3日徹夜したのと同じ!?6時間睡眠を続けると招く恐ろしい睡眠負債とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話】
「睡眠不足」が積み重なって「睡眠負債」におちいる
専門家のあいだでは、睡眠不足を「睡眠負債」と表現します。「人間は一定の睡眠時間を必要としており、それより睡眠時間が短ければ、足りないぶんが蓄積する。つまり、眠りの借金が生じる」
これは、監修者が在籍するスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の創設者ウィリアム・C・ディメント教授が、1990年代から使いはじめた「睡眠負債」の概念です。
あえて「負債」と表現することで、すぐにでも補えるイメージの「不足」とはちがい、気づかないうちにどんどんふくれ上がってしまうことを強調し、警告しているのです。
睡眠負債については、ペンシルバニア大学の実験報告があります。実験によると、「6時間睡眠をつづけると、10日で集中力や注意力が1日徹夜したときとほぼ同じになり、4時間睡眠の場合は、2週間で3日間徹夜したときとほぼ同じレベルまで衰える」とわかったのです。
しかも、徹夜後なら疲れや眠気でパフォーマンスの低下を自覚できますが、4時間・6時間睡眠のグループは脳の働きの衰えを必ずしも自覚できていませんでした。
小さな睡眠不足が積み重なり、いつしか大きな「睡眠負債」におちいっていたのです。気づかないことこそが睡眠負債の恐ろしさです
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』 監修:西野精治