な手順や注意点が分からないため、まずは見本としてやってみることで理解を深めることが大切です。

2.Tell(解説・説明)

「Tell」では、業務の手順や方法を、より詳しく説明します。「Show」で理解した流れについて、さらに具体的な説明を用いることで、実践に必要な知識が体系的に習得できるため、非常に重要な要素です。

3.Do(実践)

「Do」では、実際に業務を行わせてみましょう。ある程度、理解が深まった段階で業務を行わせることで、実践で必要な知識やノウハウを習得させやすくなります。

4.Check(評価)

最後は「Check」です。これまでの習熟度や、業務遂行の状況を評価し、場合によっては指導を行います。

このサイクルに沿って指導することで、より効率的なOJTが可能となるでしょう。
 

他社の成功事例

様々な企業が人材育成のためにOJTを取り入れていますが、いくつかの企業の成功事例をご紹介します。

1.中外製薬株式会社

最初の共同研修後、CLOVER研修制度によって新入社員が各部署をローテーションで経験できます。
CLOVER研修とは、配属前に業務の全体像や業務の流れが経験できる制度で、臨床開発におけるさまざまな部署を経験できる点が特徴です。
また、自己啓発プログラムであるSIP(Self Innovation Program)の利用や英語・中国語・韓国語のレッスンなども受けられます。

2.大和ハウス工業株式会社

OJTエルダー制度を導入し、新入社員一人ひとりを任命します。
OJTエルダーとは、新入社員の状況を把握し、部門内外の先輩社員と連携することで、実務だけでなく人間力の成長も期待できる内容です。また、入社1〜3年目の若年社員は、2週間に一度ミーティングにより相互理解を深めています。

このように、他社事例を見てもOJTは単なる業務指導だけでなく、企業理念の浸透や人間力の育成につながることが理解できるでしょう。

研修後のフォローと長期的な成長支援

新入社員研修は、入社時の即戦力化のためだけではなく、その後の長期的な成長を支えるものでなければなりません。そのため、定期的なフォローと追加教育によって、新入社員のモチベーションの維持や能力向上に不可欠と言えます。

そこで、研修後のフォローアップ研修を設けることで、現在の課題を共有したり、成功体験を持ち寄ったりする機会を定期的に行うことが望ましいでしょう。

フォローアップ研修の重要性

フォローアップ研修では、研修の終了後に一定期間をおいてから再度メンバーが集まって行う研修です。入社から3か月や半年などのタイミングで実践することで、同期同士での成功体験や失敗談が共有できるため、自身の業務に活かすこともできます。

フォローアップ研修を行うメリットは以下の通りです。

自分の課題を知る

悩みや不安を解消する

モチベーションの向上になる

新入社員へのメリットもありますが、企業にとっても人材の定着率の向上や、戦力化のスピードを速めるためにも有効です。フォローアップ研修であらためてビジネスマナーや基本スキルを振り返ることで、入社直後では見えなかった課題に気づき、改善にもつながりやすくなるでしょう。

研修効果の評価方法と継続的な改善

研修の効果を客観的に把握し、継続的な改善を行うことで、さらなる向上が期待できます。中でも「カークパトリックの4段階評価モデル」が効果的です。カークパトリックモデルは、反応、学習、行動、結果の4つに分類し、それぞれの基準に沿って評価を行う方法です。

まず、受講者の反応を測定し、次に研修内容の理解度を確かめます。さらに、実務での行動変化が起きたかどうかを確認し、最終的には企業業績や生産性の向上につながったかを検証する流れです。

各項目を定期的に分析し、不足している点があれば、追加の研修や指導体制を強化することで、研修内容を改善できます。

まとめ

新入社員研修は、社会人としての基礎を固めるとともに早期の戦力化、定着率の向上まで多岐にわたる効果をもたらします。座学研修によるマナーや企業理念への理解に加え、OJTによる実務経験を両輪で進めることが重要です。

また、フォローアップ研修を通じて定期的に課題と目標を確認する仕組みを整えることで、さらに新入社員の成長は加速します。ただし、研修にかかる費用は規模や内容によっては高額であるため、助成金や補助金を活用することで、コスト管理も重要です。

これら一連のプロセスを意識し、企業にあった適切な新入社員研修を取り入れていきましょう。

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