【ええ…】2カ月ぶりに会った父(78歳)が熱烈な大谷翔平ファンになっててドン引きした話
アメリカ大リーグのワールドシリーズは、ロサンゼルス・ドジャースが連覇を果たし、ドラマティックに幕を閉じた。大谷翔平選手や山本由伸選手の活躍に勇気づけられた人も多いことだろう。
ぶっちゃけた話、私(サンジュン)自身は「へぇ~、すごいね」くらいの感想しか持ち合わせていないのだが、ドジャースの連覇に熱い涙を禁じ得ない男がいた。我が父、ヨシオさん(78歳)である──。
・無縁
どこから話せばいいか迷うが、私が幼い頃からずっとヨシオさんは野球に全く興味がない人であった。猛烈な “アンチ巨人” ではあったものの、野球及びにプロ野球に関しては少しの興味も示さない男だったのである。
例えばこんなことがあった。あれはまだ東京ドームが後楽園球場だったときのこと。どこから手に入れて来たのか、父が小学2年生だった私を後楽園球場で開催された「巨人 vs ヤクルト」を観に連れて行ってくれたのだ。
父の影響で野球に興味がなく、試合についてはサッパリわからなかったが「3回裏で帰った」という事実はハッキリと記憶している。後に「野球なんてつまらないじゃない」と話していたが、それほどヨシオさんは野球と無縁な男なのである。
・むしろ野球嫌い
その後、私が高校生になり地元「千葉ロッテマリーンズ」の大ファンになってからも、ヨシオさんに野球熱は少しも芽生えなかった。私が家でロッテの試合を観まくっていたにも関わらず、だ。
母や妹は少なからず私の影響を受け、野球及びにロッテが好きになっていたが、父は「下投げのこいつ(渡辺俊介)が投げてるといつも負けてるな」と憎まれ口を叩き、日曜日などは「ゴルフを見せろ」と熾烈なチャンネル争いが繰り広げられていた。
・え?
その父とつい先日、伊豆に旅行に行ったときのこと。奇しくもその日はドジャースが連覇をかけてブルージェイズとワールドシリーズの真っ最中。何やら父が妙にソワソワしているではないか。
聞くと父は「ドジャースはどうなってるんだ?」と言うが……ハ? ネットに疎い父は、スマホで試合経過がチェックできないらしいが、アレ? ヨシオさん、野球好きだったっけ? なんなら嫌いじゃなかったっけ?
ところがどっこい、父の口からは大谷翔平選手や山本由伸選手らへの賞賛が止まらない。「本当に大谷はすごいよ」「山本も素晴らしいピッチャーだな」等々、口を開けばドジャースの話題になっているのだ。
父と最後に会ったのは2カ月前。あの時は少しも野球熱を感じなかったが、どうやらその間テレビで繰り返されたドジャースの報道を見続けた結果、大の大谷翔平ファン、及びにドジャースファンになってしまったらしい。そ、そうなのか……。
・ドン引き
中でも私がドン引きしたのは、この一言だ。ご承知の通り、ワールドシリーズでは常識破りの登板を見せた山本由伸選手。その山本由伸選手の話題になると……
父「山本を見てると涙が出てくるよ……!」
えええええぇぇぇえええッッ?
野球脳が低い父が山本選手の登板がどれだけ無茶なのかわかってはないハズ。プロ野球を見続けて30年の私からすれば「常軌を逸している」と言ってもいい。なのに父は「涙が出てくる」と言って憚らないのだ。普通にドン引きである。
・でもありがたい
とはいえ、大谷翔平選手や山本由伸選手には、父の息子として感謝の気持ちしか持ち合わせていない。父は基本的に無趣味である。その父がドジャースから活力を得ているのならば、息子として頭が下がる想いだ。
なぜ私がロッテにハマったとき、少しでも歩み寄ってくれなかったのか? マリンスタジアムで父が好きな酒を一緒に飲むことも出来たのかもしれなかったのに。ヨシオさん、あなたは本当に変わっている。
いずれにせよ、野球と無縁だった78歳の父は「涙が出るほど」ドジャースに感動しているらしい。ありがとう、大谷選手。ありがとう、山本選手。ヨシオさん、チャンスがあれば1回マリンスタジアムにロッテを観に行こうな。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.