安田菜津紀「福島。沖縄、パレスチナの共通点」
どの国家にも中央とその周辺の地域には深い溝がある。6月10日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、福島、沖縄、パレスチナなどで不条理を向き合う人たちに迫った本「遺骨と祈り」を書いたフォトジャーナリストの安田菜津紀にこの問題について聞いた。
大竹「福島、沖縄、パレスチナ、この3つに安田さんは共通点を見出したそうですね」
安田「人々との出会いから、それぞれの土地の取材が始まっていくんですけど、歴史的な成り立ちの異なるそれぞれの場所ですから、同一視することはできませんけど中央が周縁と権力勾配をつくる、そういう構図で世界を捉えた時に中央が必要としながらも自分たちのそばに置いておきたくないものを周縁に押し付けてきたという暴力性があると思うんですよね。沖縄であれば米軍基地の集中、福島であれば歴史的に見てもずっとエネルギーの供給源としての役割を担わせてきました。原発もその1つだと思います。そうした歴史的背景、特に戦争も含めて、それを正面から振り返ることができない社会だったり、国が現代に起きている不条理だったり、戦争を止める力を持ち得るだろうかということでパレスチナに対する向き合い方も見えてくるのかなと思うんですね」