《リアル我が家の事情》教育費と住宅ローンが重い……。家計を立て直すには?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルなお金の悩みに、ファイナンシャルプランナーが分かりやすくお答えします。【30代 男性】
【相談内容】子どもの教育費がかさみ、住宅ローンが重い。家計を立て直すには?
「子どもが成長するにつれて教育費がかかるようになり、最近では家計が毎月赤字です。住宅ローンの繰り上げ返済も考えていますが、教育費や将来の学費も不安です。貯金もあまりできていません。家計をどう見直すべきでしょうか?」
プロフィール
38歳男性、会社員(メーカー営業、年収550万円)
家族構成:妻(専業主婦)、子ども2人(小学生、未就学児)
地方在住
月の手取り収入約35万円に対し、支出約36万円で毎月1万円の赤字
・住宅ローン:月10万円(残債2,800万円・あと30年)
・保険料:月2.5万円(医療・学資・生命保険)
・教育費:月3万円(習い事含む)
・貯金:現金で約70万円、学資保険120万円
支出の見直しを優先して!赤字家計が最初に行うべきこと
現在、毎月1万円の赤字家計とのこと。
まず優先すべきは、支出内容を細かくチェックして無駄がないかを確認することです。
特に、保険料2.5万円が家計を圧迫している可能性大。
1世帯あたりの年間払込保険料(個人年金保険の保険料を含む)は、平均35.3万円*。
相談者さんの家計は平均よりも少し低めですが、支払い可能な保険に切り替えることが大切ですよ。
例えば、貯蓄型ではなく掛け捨て型の定期保険にすれば、1人当たり月数千円、2人合わせても1万円程度で済みます。
*……参考:生命保険文化センター「2024年度生命保険に関する全国実態調査|二人以上の世帯調査」(p.40)
また、月3万円の教育費もなかなか高額。
成長段階にもよりますが、一般的な教育費の目安は手取り月収の5〜15%。
お2人とも小学生以下ですが、月収の8.5%を占めています。
習い事は将来につながりそうなものにしぼるなど、整理しましょう。
住宅ローンの繰り上げ返済は慎重に
住宅ローンの繰り上げ返済は、あまりおすすめできません。
貯蓄額が現金で70万円と非常に少なく、お子さまの進学や家族の万一に備えてまとまった現金を確保する必要があるためです。
住宅ローンの毎月の返済額は10万円とのこと。
年収550万円の理想的な返済額11.5万円*に収まっていますので、妥当なラインと言えますよ。
*……年収550万円×年収負担率25%÷12か月=約11.5万円
現在、住宅ローンの金利が少しずつ上がっており返済不安があるかと思いますが、大幅な上昇はまだ見られないので焦る必要はありません。
住宅ローンの繰り上げ返済が難しい分、収入を増やす方法を考えてみましょう。
例えば、副業をする、奥さまにもパートで働いてもらうなど、夫婦で収入を増やすのがおすすめ。
月数万円でも収入があれば、赤字は大きく改善します。
支出の見直しと合わせて行えば、お子さまの教育資金を用意しやすくなるはずですよ。
教育資金を準備するために今できることは?
子ども1人あたりの教育費はすべて公立の場合で、小学校202万円、中学校163万円、高校179万円*、大学243万円*。
*……参考:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(p.1)
*……参考:文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
一番大きな出費が見込まれる大学では、2人合わせて500万円程度かかります。
現在、学資保険が120万円ありますが、昨今、物価上昇率が2%を超えているため物価高に追いつかず足りなくなる可能性があります。
おすすめは、児童手当をNISAのつみたて投資枠で運用すること。
運用益が非課税となりますので、引き出す際に課税される学資保険よりも資産運用しやすいです。
まとめ
・保険料と教育費の見直しを優先的に行う。
・貯蓄額が少ないため、繰り上げ返済は行わない方がよい。
・教育資金を貯めるために、児童手当をNISAのつみたて投資枠で運用する。
※この記事で扱うテーマは、マネー相談に寄せられる一般的なお悩みに、AIと編集者が一部編集を加えたものです。相談への回答および解説はすべてFP資格を持ったライターが対応して執筆しています。
◆綾瀬わか
AFPライター。元中学校・高校の国語教員。
資産形成や社会保険、教育等に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。教員時代のスキルを生かして、相手に寄り添いながらわかりやすくアドバイスすることが得意です。より多くの方々が安心して生活できるようにお役に立ちたいと思っております。