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海に釣り具を落としたら戻ってこない 隣の人が釣り上げてくれて魚が付いたレアケースも

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水揚げされた古いタックル(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

釣り竿・リール。高価なものを使うほど怖くなるのが、紛失・破損だ。アングラーなら誰もが一度はきわどい経験をし、「これ落としたら、本当に終わりだったな…」と戦慄したことがあるだろう。実際海にリールや竿を落としてしまうことはある。基本的には「あきらめるしかない」。これが大前提だが、救済もある。また筆者は落としたタックルについて面白い例を2つ知っている。この機会にご紹介したい。

道具の落水について

筆者は道具の落水・紛失を経験したことは、実はまだ一度もない。何より私は「そのうち、竿とかリールとか忘れて釣りにいくことがあるんだろうな」と常々、強迫気味にさえ思っていて、そちらの可能性に根源的な恐怖心がある。みなさんも気を付けてくださいね…。

さて、道具の落水については、やってしまった場所によってはあきらめるしかない。いや、8割方あきらめるしかない。沖の船釣りでは終了だ。ショアでも、落とした道具は自分では回収できないし、他の人の道具を使ってやってもらおうにも無理がある。そして、私も落水タックル救助の協力した経験から知っているのだが、「ここに落としたのに」というところから、なかなかタックルは素直に上がってこないのだ。潮が多少なり流れていれば、即どこかに流されてしまうのだろう。

道具は落としたら終わり(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

以上、道具の落水は致命的。まさしく一つの死に近い。あきらめるしかない。しかし「保険」はある。

保険で補償されることも

「釣り保険」というものがある(商品名は様々だ)。これに加入しておくと、落とした釣り竿やリールの紛失代金を一部お見舞い的にくれることがある。まさか丸々もらうことはできない。もちろん調査官がしっかりと事実関係を調査するので、偽証もできない。入っておいて損になることは絶対にない。沖釣りの機会が多い方は、マストな保険だ。

また「携行品特約」もある。各種の保険商品に、特約としてついているものだ。被保険者が身の回りのものを携行して外出しているときに、もしそれを紛失してしまった場合、その補償をするというものである。なんとも心強い。車の中に置いていた釣り竿が盗まれたときに使える保険でもある。釣り具の盗難は結構多いので、これも入っておくに越したことはない。筆者は個人的に車の保険には絶対に「弁護士特約」と「携行品特約」が必要だと思っている。

備えあって憂いなし(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

人に聞いた実際の竿の落水例

道具の落水については、いくつか話を聞いたが、どれも「何ともならなかった…」と最後はそういう話になる。なんだか人生そのものみたいだが、まあ、そんな絶望しなくても釣り具はまた買える。そこは釣り人を続ける限り、頑張るしかない。

釣りの先輩から聞いた珍しい「救出例」がある。1タックル10万円のご機嫌なタイラバをしていて、ちょっと横の人に話しかけるついでにアタリがきたので反射的に手を動かそうとするとすっぽ抜けてしまい、タックル落水。真っ白になって、連れてきたカノジョに慰められるも、本当に動けないほどの状態だったらしい。

すると、隣の人が魚を釣った。その魚にラインが絡んでいて、10万円のご機嫌タックルが戻ってきたのだ。しかも、なんということだろう。その落水タックルのラインの先にも、タイがついていたのだ!

なんだかんだ、めでタイ。「でも、すぐにリールだけはオーバーホールに出したけどね」とのこと。

海から揚がった竿を発見

話はまた変わって、先日垂水漁港にて、水揚げされた古いタックルを見た。

真っ白になった水没タックル(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

一体どれだけの期間を海中で過ごしていたのだろうか。しかしこの姿にも一種、美しさがあり、侘しさもある。何はともあれ、また陸に上がってこられてよかったですね、師匠、といったところか。

3年前に南港に落とした私のアイフォン8も、元気にしているだろうか…。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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