大阪市立東洋陶磁美術館の〝おいしい陶片〟に4.7万人驚がく 「これを食べるのは勇気がいりますね」
2024年10月20日、Xに次のような写真が投稿され、注目を集めた。
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白い小皿の上に、陶磁器のかけらがのっている。
そして、こんな呟きが添えられていた。
「陶片クッキーを食べに、大阪市立東洋陶磁美術館にきました。食べるのがもったいないですが、そうも言ってられないので食べます」
ええっ! これ、クッキーなの?
真相を知ってもなお陶磁器のかけらにしか見えない「陶片クッキー」には、X上で4万7000件の「いいね」のほか、こんな声が寄せられている。
「これを食べるのは勇気がいりますね」 「食べられる陶片とはどのようなお味なのか気になりますわ」 「食べるのがもったいないってめっちゃ分かる!」 「美術館での特別なクッキー、素敵な体験ですね!」
美術館で食べられる「陶片クッキー」とはどんなもの? Jタウンネット記者は、投稿者・青野尚子(@najapan)さんと、陶片クッキーの開発者に詳しい話を聞いた。
バタークッキーにアイシングの甘さ
青野さんがこのクッキーを食べに行った「大阪市立東洋陶磁美術館」は、大阪の都心部に広がる緑と水の空間、中之島公園にある。世界的に有名な「安宅コレクション」を住友グループから寄贈されたことを記念して市が設立し、1982年に開館した。
そんな同館の一角にある全面ガラス張りの開放的なカフェ「café KITONARI(キトナリ)」――陶磁器(トウジ「キ」)の美術館の「トナリ」にあるカフェ――で、陶片クッキーは提供されている。
西洋美術史関連の著書を持つ、建築・アート関係のライターである青野さんは、10月20日、同館の展示を見たいと思い、久しぶりに大阪へ行き、陶片クッキーも楽しんだ。
「見た目ほど硬くはなく、かといって柔らかくもなく、といった食感です。 それほど甘くはない、上品なお味でした。普通に美味しかったです」(青野尚子さん)
「café KITONARI」を運営しているのは、全国のミュージアムショップの運営やオリジナルグッズの開発を手掛けるオークコーポレーション(本社:東京都渋谷区)。陶片クッキーも、同社が開発した。
取材に応じた同社の店舗運営部担当者によると、2024年4月の「café KITONARI」オープン当初から販売を行っている。
「東洋陶磁美術館のカフェということで、なにかユニークなメニューを考えたときに、陶磁器の外見を模してみようとなりました」 「こだわりとしては、とにかく館蔵品に近いデザインにすることです」(オークコーポレーション担当者)
「陶片クッキー」は、粉砂糖と卵白を混ぜた「アイシングクリーム」でクッキーの表面をデコレーションしたアイシングクッキー。「バタークッキーにアイシングの甘さが相まって、食べやすいクッキーとなっております」と、担当者は話す。
反響はとてもよく、「café KITONARI」でも上位の人気を誇っているそうだ。
「陶片クッキー」が味わえるのは、今のところ東洋陶磁美術館の「café KITONARI」だけだ。担当者は、「見て楽しく、食べておいしい陶片クッキーをぜひお召し上がりいただきたく思います」と呼びかけた。