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48歳妻が1年以上“仮面夫婦”でいるワケ。結婚22年目「もっと若い頃に離婚していれば」と後悔する夏

コクハク

結婚22年目で離婚を決断(写真:iStock)

 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。

 ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。

 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。

48歳、離婚を成立させたいけれど

【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】

 菜々子さん(仮名)は、3歳年上の夫・ダイスケさん(仮名)と結婚22年目。夫婦ともに離婚に同意しているものの、仮面夫婦生活が続いている48歳です。

 すでに子どもは自立していて、都内の一戸建てに夫婦で暮らしています。

 早く離婚を成立させたいと思いながらも時間ばかりが過ぎていく現状に焦りを抱いている菜々子さん。その理由は“お金の不安”ではないと話します。

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1年以上「仮面夫婦」

「明日こそ」とは思うけれど(写真:iStock)

「離婚に夫婦で合意をしたのは、もう半年くらい前。離婚の話し合い自体はそのもっと前からだから…、今から1年ちょっと前から夫とは完全な仮面夫婦ですね。

 とっとと離婚を成立させたい! という気持ちはあるんですけどね、いざ離婚のアレコレに着手しようと思うと、作業をする気力も体力もなくて。

 ほら、この年齢での離婚って財産分与とかいろいろ面倒だし、私が今の家を出ていく形で合意しているので、転居先もどうにかしないとだし…」

 夫から「まだ出て行かないの?」と静かにイヤミを言われるたび、「明日こそ」と心に決めるものの、実際に翌日になると面倒くさくなり、結果ダラダラ過ごしてしまう日々を繰り返しています。

 

ダラダラと時間を無駄にしている

お金ももったいないし(写真:iStock)

「弁護士に依頼すればいいとはわかっているんですけど、今さら弁護士を入れるのは費用面でもったいないかな? なんて考えちゃうんですよね。

 財産分与は夫との話し合いで“きっちり二等分”って文書を作ってお互いにサインをしたので、預貯金とか投資の分とかを洗い出してシンプルに二等分すればいいだけなんですけど、それも面倒くさくて…。

 しかも転居先を決めないとなんですけど、賃貸契約をする前に、家を見に行かないといけないじゃないですか?

 こう毎日暑いと、それもまた億劫で…。夏になってからは、一度も不動産屋にも行っていないんです」

 奈々子さんは、早く離婚を成立させたいのに、ダラダラと時間を無駄にしている自分に自己嫌悪を繰り返しているそう。

もっと若ければ…

(写真:iStock)

「私ね、更年期のせいだと思っているんですよ。 もっと若ければさっさと着手してサクサク進められたはず。

 今は起きてしばらくすると、すぐ体が重いしダルいし。集中力も続かない。離婚に合意してから、もう夫のご飯も作っていないし、食事も別々。洗濯も基本は別。

 たまに私の気が向くと夫の分も一緒に洗っていますけど。だから家事の負担が減って、すごく楽です。

 でも、こんな状態で一緒に住んでいても、お互いにストレスですからね。早く動かないといけないのに、体がついてこないんです。

 まぁ、夫から激しく文句を言われるわけではないし、私が家にいるうちは毎月の生活費をこれまで通りに渡すっていう取り決めなので、助かっていますが…。

『別れましょう』『そうしましょう』で、離婚届を出せばいいだけじゃないから、この年齢での離婚は本当に大変。ああ、もっと若い頃に離婚していればよかった…」

  ◇  ◇  ◇

 夫は外泊する日もありますが、相手の行動を詮索する気にもならず、その生活ぶりはよくわからないと話す菜々子さん。

 菜々子さんは早く離婚を成立させたい思いと手続きの煩わしさとのはざまで、毎日モヤモヤしながら過ごしています。

(並木まき/ライター・エディター)

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