世界の自炊料理特集:トルコ風スクランブルエッグ「メネメン」
ゲストは、自炊料理家の山口祐加さん!
自炊料理家とは?
▼「料理家」「料理研究家」って正解を教えてくれる人というイメージがありませんか?
私には私なりの正解がありますが、それは万人にとっての正解ではありませんよね。一人一人の正解を大切にしたいと思うのと、友達みたいな距離感で料理を教える人、雑誌でいうところの“読者モデル”のような立ち位置の人になりたいと思って、「自炊料理家」と名乗ることにしました。料理初心者や苦手意識を持つ人へ向けて、もっと自炊の楽しさを知ってほしいと「自炊レッスン」を開催しています。
去年、世界の“自炊料理”を取材して歩いた山口さん
▼料理のレッスンをしているときに、「献立作りが苦痛」「いつも同じ料理ばかりでマンネリに」「スーパーで途方にくれる」などの悩みをよく耳にしたんです。悩める人々の声を聞くたびに私は「こういうことに悩むのは日本特有なのでは?」「というか世界の人たちは日々の自炊についてこんなに悩んでいるのだろうか?」と疑問が湧き出てきました。それで、夫に一言だけつげて、12カ国の旅に出ました。
取材した結果どうでしたか?
▼世界の自炊の姿は、想像のはるか上をいく面白さと適当さが広がっていました。
「それもありなの⁉」と驚かされる発見や工夫が、ゴロゴロ転がっていて、私自身の自炊観も変化しました。
▼みなさん、その国の名物料理は食べたことあるかもしれません。
ただ旅行してレストランや食堂に行くだけでは味わえない“現地の方の、自炊料理”を旅してきました。
今回は、そんな山口さんの自炊取材の旅で身につけたレシピとエピソードを教えていただきました!
トルコ風スクランブルエッグ!メネメン!~冷蔵庫の残り物で作れる万能料理
▼トルコで出会ったボラさんに教えてもらった料理です。
トルコ料理といえば、「世界三大料理」のひとつ。そんなトルコでよく作られるスクランブルエッグです。
▼ボラさんは本当に料理上手で、さまざまなおいしい料理を作ってれました。
トルコの自炊事情は?
▼昔は家族が一緒で料理をする文化があったのが、最近は一人暮らしの人が増えて、家庭料理が作られることは減っているそうです。
・そんなボラさんに習った「メネメン」作ってきました。
・メネメンとはトルコの伝統的な料理で、いわゆるスクランブルエッグです。
スー・小笠原「優しい味。トルコで筋肉つきそうな力強い料理というわけではなく、日本でいうほうれん草のおひたしや金平ごぼう級の普通の料理という感じ」
【作り方】
▼材料
・トマト1個
・ピーマン 1個
・玉ねぎ 4分の1個
・卵 2個
・バター 5グラム
・塩コショウ 適量
▼作り方です。
・具材はすべて1センチ角に切ります。フライパンにバターを入れ、みじん切りした玉ねぎを中火で3分炒めます。
・トマトとピーマンを加え、火が通るまでさらに3分ほど炒めます。ボウルに卵をときほぐしておきます。
・野菜に塩ひとつまみを加えて混ぜ、卵液を流し入れます。全体を混ぜながら半熟状に仕上げます。
・仕上げに塩コショウで味を整えて完成。
ベトナムのヴァンさん直伝!豚肉と海老のスープの素!~万能調味料の秘密
▼ベトナムで出会ったヴァンさんが、使っていたもので、たくさん作って冷凍して、食べる直前にお湯に入れてスープを作っているんです。自炊を楽にする工夫ですよね。
・ベトナム中部、世界遺産の町・ホイアンに住んでいて、家族9人で暮らしています。
・私たちが知っているベトナム料理は自炊では出てきませんでした!
・そんなヴァンさんに習った「スープ」作ってきました。
スー・小笠原「味が優しい。やはり家庭料理は塩分も控えめだし、油もそんなに入れない。どの家庭でも日常的に食べるものはこういう優しい味」
【作り方】
▼材料
・豚ひき肉 150グラム
・むきえび 150グラム
・にんにく 2かけ
・塩 小さじ1
・こしょう 適量
▼作り方です。
・にんにくとむきえびをみじん切りにします。
・フライパンで豚ひき肉とにんにくを炒め、3分ほど経って肉に半分ほど火が通ったら、塩とこしょうをふります。
・これで“スープの素”は完成。
・この状態で冷蔵庫や冷凍庫で保存すれば“スープの素”として使えます。
▼実際に食べる時は・・・
・スープの素 70グラム、水400ml、食べやすいサイズに切った具材を加え、火にかけます。今回は具材として大根をご用意しました。
・最後にナンプラー、こしょうを加え、お好みでネギやパクチーを散らして仕上げます。
■山口さんからお知らせ
「世界自炊紀行」という本が販売中です!去年、全世界12か国、38家庭を取材しました。それぞれ各国から2つの家庭を厳選し、合計24組の自炊事情を12種の自炊レシピと共に紹介しています。今回紹介したような特別レシピも掲載しています!晶文社から税込2,750円で販売中です。料理のポッドキャスト「聞くだけでごはんができるラジオ」を配信中。ぜひ聞いてください!
■山口祐加さん
・1992年生まれ、東京都出身。
・共働きで多忙な母に代わって、7歳の頃から料理に親しまれます。
・出版社、食のPR会社を経てフリーランスになると、料理初心者に向けた対面の「自炊レッスン」や、執筆業などを通じて、自炊する人を増やすために幅広く活躍されています。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)