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「茶芯」の源流、それは「レッドウィング」。茶芯にブーツ好きが熱狂する理由とは?

Dig-it[ディグ・イット]

ブラックに染めた革の下から、茶色い素地が“浮き出る”通称「茶芯」と呼ばれるこの現象が、なぜここまでブーツ好きを熱狂させるのか。今回は、アメカジ巧者のひとり、「レッドウィング・シューストア」青山店ストアマネージャー・石井琢也さんに履き込むほどに表情を変える茶芯の奥深さを語っていただいた。

1980年代から1990年代の限られたモデルに見られたのが「茶芯」。

「レッドウィング・シューストア」青山店ストアマネージャー・石井琢也さん|東京・下北沢出身の38才。同社には9年前に入社し、前職時代から数えると20年以上販売職をしている接客のプロ。最近の休日は子供と一緒に出かけることが1番の楽しみ。

アメカジを志すものであれば一度は聞いたことのある用語「茶芯」。現代であれば一般的な言葉として認識されているが、いつ、どのようにして「茶芯」が生まれたのか。その背景には、「レッドウィング」の歴史が深く関わっているのだという。

現在、レッドウィング青山店のストアマネージャーであり、ブランドの一ファンでもある石井さんにその理由を伺った。

「厳密にいうと1980年代から1990年代の短い期間の中で、限られたモデルの中でも一部にだけ見られたものが俗にいう『茶芯』です。モデルでいうと[2268(PT83・PT91)]や[8179]で多く見られたそうです。その当時はブーツが流行しブラックレザーの需要が高く、アメリカ生産を貫く同社は生産効率を上げるためブラウンレザーと同じ茶色のクラストを使用、同モデルとして販売。

その結果、その靴を購入した人たちからこれまでの色の落ち方、エイジングの具合が違うという問い合わせがあったといいます。その時は、個体差があることであまり良しとされてはいなかったのですが、黒から茶色にエイジングする独特な革に魅せられる人が続出、その結果『茶芯』という言葉が生まれ定着していきました」。

現在、古靴市場で高い人気を誇り、コレクターがわざわざ捜し求めることも珍しくない「茶芯」。特別な魅力を放ち、いまなお多くの愛好家を魅了し続けている。

1999年製デッドストックの[2268]。その中でも「PT 91」と呼ばれているエンジニアブーツだ。この年代の「レッドウィング」こそ「茶芯」という言葉が生まれるきっかけの1足なっている
2012年、[9874]が復刻したと知り即購入。「いろいろと上手くいっていないタイミングでの復刻のニュースは当時の自分にとってはとても嬉しい出来事でした」。石井さんの持つ茶芯のブーツで1番思い入れのある1足がこのブーツなのだという

履き込むごとに増すスタイリッシュさと無骨さ。お気に入りの一足は「ベックマン・フラットボックス」。

6万1270円(レッドウイング・ジャパン TEL03-5791-3280)

「茶芯に初めて出会ったのは高校1年生の頃。その当時は茶芯という言葉も無く、そのブーツが茶芯であることも全く分からずに、原宿のキャットストリートで中古を買いました。『レッドウィング』の[8179]と[8173]でしたね」。

レッドウィングに勤め9年になるという石井さん。40足以上所有しているという『レッドウィング』からお気に入りの1足を紹介してもらった。

「7年ほど愛用している[ベックマン・フラットボックス]です。このブーツの良さはトゥにありますね。一般的なブーツは先芯が入っているのですが、このブーツには入っていません。履き込むうちに潰れるつま先が格好いいんです。スタイリッシュでブーツらしからぬスマートさが堪りませんよね。大のお気に入りの1足です」

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