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慶應大研究開発チーム 半自動車いすの実験開始 スタートアップ事業で採択

タウンニュース

「Feeling」に乗る川崎さん

「技術系スタートアップ実証実験等支援プログラム」を今年度より実施している市は8月27日、国内スタートアップから提案された実証実験計画に採択された6件を発表した。港北区からは慶應大の研究開発チーム「Humonii(ヒューモニー)」が取組む半自動車いすを用いた効果や満足度に関する実証実験が採択された。

これは市がモビリティ、GX等の技術系分野における革新的で成長性の高いスタートアップ下の事業化を支援するもので、慶應義塾大理工学部システムデザイン工学科、高橋正樹研究室の出身者や現役メンバーらからなる同チームには実証実験に必要な経費への上限500万円の助成や実証フィールドの調整、試作品等の開発や協業先、トライアル導入先に関するマッチング等の伴走支援が行われる。

「人と機械の調和により、人の活力を引き出す」ことを使命とする同チームは、日常的な車いす利用者や視覚に障害のある人など周りの状況確認が困難な人が利用することを想定し、自律的に移動する楽しさを感じてもらえる半自動運転車いす「Feeling」を開発。複数のカメラ、センサーを組み合わせた半自動運転システムで、乗る人の意図を推測しながら周囲の環境を認識、安全かつ主体感のある走行を実現する。ベースとなる電動車いすに搭載されたセンサーが周りの障害物を認識し、それを避けるように自動で制御しながら移動する仕組み。座面にも乗る人の動きを検知するセンサーがあり、体の傾き等からどの方向に向かいたいのかを読み取ることができる。

代表を務める川崎陽祐さんは、研究活動の一環として病院に出入りする機会が多く、医療や介護の現場を目の当たりにして、人の意欲を引き出すことの重要さを痛感したという。そこで自らの意思で自律的に移動の手助けをするシステムを着想した。「ケガや病気で入院した人の新たな形のリハビリテーションが提案できる。また退院後にフォーカスすると、観光地や買い物等で利用してもらい、利用者の生活を豊かにできるか、効果を探りたい」と川崎さん。「10年以上、日吉で暮らしている。地元横浜で我々の活動が認められ、支援してもらえることは光栄。地域の病院などと連携できれば」。同車いすは9月22日(日)の矢上祭(大学祭)で披露される。

第1回実証実験計画に採択されたのは30件中6件。市は現在、第2弾(助成上限100万円)の提案を募集している。経済局イノベーション推進課の高木秀昭担当課長は「採択をきっかけに、企業や団体の成長に繋げて頂ければ」としている。

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