「人生で一番きれい」ジュエリーアイスと初日の出 海岸できらめく宝石…絶景写真12枚/北海道・豊頃町
数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。
今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、宝石のように輝く「ジュエリーアイス」をお届けします。「人生で一番きれいな初日の出」との出会いが待っていました。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
撮り始めは、やはり初日の出!
2024年6月からSitakkeで記事を書かせていただき、たくさんの方に読んでいただきました。
とても嬉しく、そして感謝しております。
2025年も主に十勝平野で写真活動をし、様々な風景を撮影したいと思っています。
僕が撮影した写真で何か少しでも、北海道の雰囲気や情緒的な風景の良さが、皆様にお伝えできたらと思っています。2025年も、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、2025年の撮り始めは、やはり初日の出!
僕は帯広市に住んでいますが、近郊での候補は数箇所ありました。
・十勝白鳥大橋からの初日の出
・十勝が丘展望台から初日の出
・士幌高原展望台からの初日の出
・豊頃町 ハルニレの木と初日の出
12月初旬から、どこに撮影に行こうか考えていました。
豊頃町という地名が頭の中に出て来たところで、「ジュエリーアイス」の単語が頭によぎり、
・豊頃町 大津海岸からジュエリーアイスと初日の出
がリストに追加されました。
ジュエリーアイスは、太平洋に流れ出た十勝川の氷が、波によって海岸に打ち上げられたものです。自然がさまざまな形を作り、宝石のように輝きます。
しかしジュエリーアイスが浜に流れついているか否かは、海岸へ行ってみなければわかりません。
毎年、1月中旬から2月下旬に現れますが、天気、風向き、波の高さなど、さまざまな条件が重ならないと見ることができません。
まずはロケハンということで、2024年末に、日中の時間帯に大津海岸へ行ってみました。
帯広から車で約1時間弱で着きます。実は私も、このとき初めて大津海岸へ足を運びました。
到着し、海岸へ歩いてみると…ありました!!!
昼の宝石の輝きは…
・撮影日:2024年12月29日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/30
・絞り f/16
・ISO 100
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
初めてジュエリーアイスを見させていただきました。
波ぎわに流れ着き、日中の太陽に照らされてキラキラしていました。
・撮影日:2024年12月29日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/100
・絞り f/16
・ISO 100
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
ジュエリーアイスは写真や動画でしか見たことがなく、初めて自分の目で見たので、感動しました。
河口の凍った氷がこんなにキラキラしているなんて…。
数はというと、決して多くはありません。
海岸にちらほら、というニュアンスが一番合うと思います。
「このジュエリーアイスと、初日の出のコラボレーションが見てみたい!」と思いました。これにて、初日の出撮影場所は絞られました。
大津海岸で決定です!!
年が明けて3時間半で撮影へ出発!
1月1日、めでたく新年を迎え、起床した時間は真夜中の3時半です。
2025年も早起きの撮影が始まりました!
午前4時半ごろに自宅を出て、午前5時半ごろに大津海岸へ着きましたが、駐車場はほぼ満車状態!
なんとか車を停めることができました。
そこから少し休憩をして、最大限の防寒着を着て、浜へ向かいました。
太陽が昇る前で、東の空は、オレンジと青のコントラストが濃い空になっていました。この空間からきれいです。
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/100
・絞り f/5.0
・ISO 3200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
お目当てのものはジュエリーアイス。
波際を歩いてみると…。
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/100
・絞り f/5.0
・ISO 8000
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
発見です!
前回来たときより、新しいジュエリーアイスがゴロゴロと転がっていました。
太陽が出てくるまであと少し、どのポジションでどう撮影しようか考えるのも、日の出までの時間との勝負です。
やっとポジションが決まり、あとは待つのみ!
最大限の防寒着を着用しましたが、寒い…。
そして午前7時前、待ちに待った瞬間です。
ジュエリーアイスと初日の出
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/1250
・絞り f/6.3
・ISO 100
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/640
・絞り f/6.3
・ISO 500
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
言葉では言い表せない。
そんな気持ちを景色を見ながら感じました。
真っ白な氷が太陽の光によってオレンジ色に変化し、キラキラしている。
まさに「ジュエリーアイス」…この名称以外、合うものがないなと思いました。
周りを見渡すと、初日の出を見に来た観光客の方々も写真を撮ったり、ジュエリーアイスを探したりしていました。波の音と、賑やかな楽しそうな声が、とても心地よかったです。
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/500
・絞り f/5.0
・ISO 1000
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/250
・絞り f/10
・ISO 125
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
ジュエリーアイスは、さまざまな形で打ち上げられていました。
どんな形があるかなと、探すだけでとても楽しいです。
自然が作る形は、決して真似できませんね。
今回僕は初めて、朝方のジュエリーアイスを撮影しました。
いろいろな方の写真を見ていて、必ず撮影したかった景色です。
率直に、「難しいな」と感じました。
波の強さによって撮り方も変わるでしょうし、いい形の氷を見つけても砂まみれだったり。
アングルの捉え方、寒さとの戦い。
これまで見てきた写真のような更なる絶景は、何度も何度も通って、初めて撮れるのだろうなと思いました。
・撮影日:2025年1月1日
・場所:豊頃町 大津海岸
・シャッター速度 1/250
・絞り f/10
・ISO 100
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
ジュエリーアイスはまだまだこれからが見ごろの時期です。
過去のピーク時には、大津海岸で見渡す限りのジュエリーアイスが広がっていたそうです。
自然現象なので、こればかりはタイミングが今冬あるか、そしてそのタイミングで撮影に行けるか、運次第でもあります。
2025年も北海道の自然が作り出す絶景の景色にしっかりと向き合い、撮影者として腕を磨いていきたいです。
どうぞ2025年も、よろしくお願いいたします。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」「クマと民主主義」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は記事執筆時(2025年1月)の情報に基づきます