国内で36年ぶり世界ウェルター級王座挑戦の佐々木尽に重圧?真っ暗な部屋で「寝れない」
無敗王者ノーマン・ジュニアに挑戦、19日ゴング
39年ぶりに国内で行われるプロボクシングの世界ウェルター級タイトルマッチが迫ってきた。
WBO2位にランクされる佐々木尽(23=八王子中屋)が19日、東京・大田区総合体育館でWBO王者ブライアン・ノーマン・ジュニア(24=アメリカ)に挑戦。勝てば日本初の世界ウェルター級王者誕生となる注目の大一番だ。
重量級の層が薄い日本ではリミット160ポンド(72.5キロ)のミドル級が事実上の最重量級。105ポンド(47.6キロ)のミニマム級からミドル級までの13階級のうち、唯一世界王者が誕生していないのが、147ポンド(66.6キロ)のウェルター級だ。
日本では重い部類だが、世界的に見ればスピードとパワーを兼ね備えたハイレベルなボクサーの多い中量級。ボクシングの本場アメリカ・ラスベガスでビッグファイトが行われることも多く、日本人にとっては世界挑戦すら難しい。
実際、日本人が世界ウェルター級王座に挑むのは、2009年10月にウクライナで敗れた佐々木基樹(帝拳)以来16年ぶり。国内では、東京・後楽園ホールで尾崎富士雄(帝拳)がマーク・ブリーランド(アメリカ)に4回TKO負けした1989年以来36年ぶりなのだ。
世界ウェルター級王者が日本のリングに上がるだけでも価値がある。そのベルトを虎視眈々と狙うハードパンチャー・佐々木への期待は日増しに高まっている。
「試合のことを考えたら寝れなくなる」
自身のYouTubeチャンネル「佐々木尽WORLD」では試合が迫ってきた心境を吐露。真っ暗な部屋でベッドに横たわりながら撮影し、「今回の試合への思いが強すぎて、試合のことを考えたら寝れなくなるんです。倒し方のイメージとかするとアドレナリンが出て寝れなくなっちゃうんですよね」と明かしている。
王者は試合2週間前の5日に来日。公開練習ではスピード満点のシャドー、パワフルなミット打ち、華麗なフットワークなど世界トップレベルの技巧を披露している。27勝(21KO)2無効試合の戦績が示す通り、無敗の実力は本物だ。
下馬評では佐々木の不利は否めない。それでもなお、一撃必殺の左フックが当たればひょっとして…と思わせるパワーが挑戦者の魅力。YouTube動画に投稿されたコメントは100件を超えており、熱く真っすぐな男の“奇跡”を期待するファンは多い。
眠れない夜の先に待つのは、日本ボクシング史を塗り替える栄光か、世界の壁を痛感する挫折か。勝つにせよ、負けるにせよ、KOは必至。無敗の世界ウェルター級王者が大の字に倒れる「世紀の大番狂わせ」を見てみたい。
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記事:SPAIA編集部