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横須賀市長井 記憶つないで伝統復活

タウンニュース

ソレイユの丘で長井民謡に興じる住民ら(同会提供)

「あれよ長井の荒崎浦にゃ鳴戸黒潮どんとうつ」--。

かつて横須賀市長井で踊られていた「長井民謡」が同地域の活性化部会によって9月28日に長井海の手公園ソレイユの丘で行われた「長井まつり」で復活を遂げた。

「そういえば長井民謡ってあったよね」。昨年8月に催した祭りの盆踊り後、同会のメンバーが発した何気ない言葉をきっかけにして復活に向けた活動がスタート。長井民謡はかつて、長井小学校の運動会の時に踊られており、主に口伝で伝承されてきた歴史がある。そのため同小学校で踊られていた期間や振り付け、そもそも何年に作られた歌かなどの詳細な記録は残っていないが、地域住民によると少なくとも20年ほど前までは踊られていた。

メンバーらは住民や小学校、町内連合会などで振り付けを覚えている人や歌詞の情報を数カ月にわたり収集。そんな中、1974年に同小学校が校歌などとともに発行した冊子の中に長井民謡の歌詞が見つかった。その後、メンバーの知人宅から当時のレコードも発見され、音源をデジタル化した。

振り付けは小学生の時の断片的な踊りの記憶を頼りにつなぎ合わせ、地域のダンススクール「Vrillant」の指導者である杉本未優さんに新しい振り付けを依頼。杉本さんは「足の動きを少なくすることで大人から子どもまで踊りやすくした」と生まれ変わった踊りの特徴を話す。

28日のお披露目では、当時を懐かしむ大人から子どもまで、多くの人がやぐらを囲み、一新された長井民謡を楽しんだ。長井地域運営協議会の泉澤泰範会長(70)は、「これを機に長井の伝統を再確認し、大切にしていきたい」と話し、民謡を郷土愛の醸成にも活用していく方針だ。

地域活性化部会のメンバーら

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