2700万円超を横領したギャンブル好きの女、逃亡するも冷凍庫に隠れているところを逮捕(南ア)
南アフリカ、ハウテン州プレトリアの裁判所で9月2日、ある女が10年の禁固刑を言い渡された。この女は2つの会社から総額2700万円以上を騙し取ったが、8月30日に逮捕された時の姿が話題となった。南アフリカのニュースメディア『IOL』などが報じた。
横領で逮捕されたのは 3児の母プリシュネ・カーン(Prishne Khan、37)だ。ハウテン州の国家検察当局(NPA)によると、カーンは2015年6月から2017年1月まで同州の「ノーザン・クリケット組合(Northern Cricket Union)」で簿記スタッフとして働いていたという。しかし、彼女は複数の請求書の支払先を夫といとこが管理する口座に変更し、2016年5月から6月の6週間にわたって35万ランド(約283万円)を横領した。組合が彼女に横領の疑いについて問い詰めたところ、カーンは辞職した。
その後、カーンは2017年3月9日から2017年9月30日まで「カスタマー・ロイヤルティ・コンサルタント(Customer Loyalty Consultant)」社で財務マネージャーの職に就き、会社の銀行口座と銀行システムにアクセスできるようになった。前の会社で横領を成功させたカーンは、再び顧客の銀行口座情報を改ざんし、夫といとこが管理する口座に支払いを送金した。しかし、あるスタッフが支払いの最終認証に必要なトークンを保持していたため、不正に資金を流用するのが難しかった。だが、カーンが同社を辞めた後、別のスタッフがトークンを彼女に渡したために、2017年9月から2018年3月まで合計300万ランド(約2427万円)以上の支払いを操作することができた。この時、カーンがトークンを手に入れることができた理由は明らかになっていない。のちに銀行が複数の不審な取引に気づいて同社に警告し、ようやくカーンの不正行為が発覚した。
2018年5月31日、法廷に出頭したカーンは罪を認め、不正行為の理由として、経済的困難と「夫のために自動車などの必需品を購入する資金が必要だった」と訴えた。また、6歳、12歳、15歳の子どもがいること、病気がちなことを理由に挙げて、寛大な量刑を求めた。これに対し、プラーン・セガロ検事(Pulane Segalo)は、盗んだ金をギャンブルに使っていた証拠を提示し、「カーンは個人的利益のために雇用主の信頼を裏切り、重大な罪を犯した」と主張、罰金刑ではなく禁固刑を科すよう裁判所に求めた。判決は2023年3月3日に延期されたが、カーンは次の裁判を待たずに逃亡したため、逮捕状が発行された。
それから1年以上経過した今年8月30日、カーンはプレトリアから120キロほど離れた町ナイジェル(Nigel)にある自宅で発見され、逮捕された。彼女は冷凍庫に隠れており、逮捕時の写真では、逃亡生活に疲れたのか、ただ寒かったのか、憔悴した表情で見上げていた。
そして9月2日に裁判が行われ、カーンは63件の詐欺罪により10年の禁固刑が下された。
なお、冷凍庫に隠れていたカーンが逮捕された時の姿はSNSで話題となり、「コールドケース(未解決事件)が壊れた」「彼女の資産も凍結」「もっと大きな冷凍庫(刑務所)に行った」など多くのジョークコメントが寄せられた。
画像は『IOL 「Mom who hid in a freezer to evade arrest sent to jail for fraud and theft」』『TimesLIVE 「Former finance manager sentenced to 10 years for fraud and theft」(Image: NPA Communications)』より
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)