平塚市 119番通報を映像で システム導入で的確に
平塚市は4月から、通報者のスマートフォンで撮影した映像を、消防指令センターに送信する映像通報システム「Live119」を導入している。通報者が言葉では伝えることが難しい場面でも、通信指令員が映像で確認できるため、早期に火災や交通事故などの災害状況を把握でき、迅速かつ的確な消防活動につなげていく。
消防指令センターでは、平塚市・大磯町・二宮町の1市2町からの通報を受けている。
平塚市では消防・救急業務の高度化に取り組んでいるほか、119番通報の6割以上がスマホなどの携帯電話からであることから、同システムを導入したという。
救急通報では、けが人や急病人の様子を映像で確認することで、通信指令員が止血や胸骨圧迫(心臓マッサージ)などの応急手当を具体的に指示。応急手当の説明動画を通報者のスマホに送ることもできるため、救急車が到着する前に、効果的な応急手当が可能だ。
また、災害発生場所が分からない通報者の場合でも、映像や位置情報を活用することで正確な通報場所が確定できるほか、状況を視覚的に確認できるため、これまで以上に的確な消防活動を行うことができる。
導入に先駆け、平塚市では2024年10月1日から25年3月31日の期間、実証実験を実施。366件に協力を要請し、272件が映像通報に成功した。本格的に導入された4月1日から25日現在では、21件に協力要請をし、19件が成功。実証実験中には、心肺停止の患者に対し、心臓マッサージの指導を行った事例もあるという。
市消防本部では「具体的に指導したいことがある場合や、電話通報だけだと把握が難しい場合、患者以外からの通報で複数人居合わせている場合などに、Live119を要請する場合があります。スピーカーモードに切り替えられるように、操作を覚えておいてほしい」と呼びかけている。