日本初公開の名作彫刻も!「イタリア/バチカンパビリオン」で芸術と美食に浸る時間【大阪・関西万博】
2025年4月13日(日)に開幕した「大阪・関西万博」。数ある海外パビリオンの中でも、アートファン・歴史ファンの注目を集めているのが「イタリアパビリオン(バチカン市国も併設)」です。今回は、日本初公開の彫刻「ファルネーゼのアトラス」をはじめ、貴重な芸術作品の数々が堪能できるパビリオンの内部をレポートします。
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ここだけ別世界! ルネッサンスの理想都市を現代的再構築一生に一度の出会い!? 「ファルネーゼのアトラス」を目の前で「バチカンパビリオン」でカラヴァッジョの傑作に触れる美食とアートに癒される、屋上ガーデンとレストラン
ここだけ別世界! ルネッサンスの理想都市を現代的再構築
まず圧倒されるのが、パビリオンのファサード。建築家マリオ・クチネッラ氏によるデザインで、ローマのコロッセオを彷彿とさせる外観が来場者を出迎えます。「ルネッサンスの理想都市」を現代的に再解釈した空間は、まるでイタリアの街角に迷い込んだかのよう。
テーマは「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」。芸術作品や音楽、最先端技術、科学研究、ライブパフォーマンスまで、イタリアの創造性を体感できるコンテンツが集結しています。
一生に一度の出会い!? 「ファルネーゼのアトラス」を目の前で
広場(展示エリア)の中心には、ナポリ国立考古学博物館が所蔵する古代ローマ時代の大理石彫刻『ファルネーゼのアトラス』がそびえ立ちます。高さ約2mもの巨像が、展示空間の交差点に配されており、その存在感に思わず息を呑みます。日本での公開は今回が初。まさに千載一遇の鑑賞チャンスです。
展示エリアは4つの空間で構成され、インスタレーションと科学技術を結びつける革新的なプロジェクトを鑑賞する空間をはじめ、芸術・工学・科学の融合を象徴するボッチョーニの彫刻『Forme Uniche nella continuità(連続性の中の唯一の形態)』が展示されたゾーンが。
そして、イタリアの18の地域を紹介するスペースでは、文化やグルメ、無形遺産や工芸、芸術、音楽など、各州のライフスタイルを垣間見ることができます。
「バチカンパビリオン」でカラヴァッジョの傑作に触れる
また「イタリアパビリオン」内には、「バチカンパビリオン」も併設。こちらでは、バロックの巨匠・カラヴァッジョの名画『キリストの埋葬』が、なんと地面からわずか30cmの高さに展示されています。壁一面に及ぶ巨大な作品を間近で見上げる体験は、まさに圧巻。
さらに、展示エリア奥にはレオナルド・ダ・ヴィンチの『大西洋写本』から貴重な素描を展示。彼の科学・芸術・建築への洞察が詰まった膨大なスケッチ群は、知的好奇心を刺激してくれるはずです。
美食とアートに癒される、屋上ガーデンとレストラン
屋上には、イタリア発の人気レストラン「イータリー」が出店。伝統的なイタリア料理やワインを堪能しながら、パビリオンでの体験を締めくくれます。
併設されたイタリアンガーデンは、迷路のように回遊できるデザインが魅力。リサイクル素材で作られたアート作品が散りばめられ、日中も夜も異なる表情を見せてくれます。
日が落ちるとポルティコの陰影が深まり、さらに幻想的な雰囲気に。
夜には、劇場エリアで舞台芸術や音楽のライブパフォーマンスも開催。まるで本当にイタリアの街にいるような、夢のような体験が楽しめます。
\from Writer/
何世紀にもわたり受け継がれてきたイタリアの芸術と文化、そして未来へ向かうテクノロジーが一体となったパビリオン。中でも「ファルネーゼのアトラス」は、一見の価値どころか“並んでも見るべき”名作です。
展示スタッフの方々もとても親切で、居心地の良さも格別。「大阪・関西万博」に来たなら、「イタリア/バチカンパビリオン」は必ず立ち寄ってほしい場所の一つです。
EXPO 2025 大阪・関西万博
開催期間:2025年4月13日(日)~10月13日(月)184日間
開場時間:9:00~22:00
開催場所:大阪・夢洲(ゆめしま)
交通:Osaka Metro中央線「夢洲駅」すぐ
写真/anna 文/中野純子