0円でできる・お金がかからない「サステナブルな暮らし」のはじめ方 7つのアイデア
サステナブルとは
サステナブルは、直訳すると「持続可能な」という意味。未来のことを考えるときによく使われる言葉であり、私たちも次の世代もずっと豊かに暮らしていくためにはサステナブルな社会の実現が欠かせない。
ちなみに、エコは生態学を意味するエコロジーの略で、「環境にやさしい」という意味で使われることが多い。一方、サステナブルはもっと広義を指す。環境に限らず、人権や多様性などの複数要素を絡めた包括的な意味合いがある。
サステナブルな暮らしはなぜ必要?
私たちの生活によって、地球には負荷がかかっている。とくに、大量生産・大量消費・大量廃棄の生活スタイルが続いていくと、地球へのダメージははかり知れず、現在のような生活を続けることは難しくなるだろう。現に地球温暖化や生物多様性の損失など、数々の問題が深刻化している。
また私たちが手にするアイテムの生産現場で、過酷な労働環境で働く人がいたり、動物が苦しめられたりしていることも考えられる。
そこで私たちに求められているのがサステナブルライフである。地球の自然や資源を守りながら、本当の意味での豊かな暮らしを続けられるようにすることが大切なのだ。私たち一人ひとりが地球環境について意識して行動していくことが、地球を守る唯一の方法といえるだろう。
SDGsでも
2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、地球環境、社会、経済など地球における課題がまとめられたものだ。どれも世界全体で取り組むべき内容であり、SDGsの達成は、つまりサステナブルな社会の実現とも言える。
SDGsを達成し、これからも地球とともに生きていくためには、地球上のあらゆる人が各立場から行動を起こさなければいけない。一個人としてのサステナブルな暮らしも例外ではなく、これからの未来を左右する大事なアクションなのだ。
お金はかからない!サステナブルな暮らし 7つのアイデア
サステナブルやエコ、SDGsと聞くと難しく感じられるかもしれない。ただ、暮らしのなかにはサステナブルライフにつながるポイントがたくさん潜んでいる。お金をかけずに今日からすぐにはじめられる生活のヒントを紹介する。
1 ものを長く大切に使う
ものを数回使っただけで捨ててしまうのは、ごみを増やすことになり、環境へ負荷がかかる。だから、ひとつのものを長く大切に使おう。壊れても処分するのではなく、修理できないか、ほかに使い道はないか考えてみたい。また、本当に必要なものや、気に入って長く愛用できるものしか、購入しないことも大切だ。
2 不用品をリサイクルする
リサイクルできるものはごみ箱に捨てるのではなく、極力リサイクルするように心がけよう。もっとも手軽なのがごみの分別だ。ペットボトルや缶・瓶、紙などを自治体が定める方法で出すこともサステナブルな暮らしの基本である。
ほかにも、着なくなった服をリメイクしたり不用品をフリマアプリに出品したりなど、使わなくなったものをすぐに捨てるのではなく活用する方法を考えることもあわせて行いたい。
3 不要なものを受け取らない
資源の無駄遣いやごみ削減の観点から、ごみになるものをもらわない「断る」アクションも積極的に行おう。例えば、チラシ。何もしなければ毎日ポストに何かしらのチラシが投函されるだろう。「チラシ不要ステッカー」などをうまく活用して、エコでサステナブルな生活を心がけたい。
4 週に一度「肉を食べない日」をつくる
肉食を減らすことは、環境負荷を下げることにつながっている。畜産業は、土地開発に伴う森林伐採や水質汚染、地球温暖化など環境への負荷が大きい。そこで生まれたのが、肉を食べる日を減らそうという運動だ。
元ビートルズのポール・マッカートニーが提唱する「ミートフリーマンデー」は、国連が提案した「週一日を、肉を食べない日にする」という考え方がもとになっている。日本では2018年に東京都庁の食堂で導入。「ミートフリーマンデー・オールジャパン(MFMAJ)」という団体によるイベントやワークショップの開催もあり、広がりを見せている。
5 賞味期限の近いものを選ぶ
期限が近い商品を積極的に選ぶ購買行動を「てまえどり」という。てまえどりは、廃棄される商品を減らすことにつながり、食品ロス問題を削減できるとして消費者庁をはじめ、各省庁が消費者に協力を呼びかけている。
食品ロスは単に「もったいない」だけでなく、社会問題や環境問題とも密接に関係していて、世界全体で減らしていくことが急務だ。購入してすぐに食べる場合は、「てまえどり」を意識してみてはどうだろう。
6 「Ecosia(エコシア)」で検索する
検索エンジンの「Ecosia(エコシア)」は、利用者が検索すると植樹に貢献できる仕組みだ。運営会社はドイツではじめてB Corp(Bコープ)の認定を受けており、収益の約8割を植樹活動に活用。これまでに1億6000万本以上の木が世界中に植樹されている。
通常検索エンジンを使用すると、エネルギーなどの使用によってCO2が排出されるが、Ecosiaではソーラーエネルギーを導入しているため、検索時にCO2が排出されることはない。プライバシーへの配慮やセキュリティ対応も徹底しているので、ぜひ「検索」という行動で地球に貢献してみてはいかがだろうか。
7 パブリックコメントに参加する
パブリックコメントとは、行政機関がルールを制定する際に広く一般から意見や情報を募集する仕組み。日本では、過去に「エネルギー基本計画」策定において適用され、国民から寄せられた18663件のコメントを受けて温室効果ガス削減に向けた取り組みを含め、複数項目の見直しが行われた。(※1)
私たち国民が政府に声を届けられる機会はなかなかないが、パブリックコメントをはじめとする制度を活用し、誰もが意見交換できるようになれば、より暮らしやすいサステナブルな社会の実現につながるかもしれない。
500円以下で買える サステナブルなアイテム
お金をかけなくても小さな行動や心がけしだいでサステナブルな暮らしにシフトすることができるのは上述のとおりだが、日々の生活で必要になる日用品や消耗品は環境配慮型のアイテムを選ぶことで、もう一歩踏み込んだサステナブルライフを送ることができる。『ELEMINIST SHOP』の商品から、エコな暮らしに取り入れたい500円以下のアイテム5つを紹介する。
オーガニック竹歯ブラシ(198円)
一晩で捨てられてしまうホテルのアメニティへの疑問から生まれた「MiYO Organic(ミヨオーガニック)」の100%オーガニックの竹歯ブラシ。柄の素材には循環型素材である竹が、ブラシの毛にはヒマシ油からできた自然由来の素材が使われていて、プラスチックの使用を80%削減。パッケージも無くして徹底的にプラスチックの使用を削減している。日本人の口腔に合わせた小さめのヘッドで磨きやすく、エコなだけでなく使いやすさも追求された歯ブラシだ。
雑古紙100%トイレットペーパー(198円)
地球環境にやさしいトイレットペーパーを製造販売している社会福祉法人共働学舎の100%雑古紙でつくられたトイレットペーパー。社会福祉法人共働学舎では32個入りからのオーダーになるが、ELEMINISTでは1個から購入可能。ELEMINIST限定パッケージで届く。
竹綿棒(330円)
芯に循環型素材である竹を使用した竹綿棒。地球環境にやさしいのはもちろんだが、竹独特のしなやかさが特徴で、強度があり安心感のある使い心地が好評だ。見た目もおしゃれなので、洗面所にそのまま置いても生活感が出ない。使い終わったあとも使われる前提でつくられているスライド式のパッケージは、小物入れとしてぜひ役立てて。200本入りとコスパも◎。
古紙100%再生紙紙ひも(340円)
古紙100%の再生紙でつくられた紙ひもは、ごみ出し時に重宝するアイテムだ。特殊な加工技術を施してある平らなかたちの紙ひもは、重い荷物をまとめたときでも手にくいこみにくく、ゆるみにくい。しっかり結べるので二重巻きは不要で少量使用でOK。エコなうえにプラスチックフリーを実現できるアイテムだ。おしゃれな見た目でプレゼントのラッピングにも活躍してくれそう。
再生ごみ袋(10枚入り 132円)
ごみ袋や包装資材をつくっているオルディ株式会社のプロジェクト「asunowa(アスノワ)」。アスノワの再生ごみ袋は、店舗などのバックヤードから発生する包装・梱包関連廃棄プラスチックを50%使用してつくられている。資源の循環を考えて、環境負荷が少ない商品の開発を目指す同プロジェクトが商品化したアイテムだ。ELEMINIST SHOPでは、20L容量の袋と植物由来の半透明ごみ袋も取り扱っている。
チャリティ 有機マテ茶(430円)
ほんのり甘くて、オレンジとレモンのフルーティーな風味を感じられる「ChariTea(チャリティ)」のマテ茶。原料すべてがフェアトレードかつオーガニックの農場でつくられていて、1本あたり約7円が発展途上国へ支援を行う「LEMONAID&ChariTea財団」に寄付されている。マテ茶を飲み終わったら、ガラス製のおしゃれな瓶は別売のソープポンプやディスペンサーを付けてハンドソープ・シャンプーボトルなどとして活用して。
1000円以下で買える サステナブルなアイテム
1000円以下のアイテムも紹介しよう。同様に『ELEMINIST SHOP』の商品から、生活必需品のほかに、生活に彩りを与えてくれるアイテムもセレクト。ふだんの暮らしに取り入れて、楽しみながらサステナブルライフを送りたい。
和晒5枚組(770円)
拭く・包む・漉す・敷くなど、あらゆる場面で使える万能布の和晒。洗って繰り返し使えるから、キッチンペーパーや食品用ラップの使い捨て生活から抜け出す一歩になるはず。「キッチンペーパーを毎日たくさん使うことに罪悪感を感じていた」「食品用ラップのあ代わりになるものを探していた」という方にぜひ。
オーガニックコットン おりものシート(847円)
無漂白のオーガニックコットンを100%使用したおりもの専用シート。一般的なシートの吸収材には石油由来の吸収性ポリマーが使われているが、これには植物由来のセルロースパルプのみを使用している。直接肌に触れるものだから、安心して使えるものをぜひ選んで。
プラスチックフリーのデンタルフロス(770円)
毎日のオーラルケアには、プラスチックフリーのものを選ぼう。「THE HUMBLE CO.(ザ ハンブルコー)」のデンタルフロスは植物由来の原料でつくられていて、ヴィーガンでクルエルティフリー。使い捨てのデンタルフロスだからこそ、環境にやさしいものを選びたい。再利用可能な紙製のパッケージがケース代わりになるので、そのまま持ち歩くことも可能。歯科医の指導・監督のもと製造されているので、使いやすさや品質に関しても安心感がある。
ベジタブルスポンジ(660円)
キッチングッズはプラスチック製のものが多い。そこで、まずはスポンジを替えてみてはどうだろう。フランスの自然派ホームケアブランド「LE CHENE & LE ROSEAU(ル・シェンヌ・エ・ル・ロゾー)」のベジタブルスポンジは、再生木材からつくられたセルロースが主原料。吸水性と耐久性にすぐれ「泡立ちがよく使いやすい」と好評だ。同ブランドは、肌と環境にやさしいエコサートナチュラル認証を受けている。売上の1%は貧しい人々の支援にあてられている。
「自分にできること」からで大丈夫
「サステナブルな暮らし」と一口にいっても、取り入れ方は人それぞれ。どんなシーンでどの程度取り入れられるのかはライフスタイルによってさまざまだろう。完璧を目指す必要はないし、サステナブルライフは小さな心がけと行動ではじめられるもの。
まずは「自分に何ができそうか」「どんなことなら続けられそうか」を考えて、無理のないところからはじめよう。
※1 新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた パブリックコメントの結果について|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/140225_2.pdf