澄心静慮を座右の銘にしながら独創を追求する イル テアトリーノ ダ サローネ 山本鉄巳 24年12月号
新作を作り続ける日々独自の発酵に取り組む
「小劇場」という意味の「イル テアトリーノ ダ サローネ」は、カウンターを中心にした非日常的な空間で独創的なイタリア料理を提供する店。その小劇場の主役となっているのが山本鉄巳シェフだ。若くしてイタリア料理を志し、トスカーナにて研鑽を積み、帰国後サローネグループに入社。29才にして「イル テアトリーノ ダ サローネ」シェフに就いたのが3年半前のこと。30代のシェフの中でも注目の1人である。
同店は月替わりのコース1本で、同じ料理は基本的には次回メニューに組み込まない。つまり毎月10品以上新しいイタリア料理を創ることになる。「シェフになり、自分で料理を考えるようになってから2年ほどした頃、発酵に取り組み始めました。パンも自家製の発酵種を使うなど、少しずつ学んでいるところです」。
そんな山本シェフは発酵の面白さについて「イタリア料理の根幹である素材重視の観点を守りながら、旨みや複雑さなどで食材の味の土台を上げられる点にあります」という。
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山本鉄巳（やまもと てつみ）
1992年、神奈川県生まれ。25歳で渡伊。トスカーナの「クム・クイブス」に勤務し、ドルチェの部門シェフを任される。26歳で帰国後、サローネグループ入社。2021年3月より「イル テアトリーノ ダ サローネ」シェフに就任。23年度IW100「ベストパスタ賞」受賞。
IL TEATRINO DA SALONE（イル テアトリーノ ダ サローネ）
東京都港区南青山7-11-5
HOUSE7115 B1F
TEL 03-3400-5077
12:00～15:00、18:00～22:30
無休
取材・写真・文：池田匡克
