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アルザスワイン「大阪・関西万博」のゴールドパートナーに

ワイン王国

©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

春間近、開幕機運が高まる「大阪・関西万博」(4月13日〜10月13日開催)。フランスパビリオンを構成する4社のゴールドパートナーのうちの1社に、フランス国内の一ワイン生産地「アルザスワイン(Vins d’Alsace)」が名を連ねている。来日した「アルザスワイン委員会」の面々と、日仏4人のトップソムリエたちのコメントを交え、リポートする。

フランスの一つのワイン産地が国際博覧会のパビリオンに加わる——それは万博史上初めてのことという。しかも、その産地がフランスワインのアイコンであるシャンパーニュでもブルゴーニュでもボルドーでもない“アルザス”であることに、新しい時代の到来を感じずにはいられない。

「世界最高峰のワインの中でも、アルザスは、次世代に引き継げるワイン造りを行い、伝統を守りながらも変化し続けています、その姿には、フランスが誇る素晴らしさが詰まっていると自負しています」と、万博開催に先駆け来日したアルザスワイン委員会(CIVA)会長のセルジュ・フライシャー氏。

ちなみに、他のゴールドパートナーは、ラグジュアリーブランドを展開する「LVMHグループ」、保険と資産運用の「アクサ(AXA)」社、革新的バイオ技術企業「ニナファーム(Ninapharm)」の3社だ。

アルザスワイン委員会(CIVA)会長のセルジュ・フライシャー氏 ©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

有機・ビオディナミ農法の


世界的パイオニア

アルザスワインの近年の歩みを振り返ると、A.O.C.(原産地呼称)アルザスが制定されたのが1962年。76年にはA.O.C.クレマン・ダルザスが認定され、2007年までに51カ所のリュー・ディ(小区画)がグラン・クリュ(特級畑)に認定された。かつては冷涼気候のため赤ワインの生産が難しいエリアとされていたが、気候変動に伴う温暖化の思わぬ影響もあり、2022年、24年に3カ所の赤ワインがA.O.C.グラン・クリュに認定されている。

アルザスワインの昨今の盛り上がりの原動力となっているのは、有機栽培やビオディナミ農法、循環型農業のパイオニアであり、ワイン造りへの情熱溢れるヴィニュロン(ブドウ栽培家兼ワイン醸造家)の存在だ。

日本へワインを輸出する約200のアルザスのワインメーカーにとって、日本市場は世界で第9位、アジア太平洋地域においては筆頭という重要な市場。日本への年間輸出本数は約100万本に上る。この度、大阪・関西万博フランスパビリオン常設展でお披露目となれば、アルザスワインは日本国内外の来場客からまたとない脚光を浴びる機会となるだろう。

©Thomas Coldefy & Carlo-Ratti Associati

アルザスワイン委員会マーケティングディレクターのフィリップ・ブヴェ氏は、その意気込みを語る。

「日本とアルザスの交流の歴史は今から162年前の1863年に、大阪の商館がアルザスと繊維取引を始めたことに遡ります。私たちはそんなゆかりのある大阪の地で、アルザスワインをプレゼンテーションできることをとても嬉しく思います。パビリオンではアルザスの唯一無二の土壌を表現した“地下への没入”、アルザスワインのイメージを象徴する“光の演出”を行い、さらにパビリオンを飛び出して、プロフェッショナル向け・一般向けのワインイベントを全国で多数企画しています」

アルザスワイン委員会マーケティングディレクターのフィリップ・ブヴェ氏 ©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

フランスパビリオンの運営を行う「コフレックス(COFREX)」社は、常設展への動員数は1日2万人以上、開催期間計300万〜400万人を見込む。アルザスワインはパビリオンを訪れる多くの来場者の目に舌に、はたしてどう映るのか。大いなる期待を込めて、まもなくの万博の開幕を見守りたい。

日仏トップソムリエ4氏が


アルザスワインをテイスティング

©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

去る1月21日「八芳園」にて、大阪・関西万博で提供するアルザスワインを決めるブラインド・テイスティングが開催された。ここを通過した200アイテム以上のアルザスワインは、フランスパビリオン公式ベーカリーでケータリングパートナーの「メゾンカイザー」により、万博開催期間中2週間ごとにローテーションしながら提供される。

田崎真也氏


1995年「世界最優秀ソムリエコンクール」優勝

©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

多種多様なスタイルと
味わいの幅広さが魅力

アルザスワインは、主にピノ・ブランやオーセロワから造られるクレマン・ダルザスをはじめ、白ワインだけをとってみても、リースリング、シルヴァネール、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールと、品種の個性が味わいにしっかりと感じられるバリエーション豊かなワインが揃います。それに加え、近年増えてきたピノ・グリやゲヴュルツトラミネールで造られたオレンジワイン、ピノ・ノワールで造られた赤ワインと、そのスタイルも多種多様。日本の食卓で楽しまれる和食や中国料理、アジアの料理を幅広くカバーしてくれるのも魅力です。

セルジュ・デュプス氏


1989年「世界最優秀ソムリエコンクール」優勝

©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

アルザスワインを構成する
個性溢れる多彩な品種

私はストラスブール出身です。アルザスワインといえばゲヴュルツトラミネール、とよく言われてきましたが、ゲヴュルツトラミネールで造られるワインは香り豊かで、辛口のもの、スパイシーなもの、まろやかで口あたりのいいもの、甘口のものなど、実に表現力豊かです。それ以外にも、辛口のピノ・ブランやリースリングから、遅摘みのミュスカ、最近ではピノ・ノワールの赤ワインまで、アルザスのブドウ品種は多種多様。万博をきっかけに是非いつかはアルザス現地を訪れて、ご当地料理とともにアルザスワインを楽しんでもらいたいです。

森 覚氏


2008年「全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝


2009年「アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」優勝

©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

アルザスワインを
日本の食卓でもっと楽しんで

今日テイスティングしたアルザスワインは、国際的コンクールを受賞するような高品質なワインばかりでした。マリアージュを考えた場合、フランス料理店であれば、たとえばゲヴュルツトラミネールにはフォワグラというピンポイントな合わせ方になりますが、一般の日本のご家庭であればなかなかそうもいきません。しかし、和食は砂糖を多く使うことが多いので、アルザスの辛口のリースリングはとても重宝するはずです。またペトロール香と言われる独特の香りも、ゴマ油で揚げた天ぷらと最高の相性を奏でてくれます。

グザヴィエ・テュイザ氏


2022年「フランス最優秀ソムリエコンクール優勝」


2022年「フランス国家最優秀職人章(MOF)」受章

©Nicolas Dhuez-Comité Vins d’Alsace

テロワールの特徴を映し出す
グラン・クリュの魅力

アルザスワインの最高峰、51のグラン・クリュを考えるにあたって重要なのは土壌です。一般的に、石灰質土壌だと酸味が強くなり、花崗岩土壌だとピュアな味わいになります。私はルゴーニュの出身ですが、アルザスワインはブルゴーニュワインと違って、それだけでペアリングコースが作れるほどバリエーションが豊富。ガストロノミー・レストランで味わうのもまた一つの魅力です。いっぽうで、たこ焼きやお好み焼きといった大阪のソウルフードにも負けない力強いワインがあることも、アルザスワインの懐の広さと言えるでしょう。

〈アルザス・ロックス!に関するお知らせ〉


アルザスワイン プロモーションプログラム「AlsaceRocks!」


参加店舗募集中!

2022年に始動したプロモーションプログラム「AlsaceRocks!」。2025年は「大阪・関西万博」フランスパビリオンのゴールドパートナーに名を連ねる大きな節目の年となるにあたり、さらにキャンペーンを強化。全国のワインショップ、レストラン、ワインバー、およびECサイトにて、春(5月5日〜6月22日)・秋(9月15日〜11月2日)の2回にわたり大規模なプロモーションキャンペーンを実施する。ただ今、参加店舗を募集中。キャンペーン概要や参加条件、申込は下記サイトを参照のこと。

[AR2025info]

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