勝手口で4メートルのヘビに巻き付かれ2時間超、64歳女性救助「声の限り叫んだ」(タイ)
タイ中央サムットプラーカーン県に住む64歳の女性が17日、家の裏手で体長4メートルのニシキヘビに襲われた。女性は幸いにも救出されたものの、ヘビに少なくとも2時間、腰や胴を巻かれ締め付けられていたという。救出時の衝撃的な動画とともにタイニュースメディア『Bangkok Post』などが伝えた。
17日午後8時頃、夕食を終え、外へと続く勝手口で皿を洗っていたアロム・アルンロイさん(Arrom Arunroj、64)は突然、右太ももに刺すような痛みを感じた。「オオトカゲに噛まれた」と思いアロムさんが慌てて下を見ると、それは体長4メートルほどの巨大なニシキヘビで、脚に巻きついて這い上がって来たという。
アロムさんは昨年、長年連れ添った夫を亡くし、そのまま同じアパートで一人で暮らしているそうで、当時のことを次のように振り返った。
「実は脚を噛まれるまで、ヘビには全く気づかなかったの。それでパニックになり、ヘビの頭を引っ張って離そうとしたら転んでしまったのよ。それでヘビに胴体に巻き付かれ『このままでは殺されてしまう』と思って怖くて仕方なかった。だから通行人が気づいてくれるまで、声を限りに叫んでいたわ。」
「私の人生の中であれほど恐怖に震えたことはなかった。だってヘビは私を離さなかったから。ヘビはきっと私が死ぬのを待っていたのでしょうけど、私はただ祈り、生き抜こうと最善を尽くしたの。」
そうして格闘すること約2時間、近所の住民がやっとアロムさんの悲痛な叫び声に気づき、警察に通報した。
警察官が現場に到着したのは午後10時過ぎのことで、救出にはさらに30分を要し、アロムさんの腕は青白く変色し感覚がなくなっていた。また足にはヘビに噛まれた深い傷が数か所あり、応急処置後に病院に搬送された。
なおアロムさんが救出される様子はカメラが捉えており、巨大ヘビに腰と胴体を締め付けられて疲れきり、力なく地面に座るアロムさんの姿が映し出されていた。
プラサムットチェーディー警察の犯罪予防・鎮圧ユニットの司令官、アヌソーン・ウォンマリー巡査部長(Anusorn Wongmalee)は、アロムさんの救出劇について次のように述べていた。
「事故が起きたのは平屋の賃貸アパートで、5部屋が隣合わせで並んでいた。被害者の部屋は4番目で鍵がかかっており、警察と救急隊は中から女性の弱々しい泣き声がするのを聞き、ドアを破壊した。」
「部屋に入り、目に飛び込んできた女性の姿を見た時、我々は衝撃を受けた。年配の女性はなんと、体重が20キロ以上はあると思われるニシキヘビに締め付けられていた。」
「我々はあらゆる道具を使い、彼女をヘビから解放しようと努力した。それでもヘビを引き離すのに30分以上を費やし、ヘビはその後、アパート裏の森に放してやった。」
2児の母であるアロムさんは普段、バンコクの小児病院でハウスキーパーとして働いているという。現在は感染症の可能性があることから入院中とのことだが、親戚のケアのもと回復しているそうだ。
アロムさんを襲ったアミメニシキヘビはタイ全土で見られるものの、人を襲うことは稀で、近隣のインドネシアやマレーシアなどの種と比べると小さいという。また無毒ではあるものの、噛みついた後で獲物に巻き付き、締め付けて死亡させるそうで、インドネシアではこのところ、ヘビによる死亡事故が多発している。
そしてこのニュースには次のようなコメントが寄せられた。
「これは悪夢。早い回復を祈っているよ。」
「私だったら心臓発作を起こしているかも。」
「首を絞めつけられなかったことが不幸中の幸いだね。」
「救急隊はヘビをナイフで殺してしまうこともできたはず。ヘビの命のほうが大切なの?」
「タイではこれらのヘビは保護されている。だから殺さないんだ。」
「ヘビを家の裏に放したの? また戻って来るのでは?」
「なんて恐ろしい。2時間も締め付けられていたなんて! 女性が命を落とす前に見つかって良かったよ。」
ちなみに昨夏にはインドネシアで、ワニ(クロコダイル)に襲われた女性が水中に引きずり込まれ、90分後に救出されていた。ワニは女性に噛みついたまま離さず、女性は川面から頭だけを出した状態で耐え抜いたという。
画像は『Metro「Woman rescued after four-metre long python wrapped itself around her for hours」(Picture: ViralPress)』『The Sun「COIL OF DEATH Horror moment gran is attacked by deadly 13ft python as bodycam shows beast try to squeeze life out of her in 4hr ordeal」(Credit: ViralPress)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)