ハラルド王はゴムゴムの実の前任者で裏切り者? 『ONE PIECE』ロキのいいヤツ説を裏付ける3つの根拠
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1141話)までのネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。エルバフ編のストーリーが進行中の現在、最新話では王子ロキの圧巻な立ち姿が話題を呼びました。
父・ハラルド王を殺した犯人とされるロキは、エルバフで"呪いの王子"と呼ばれ「鬼畜」「世界の敵」などと忌み嫌われています。
しかし、ルフィとの会話の様子やこれまでの言動などから、ロキが“いいヤツ”だと考える読者が急増中。
この記事では、ロキの“いいヤツ”説を裏付ける3つの根拠についてお話します。
ゾロにそっくり? 仲間になった時とリンク
ロキについて、「ゾロに似ている」という声が多く寄せられています。
これは見た目のことではなく、ゾロがルフィと仲間になったあの時の状況とリンクするという話。
かつて「魔獣」と恐れられ、シェルズタウンで磔にされていたゾロの姿は、ロキの悪評と鎖に繋がれて登場した姿と重なります。
そして当時異様に恐れられていたゾロですが、その実情は「襲われたリカを守るためにヘルメッポの飼い狼を斬ったため捕らえられていた」というものでした。ルフィはそんなゾロの行動や信念に惹かれたわけです。
さらに、ゾロとロキ、それぞれルフィとのファーストコンタクトに“取引”がふくまれているのも類似点。
ゾロと仲間になる前、ルフィは「刀を返してほしけりゃ仲間になれ」とゾロへ取引を持ちかけました。今回は、ロキからルフィに対しシャンクスの居場所などの情報を教える代わりに錠をとくように持ちかけています。
・悪名高い
・捕らえられている
・取引
というロキとゾロの共通点から、当時のゾロと同じように異様に恐れられているロキも、実際には周囲に誤解されたまま“呪いの王子”と呼ばれているのかもしれないと考察されているのです。
ハラルド王は「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」の前任者?殺した濡れ衣を着せられている説
ロキは「エルバフの王家に伝わる“伝説の悪魔の実”が欲しくて“王”である父ハラルドを殺しその実を食いやがった!!」と語られています。
多くの読者の間でこの“伝説の悪魔の実”とは「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」だと考えられており、ハラルドは「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」前任者であったという説が濃厚に。
そこで、実際は「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」を欲しがったのはロキではなく世界政府で、シャムロックが「神の騎士団」を率いてハラルドを殺害し、その罪をロキに着せたのではないかと囁かれているのです。
ロキはシャムロックともシャンクスとも面識がありますし、そのうえでシャムロックがハラルドから「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」を奪う→シャンクスがフーズ・フーらCP9が護送する「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」を奪うという流れであったならば、なんだか運命的とも言えますよね。
また、ハラルドには以前から“実は国を裏切る悪者だった”という考察も存在しています。
ハラルドは「戦いより他国との交易を」と謳っていた名君だそうですが、エルバフを拠点に「羊の家」を運営していたマザー・カルメルも「略奪より交易」と説いていたそう。同じ考えの二人だからこそ、その実態が人身売買である孤児院「羊の家」も、ハラルドは良しとしていたのかもしれません。
また、王の間に「神の騎士団」や「世界政府」が使用する「五芒星(アビス)」があったことや、ソマーズ聖がエルバフに降り立ち「ハラルドの墓参りでも?」と口にしていた点からも、世界政府非加盟国でありながらハラルドが世界政府と結託していたのではないかと考えることができますよね(ソマーズ聖の発言は、自らの組織が殺した相手への皮肉ともとれなくはないですが……)。
ハラルドが一方的に「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」を奪われてしまったのか、それとも“交易”と称して世界政府と取引をする中で騙し討ちされてしまったのか、実際のところは定かではありませんが、どちらにせよ、ハラルドと世界政府のすったもんだの結果としてハラルドが死に、ロキが王殺害の罪を着せられているとみて良いでしょう。
読者からは、エルバフの人々が揃いも揃ってロキをとんでもない悪者として語る様子に怪しさすら感じるという声もあがっているこの頃。この裏には、「神の騎士団」をはじめとする世界政府お得意の情報操作があるのかもしれません。
ローラに惚れたなら、いいヤツでしかないだろ……!
そして、ロキの高感度アップ&いいヤツ説の証明に大きな一役を買っているのが、ロキがローラに惚れて求婚したという事実。
ローラといえばビッグ・マム(シャーロット・リンリン)の娘であり、政略結婚から逃れるため海へ飛び出した女海賊。義理人情に厚く、スリラーバークでナミと友情を育んだことをきっかけに麦わらの一味とも交流を深めました。
実はその政略結婚の相手こそがロキだったわけですが、自由な結婚をしたいと断ったローラに対し、ロキはローラに一目惚れしてプロポーズに至ったというから驚き。代わりにローラにそっくりな双子の姉・シフォンを差し出されるもローラではないと見破るほどにロキの愛は確かなものだったようなのです。
過去にはシルエットでまだ今ほどの巨体ではない(けれど体格は今よりぽっちゃり)ロキがローラに花を差し出すようにしてプロポーズするところも描かれましたが、かなり可愛らしい求婚の様子でしたよね。
ということで、これは「あのローラに惚れて、真剣にプロポーズしたロキが悪いヤツなわけがない!」という、読者の願いともいえるいいヤツ説の根拠の一つ。
実際にこれまでのロキをみていると、ルフィやモサ公との会話、人間を従える様子や雪山の主を友達と呼ぶところ、「神の騎士団」の勧誘を頑なに拒む姿……など、ちょっぴり抜けているところも感じられ、語られているほど凶悪なわけではないのかも?と思わされてしまうんですよね。
しかしそれが“演技”である可能性もあるとゾロはかなり用心深く警戒していましたし、ハイルディンによれば「多少聞こえのいい事を言ったとしたら…それは計略!!」とのこと。ローラへのプロポーズすら何らかの計略だったなら個人的にショックが大きいですが……ロキはいいヤツなのか悪いヤツなのか、果たして真相はいかに。
[文/まりも]